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第98話 魔王軍幹部と戦うまで!


「イヴ本当に大丈夫なのか?」



「問題ありません」



ミーナの手伝いで何やらいろいろなケーブルを取り付けるイヴに心配になり聞く。



「僕もイヴのサポートに回るから心配しないでもいいよ。 それより、ソウタ自身の心配した方がいいんじゃない?」



イヴに器具を取り付けるミーナが悪戯っぽく俺にそう言う。

確かにその通りだ。



「それ言うなよ、1番俺が気にしてんだからやめろよ」



愚痴を垂れるとハンドフリーにしてあるスマホの方からエディさんの声が聞こえる。



「全ては君にかかっているんだからな。 弱気なことを言うな、兵の士気が下がる」



「す、すみません。 そんじゃあ、行きますか! エディさん! お願いします!!」



おれは慌てて誤り、エディさんに作戦開始の合図をお願いする。



「これより睡蓮が魔王に突っ込む。 損害の大きい艦は後退、それ以外の艦は本艦及び勇者の援護をせよ!」



「「「「了解」」」」



周りの艦隊からの頼もしい返事とともに魔王と人間側の最終決戦が始まる。




俺たちはあの手紙を読んだ後再びエディさんたちの元を訪れ俺らが直接魔王と戦うことを伝える。

最初エディさんは難色を示したが、実際魔王が直接戦場に出てきて以来、魔族たちに押し返されて戦況は不利になりつつあったこともあり、なんとか説得して協力してもらえることになった。

ミーナの協力で各々のスマホと艦隊の通信網をつなげ、連携できるようにしてもらった。

テレビ電話とまでいかないが、ハンズフリーにしていれば無線として使える。

そして、俺らが乗り込み魔王の元へ突っ込む睡蓮に関してはイヴが直接操縦するとのことだ。 そもそもこの船はイヴが操作する前提で改造してたしまぁそっちの方がうまく行くんだろう。

作戦の内容としてはいたってシンプルであり、この睡蓮で魔王の元へ魔族の軍勢を蹴散らしていき、そこで俺たちが魔王と戦う。 なんとも乱暴な作戦だが、そもそも周りは木製の船が大半であるところこの鉄の塊の船である耐久力は比べ物にならない。

さらにはアザゼルたちと行った改修工事の際、『反魔法塗装アンチマジックコーティング』なるものをしてもらったおかげである程度魔法によるダメージは減らすことができる。

簡単にいえば現在このアルシノエ艦隊で1番特攻向きの船ということだ。



俺は甲板に出て突入の準備に入る。



「こっちもやりますか。 『天装』」



「すごいよ! ソウタ、なんかこう…すごいよ!!」



ルナ、 それは語彙力なさすぎるだろ…。



「本当にすごいです! いつもの頼りなさそうなのは嘘みたいです!」



ティアラ、それ地味に傷つくわ…。



全く褒めているのなんなのかわからない2人に褒められつつ、『天装』の感覚を確かめる。

衣服はガブリエルが普段着ているようなものに変わり背中からは大きな翼が生える。

うまく飛べるかは知らないがまぁ今までも『魔力喰い』の効果でそれとなく出来たんだ今回も上手くやれるだろう。



「2人とも準備出来たか? あ、そういえば言い忘れてた。 ルナ、アザゼルがなんだか知らないが薬はなるべく使うなだってなんでも命を削るようなものだから本当のピンチにのみ使えって」



何やらカバンから小さな小瓶を取り出したルナを見て俺は思い出してアザゼルの忠告を伝える。



「え、そうなの? うん、わかった。 ここぞと言う時に使うようにする!」



それを聞いてルナは意外と素直にそれを引っ込めて再びカバンへしまう。

なんか見た目毒々しい液体入ってたけどよくもそんなものを使おうと思ったな。

俺はそんなことを思いつつ、久々に使う俺の相棒を抜き、こちらは迫り来る魔物の軍勢に剣先を向け、高々に宣言する。



「よっしゃそれじゃあ行くぞ!!」



それを合図にするかのように他の船はこの船を援護できるような陣形になり、睡蓮は先陣を切って魔族の軍勢に突っ込む。

俺は向かいくる魔族をバッサバッサと斬り捨てていく。 もちろん相手も決して弱くはないのだろうが、この圧倒的な『天装』と『勇者の剣』の力にまるで刃が立たない。

まさに俺1人で一騎当千の如しである。

もちろんそんな状態になっているのはルナやティアラたちが俺のサポートをしてくれていたり、イヴやミーナがこのでっかい鉄の塊を上手く操作していたり、他の艦を初めてする人間連合の戦力が援護してくれているからなのだが…

ともかく勢いを取り戻した人間連合はどんどん敵陣に斬り込む。



すると無線からエディさんの声が聞こえる。



「ソウタ君、 前方より大きな魔力反応が2つだ。 強敵だと思われる注意しろ」



そこに現れたのは見知った2人の姿だった。



「ハヤカワソウタ…… やはり貴様だったか」



「ん? テメーは確かベルンの街で見たな。 なんだよずいぶん面白そうなツラしてんじゃねーか」



苦虫を噛み潰したような顔をするメガネをかけた黒髪の綺麗な女性と面白そうに高笑いする真っ赤な髪にとてもギラギラした目、そして1番特徴的なのはゆらゆらと揺れるモフモフの尻尾を持つ女性。



「久しぶりだな。 サーニャ、ベンケイ。 だが、今はお前らと話してる暇はないんだ、そこを通してくれるか?」



「「通すと思うか?」」



「ですよねー」





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