表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白のネクロマンサー ~死霊王への道~  作者: 秀文
第十章 クラン対抗戦編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

165/354

アレク、帰路に着く

 今はロードランナー便の車中。ヴォルクスへ戻る途中である。


 王都ブランと商業都市ヴォルクスの距離は、通常なら馬車で十日程となる。しかし、ロードランナー便なら、三日で到着出来てしまうのだ。


 当然、費用は高額だが、全て領主持ちとなっている。ボク達は何も気にせず、のんびりと車中で揺られているだけで良い。


 ……まあ、その代わりといっては何だが、車内はポルクとアンリエッタが同席している。この辺りについては、今更どうこう言うつもりも無いんだけどね。


「それで、機嫌は直ったんでしょうか……?」


 向かいに座るポルクが、恐る恐るボクへと尋ねる。


 ……いや、正確に言うなら、ボクの膝に座るアンナに対してだ。


「ふん……」


 アンナはポルクの言葉を無視する。そして、ボクの胸に顔を埋める。


 そんなアンナの様子に、ポルクは困った表情を、アンリエッタは楽しそうな笑みを浮かべていた。


「う~ん……。これは、嫌われてしまいましたかね……?」


「まあ、ヴォルクスに到着する頃には、機嫌も治ると思いますよ?」


 ボクは苦笑を浮かべ、ポルクを慰める。彼は溜息を吐いて、背もたれに身を預けた。


 そして、ボクはアンナの頭を撫でる。彼女はくすぐったそうに身じろぎする。


「それにしても、後の事を任せて良かったんですかね?」


「ハミルトンおじ様の件ですか?」


 ボクの質問に、アンリエッタが首を傾げる。ボクはそれに頷いて見せた。


「ハミルトン侯爵なら問題ありませんよ。父様の友人だけあって、とても能力の高い人です。王族や貴族の方々を、上手く誘導してくれるはずです」


「それに、アレクの言葉も効いてますからね。あの状況でしたら、おじ様が居なくても、流れは変わらないと思いますわ」


 ポルクとアンリエッタの二人は、ザナック侯爵を本当に信頼しているみたいだ。彼が失敗する事なんて、微塵も考えていないとわかる。


 その態度に、ボクは安堵を感じる。丸投げした事は申し訳ないけど……。


 しかし、上手くやって貰えると、この国は一つに纏まる事が出来るのだ。是非とも、頑張って貰いたい所である。


「逆に、邪竜の怨念は大丈夫なのですか? 封印が破られたりしないのでしょうか?」


「そちらは問題ありませんよ。火竜の加護を得た一族が、結界の守護を行っています。それに、何かあれば情報が伝わる様に、ザナック侯爵が手配済みです」


 イベント地である『竜の渓谷』は、ペンドラゴン王国と飛竜王国の境にある。そして、ペンドラゴン側の領地は、ザナック侯爵が収めるノーウェイ領なのだ。


 既に守護の一族へ使者を出しており、共同で警戒する体制が構築され始めている。余程のイレギュラーが無い限り、慌てる必要は無いだろう。


「では、予定通りに、我々は討伐の準備を進めれば良いのですわね?」


「ええ、準備には半年ほどの猶予があるでしょう。ゆっくりと、力を蓄えて行けば問題ありませんよ」


 王都の派閥が纏まるのに、一月やそこいらでは無理だろう。かといって、悠長に時間を掛ければクーデターが起きかねない。半年位が無難なラインだと読んでいる。


 そして、その半年後に『邪竜の怨霊』を討伐する。相手は不死属性のアンデッドなので、悪魔公と同じ聖属性が有利となる。装備も大半が流用可能なはずだ。


 ――と、そこでボクのマントが引っ張られる。


 何事かと視線を落とすと、アンナがボクを見つめていた。


「今度は、私達も一緒に戦うから……」


「……ああ、そうだね。皆の力があれば、悪魔公より楽に倒せるだろうね」


 ボクの返事に、アンナはニコリと微笑む。そして、再びボクの胸に顔を埋めてしまう。


 その様子を見ていたポルクとアンリエッタは、穏やかな笑みをアンナに向けていた。

第十章は以上で終了となります。

次回は一話だけ、閑話を挟みます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