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第12話 遺跡調査がおわるまで!

遺跡の出てきた寝巻き姿の女の子。 髪にパーマをかけた日本にいる時ならいわゆる、ゆるふわ系の女の子がありえない威圧感というか魔力を放ってそこにいる。



「もう、ほんま寝てるのにうるさいよ。 それにしても…あーあ、結界も壊れとるし」



のんびりとした間延びでなぜ関西弁?でゆるふわガール扉をペタペタ触りながらいう。そんな彼女にミーナは


「結界を壊したのは済まない。 僕の連れだ。それよりもそんなところから出てきたお前は何者だ? それとなんだその喋り方はバカにしてるのか」


「うち? うちの名前はエスタや。よろしゅうな。 それとこの喋りやったか? これはずっと昔におーたやつの喋り方がえらい面白くてな。 真似させてもらったんや。 ええやろ?」



なるほど、似非関西弁感があるのはそういうことか。 というかこの世界、やたらに現実世界の人間来すぎじゃないか? いいのか、それで?


「真似してるだけなら、普通の喋り方に戻せ」


とミーナがいう。 さっきからミーナさん、やたらに強気で行きすぎやしませんか? 相手恐ろしいほどの魔力が溢れてるんですが?


「あーあこれな。もう真似して随分と立ちすぎて元の喋り方に戻れなくなっとんねん。 堪忍してや」


なんだろ、こっちもイライラしてきた。



「そないことよりもこっちも名乗ったんやから、そっちも名乗るべきと違うの?」


「すまなかった。 僕の名前はミーナ。それでこっちはソウタ。 僕たちはその遺跡の調査に来たんだ。 よかったら、そこどいてくれるか?」


「遺跡? ああ、これ? これはそないけったいなもんちゃうで。 こんなか見たけど特にお前たちが興味持ちそうなものはなかったで」


「それは僕たちが決める。 だから、そこをどいてくれないか?」


「いやーやっと見つけたねぐらやし、また探すのもめんどいし、自分たちなんでそんな急ぐん?」


「街のみんなが困ってるからだ。 この遺跡のせいで海の魔物が増えて船が出せないとな。 だから、調査に来た」


「海に魔物? ああ、それはこの遺跡のせいとちゃうで。 あいつまた自分のことで人様に迷惑かけとんのか まぁそれも仕事かちゅーたら仕事か。 うちはめんどくさくてやらんけど」


という思い出したかのようにエスタ。

それよりこいつ、魔物が増えた理由知ってるのか?


俺はエスタに聞いてみた。


「エスタ、お前はなんで魔物が増えたのか知ってるのか?」


「まーな、うちんとこの同僚がきっと癇癪起こしてやっとると思う。 しばらくすれば治ると思うからそれまで辛抱してくれると助かるんやけど」


「やってるも何も。 そんなこと人間にはできないだろ。 あんな大量の魔物を使役するなど 。 お前はなんなんだ」



とミーナが聞く。


「だからうちの名前はエスタやってゆーとるやろ。 魔王軍七本柱の一柱、怠惰のエスタや。 やっとんのは同じ七本柱の1人やと思うからそいつが落ち着くまで待ってろってゆーてるやん。 めんどくさいなー」


「魔王軍七本柱…だと…」


とミーナはとても驚いた顔をしている。

魔王軍七本柱? なんだそりゃ



そんな風に首を傾げていると丁寧にも俺にミーナが聞いてくる。



「ソウタ、七本柱を知らないのか?」


「ああ、知らん」


「うちらのこと知らん人間がおるとはな」



とエスタは笑う。

ただミーナは笑わず、真剣な顔で教えてくれる。



「魔王軍七本柱というのはいわば魔王軍のうちの幹部になる。 それぞれ魔物を引き連れてこの世界のあちこちを侵略している、実行部隊の隊長たちだ」


「えっ!?」



俺も今更ながら驚く。 魔王軍の幹部って、こんな初期の街に来ていいものなの!? いや、ゲームとかではよくあるけどさすがにこれこそ負けイベントなんじゃねーの!?



