↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アサシン クロニクル  作者: キツネ
火に飛び入る砂漠の虫
43/46

迷える人達

十九話


「迷った…」

シズネは地下道に戻っていた。と言うより、迷っていた。

「おかしい。方向はあってるのに。戻るにも道がわからない。…どうしよ」

ウィルと別れてから、すでにかなりの時間がたっている。それにつれて、シズネの焦りも大きくなっていた。

(なんで私はいつもこう…)

「ゴアア…」

「!」

前方からの唸り声に身を隠す。岩影から覗くと、影鬼がこちらに歩いてきていた。

(影鬼!? なんでここに!? まさかウィルは)

悪い考えが頭をよぎる。シズネはそれを必死に振り払いながら、影鬼の様子を見ていた。

(大丈夫。今は影鬼から逃げることを、最優先に考えないと)

幸い、後方の道は急激に狭くなっている。逃げればすぐに、影鬼は追ってこれなくなるだろう。

(ぎりぎりまで観察してから逃げれば問題ない)

シズネは岩影に隠れたまま、影鬼を観察することにした。

体は相変わらず黒い魔力に覆われている。見える限り傷もない。

(でも、前ほどの荒々しさはない。どちらかと言うと大人しいような。ーえ?)

影鬼は思いがけない行動をとりはじめた。道端の巨石を持ち上げたかと思うと、その下の穴に入って行ったのだ。

シズネは、影鬼の姿が見えなくなったのを確認してから、穴を覗きに行った。

「これは…、抜け道?」

穴の下には階段が下へと続いていた。地下道よりも人工的な作りで、以外と綺麗で広い。影鬼が通れるほどだ。

「こんなものがなんで…。ううん、今はウィルを探さないと」

穴には入らず、影鬼が来た方向に走る。影鬼が来たということは、その先にあの場所が続いているはずだ。

「っ、ウィル!」

シズネは焦りのままに走り出した。



二十話


人々が列を成して、砂漠を歩いている。その中にはサムライと、赤髪の少女、そしてマックスの姿があった。

「にしても、律儀だなー候補生殿は。わざわざ集落まで送る必要なんてないのに」

「仕方ないでしょ。一時とはいえ、率いてきた人々を放って帰れないわ。せめて、集落までは送り届ける」

「まあ、サムライがいるなら、僕達は必要ないと思うけど」

自国の英雄がいるおかげか、人々は以前より明るい。それもそのはず、キーアの人々にとってサムライとは、国の象徴にしてキーア教の従順な使徒なのだ。

少女はやはり機嫌が悪いようで、さっきから拗ねたような口調で話している。

「あたなこそ、どこの誰だかは知らないけど、他のみんなに紛れて帰ればよかったじゃない」

「僕は僕で目的があるんですよ」

(集落に戻って、ウィル達を探さないとな)

他の隊員はシダに戻っていた。ここにいる連合国の人間は少女とマックスの二人だけだ。数的有利はもうない。

「集落についたら早く帰ってくださいね」

「わかってるわよ」

突き放す口調の少女に溜め息をつきながら、マックスは砂漠を歩く。高く登った日はすでに傾きはじめていた。



ウィルが目を覚ますと、そこに影鬼の姿はなかった。

「いったい何が」

思いだそうとするが、シズネと別れてからの記憶がない。まるで、白いもやがかかっているみたいだ。

「お目覚めかしら」

声の方向を見ると、銀色の髪の少女が立っている。

「お前はどこかで…。そうだ、港で絡まれてた」

「あの時はどうも、ウィル=リーガス君」

(! 名前を)

ウィルは身構えるが、少女に敵対の様子はない。

「そう身構えなくても、とって食ったりしないわよ。まあ、この状況なら仕方ないか」

「お前、何者だ」

リークに手を掛けて、違和感に気づく。コートの裏のリークに何本か、ウィルの物ではないリークが混じっていたのだ

「そうね。改めて自己紹介からしましょうか。私はエマ。あなたをスカウトしに来ました」

エマはそう言って、ウィルに手を差し出した。















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。