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第28話 ダンジョンの奥に着くまで!

やはり洞窟の魔物は一筋縄ではいかなかった。

俺もランダスの街の一件を経てそこそこにレベルが上がっていたのだが、そこらへんの森や平地で戦うのと周りを囲まれている閉塞感のある場所で戦うのは全然違った。



「やっぱり、キツイな。 敵も厄介な能力の奴ばっかだし」



そう、洞窟の魔物の強さ自体はその辺にいる魔物と大差がないが、連中は状態異常とか特殊な特性、戦法を使ってくる。




「まぁね。 私も傷の回復と状態異常回復の両面で魔力相当使い込んで疲れたよ」



「回復魔法を使えるのがこのパーティではルナさんだけですから仕方ありませんね。 私も簡単な傷を回復するくらいの魔法なら使えるんですけど…」



「このダンジョン終わったら回復専門職のやつ募集するか」



俺たちのパーティの回復は基本ルナがやっている。

だが、ルナはそもそも弓兵のため回復の専門ではない。(まぁルナの場合は弓矢だけではなく短剣や魔法でも戦えるのでオールラウンダーといったほうがいいのだが…)




「でもあーいうのはやだよ? あの入り口であったスカしたやつ!」



と言ってルナは入り口付近でのことを思い出していた。

まぁ確かにな。








俺たちはここに入る前、何個かのパーティが集まってできただいたい20人くらいの連合パーティの面々と会っていたのだ。



「はい、そこの団長さん…でしたっけ? 変わった人でしたね。 確かに言ってることは正しいかもしれないですけどちょっとあの人苦手かもかもしれません」



とティアラもルナに同調する。




そう、俺たちはそのパーティの団長と呼ばれる男に



『君たちはたった3人でこのダンジョンに挑むのかい? 無謀だと思うなぁ。 出直してもっと仲間を集めたほうがいいんじゃないかい? まぁだからと言って僕たちのパーティには入れてあげないけどね』



とスカした風に言われたのである。

確かにあれはイラッときた。















「ねーえー、ソウター、そろそろ『雷鳴の槍』にありついてもいいんじゃないの? 結構奥まで来たと思うんだけど」



疲れがたまってきたようでルナがグチる。



「そうですね。 私たちも結構歩きましたから」



「てか、ソウタ本当にこっちであってるの?」



「うーん… そのはずなんだけど…」



俺たちは今新しく覚えた魔法を使いダンジョンを進んでいた。





ベルンの街は魔法科学の街ということで実はこのダンジョンに入る前に『魔法液』をいろいろ買って飲んでいた。 あいも変わらず全然覚えないのだがいくつか新しい魔法を覚えることができた。その1つに今使っている『追跡(トレイス)』がある。これは人の辿った道を追うという魔法で辿った道が光の筋となって術者に見えるようになる。そしてもうひとつ覚えたのが、『指折り確認(フィンガーカウンター)』である。 こちらは単純明快、知りたい事柄の回数を教えてくれる魔法である。




そこで俺はこの2つを使って過去に1番冒険者が通った道を選んで通っている。



「いや、考え自体は間違いじゃないと思うんだよ。 だってもう何人もの冒険者が最後の部屋に行ってるわけだろ? ならこれでいいと思うんだけどなー」



冒険者同士は基本的に協力関係にはあるのだが、こういったダンジョンでのお宝争奪戦の時は、情報はあまり流さないのが普通だ。 だから攻略にはそれぞれのパーティごとに自分たちで作戦を立てて挑む。それを証拠に入り口であった連合パーティも俺らに対して手を出さぬように言ってきたのだ。(まぁそれとは別にあの団長とかいう男の性格も関わってそうなんだが)

だから 俺らみたいに他の冒険者が通ったあとを追跡というのは邪道中の邪道というわけだ。

ちなみに保険として調べていたあのスカした団長がいたパーティも同じ道を通ったらしい。













「あ、でも向こうのほうなんか開けた部屋があるよ! ゴールじゃない!?」



ルナが言う通り確かにこの先の道の奥は開けた空間があるみたいだ。



「ルナ! ちょっと待てって! 他の冒険者とかもいるかもしれないんだから慎重にだな…」



「きゃああああああああああ!!!!!」


その奥の部屋から聞こえた女性の悲鳴に駆け出したルナが足を止める。



「なんだ!?」



「なんかマズイんじゃない!? 私、行ってみる!」



とルナは再び駆け出していってしまう。



「とりあえず私たちも行ってみましょう!」



と俺の隣を歩いていたティアラも奥の部屋の方に向かう。

なんかとっても嫌な予感しかしないんだけどどうしよう。

そう思うが女の子2人に任せておくのもアレなので向かうことにする。

仮にもこの世界の勇者なんだからしっかりしないとな。





開けた部屋にいたのはそれはそれは大きなガイコツさんでした。
















四つん這いで歯をカタカタ言わせこちらを威嚇するような仕草をとる大きなガイコツ。

あれだ、こいつの名前を日本で見たことある。 えーと、確か…そう餓者髑髏(がしゃどくろ)だ!

よく妖怪もののアニメやゲームで出てくるやつ!

それにしてもでかいな。四つん這いの状態でも高さは10メートルはあろうかという大きさ。 たったら30メートルとかいくんじゃなかろうか?

さすがに宝を守る番人みたいなのはいると思ってたけどよりにもよってこんなデカイのかよ!







「あなた大丈夫!? …ってあなたは入り口にいたパーティの! 一体どうしたの!?」



そこにいたのは入り口付近にいたあの連合パーティの魔法使い風の女の子だった。



「あいつが一撃で、前衛のみんなを、 そしたらがら空きになった、後衛もやられて、私もやられそうになったけど、団長が、」



女の子は涙を流しながら何が起こったのか話してくれた。

よく見るとの餓者髑髏の足元には数人の冒険者が転がっている。それに女の子の前には団長と呼ばれたあのスカした重装備の男が倒れている。




「大丈夫です。 まだ息はあります! ルナさん回復魔法を! ちょっとナルシスト入った人であった時はイラッとしましたがどうやら戦闘では騎士の鑑のようですね」



安否を確認した後さらっと悪口をいうティアラ。

ティアラは普段人を悪くは言わないんだけど珍しいな。 相当癪に障ったのか?







「ソウタさん! このピンチなら前に言っていた例の魔法使えるんじゃないんですか? 私が前衛を務めます。 そうたさんは魔法を打つ準備を!」



そう言ってティアラは言って餓者髑髏に突っ込む。


実はあの自爆男をキリのとこに飛ばした、試練の祠の帰り道にティアラに『後は野となれ山となれ(デスペレーション)』のことを聞かれてティアラとルナにあの魔法の発動条件と効果を話していた。

ルナはただのパンツ剥がしの魔法だと言っていたが、俺たちのパーティで本当のピンチのピンチに使う最終手段として使おうということになった。




ティアラは今この瞬間がその時だと思ったのだろう。



ティアラは餓者髑髏の攻撃を華麗に避け、相手に一撃をくらわす。

すげーな、あの連合パーティ十数人でもダメだった相手を1人で足止めしてるぞ。


だが、餓者髑髏にとってさほどのダメージになってないように思える。

このままじゃジリ貧だな。






俺はティアラに言われた通り、あの例の魔法を唱えた。









『後は野となれ山となれ!!』






















魔法陣から神々しい光を放ち召喚されたのはクマさんの絵がプリントされたパンツだった。








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