「その魔王軍幹部がなんでここに!? なんか狙うものとかあるのか!?」


「狙うものなんてあらへんよ。 大した理由じゃない、うちはサボるためにこないへんぴなとこまできたんや」


と俺が怒鳴るように言ったことに先ほどと全く変わらないテンションでめんどくさそうに答えてくれる。


「せやから、面倒だから戦いとかそんなんしとーないねん。 ここは見逃してくれへんかな?」


「お前が僕たちを騙してそこの遺跡の中で侵略の準備をしてるとも考えられるが?」


「もーめんどいなー、おねーちゃん。 いい歳して男の話もないんとちゃうん? このままだと一生独り身やで?」


「余計なお世話だ! いいから中に入れろ!」



普通にきれたミーナ。

見た目では歳をとってないというか幼いミーナだが結構歳いってるのだろうか? でも聞いたら殺されそうだなー



「あーはいはい。 もう言い争うのもめんどうや。 うちはその辺の木陰で休んでるからお好きにどうぞ。あー ほんとめんどくさいやつらやな」


とあっさり道を開けてくれた。

ミーナはフンっとエスタに一瞥くれるとさっさと中に入ってしまう。



「いいのか? エスタは魔王軍の幹部なんだろ? 俺らを殺したりとかしなくて」


よっこらしょとその辺の木に寄りかかって座るエスタに俺は聞く。



「だから戦うのはめんどいって言ってるやろ。 そもそも私は『怠惰』やで? そんなん働かんのは当たり前やろ。魔王も普段はともかく、ちゃんとした時働けばいいっていっとるし、うちんとこは部下がしっかりやっとるし 無理して働く理由があらへん」



よくそんな適当でクビにならないな。



「それよりおにーちゃんも中いかんでもいいのか?」


「俺は行ったところでなにも役立たんしな。 それならお前がなにかしでかさないように監視してる方が良さそうだからな」


「だから、うちはなにも… あーもーええ。 好きにしーや」



と寝てしまった。



俺はも警戒はしつつその辺に腰を降ろして休むことにした。



森の中にあるというのもあるだろう、気持ちの良い風が肌を撫で眠気を誘う。














「なぁ、お前どんだけリラックスしてんの? いくらなんでも警戒心なさすぎやろ」


その声に目を開けると目の前にはエスタの顔があった。



「うわっ!」


「うわっじゃあらへんやろ。 うちは確かに戦わへんとゆーたよ、ゆーたけども。 いくらなんでも魔物の前で寝るなんて非常識すぎるやろ。 ほんま変わったやつやなー」



エスタの言う通りだった。 確かにもしエスタにその気があったなら俺はあっさり殺されていただろう。


「そういうエスタこそ、目の前で油断している冒険者殺さないなんて変わってると思うけど?」


俺も言われっぱなしはやだったのでそう切り返してみる。


「誰も殺さないなんていってないやろ? 魔王の命令とかうちのことめちゃくちゃ邪魔してくるやつとかそう言うのはやってるよ」


「それでもそういうの以外では殺さないんだろ? そもそもなんで魔王軍なんか入ってるんだ?」


「うちは基本的に専守防衛なだけや。 めんどくさいのは嫌いやからな。 魔王軍に入ってる理由はただ1つや、魔王に何から何まで養ってもらってるからや。 つまりはヒモやな」


しれっというエスタ。


「魔王に寄生してれば基本的に生活に困ることもないし、後みんな魔王軍幹部っていえばビビりよるから変なやつに戦いを挑まれなくて済む。 その代わりたまに出る魔王からの簡単なお仕事をすればえーからな。 おすすめやで? 魔王軍」


「全くなんで勇者魔王軍に勧誘してるんだよ。 ほんと変わったやつだな」



と俺が言うと、エスタの目の色が変わった。


「おにーちゃん、勇者やったんか?」



しまった口を滑らせた。

とはいえ俺はまだ雑魚、嘘だと思われるだろう。


「そうか、やっぱおにーちゃんがそうか。 まぁ確かにそんな予感はしてたんやけど。 おにーちゃん、こことは違う世界(・・・・・・・・)の人間やろ?」



とエスタは聞いてくる。

なんでそれをエスタが知ってるんだ!?


「ごめんな、それやったら話は別や。 おにーちゃんになんの恨みもないんやけど仕事だししゃーない」


とエスタは右手を目の前にかざす。

すると目の前には大きな鎌が現れる。


「覚悟してもらうで、異世界から召喚されし厄災よ」















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