第13話 魔王幹部と決着つけるまで!
大きな鎌を構えてこちらへ突っ込んできた。
なんでだよ、さっきまでダラダラしてたやつとは別人じゃないか!
俺は剣を、抜いてなんとかエスタの鎌を受け止める。
「やるな、おにーちゃん。 さすが『異世界』からのからの勇者サマやな」
冗談じゃない! 一撃止めるのでもこっちは全力だ。そもそも、
「異世界の人間が全部勇者なわけないだろ! それに『厄災』ってどういう意味だよ!」
昔ネットとかで見たことあるのだが、鎌は武器になり得ないみたいなのを見たことある。だが、それは真っ赤な嘘である。 今目の前で命をかりとろうとこちらへ迫ってきている。
ちくしょう! あのネットに書き込んでる奴らも一回俺みたいなのを味わってみればいいんだ!
「そりゃそうやけども、お前は特別や。 お前は『気付いたらいた』じゃなくて『連れてこられた』んやろ? なら間違いない。 この世界に伝わる『変革』をもたらすものや!」
と脇が甘くなったのか、エスタから蹴りをもらう。
「かはっ!?」
こいつ、だんだん動きが速くなってないか?
自分の身体を見て気づくが、みるとすでに受けきれなくなってたのかいたるところに傷ができていた。
「おにーちゃんは今なんでこいつどんどん速くなっとんねんっておもーてるやろ? ちゃうねん、おにーちゃんが遅くなってんねん」
「どういうことだ」
「この鎌は…『バアル』っていうんやけどな、これ本来の鎌同様使い道としては農作物を刈り取るものなんよ。 でもな、これを武器として使うときはもちろん命を刈り取る者として働く。 それは直接ではなくて間接的に。 何を難しいことゆーとんねんって感じやろうけど簡単にゆーなら、生命エネルギーを刈り取る武器なんや、これは。 せやからだんだん身体が重く動かなくなってきたやろ? 当たり前や、おにーちゃんの生きる気力をさっきから刈り取ってるんやからな」
とエスタは長々と説明してくれる。
長々と説明できる時間ができるほど、目に見えて俺の身体は動かなくなってきていた。
「それでも、おにーちゃん。この鎌を何発も受けきれたのはすごいで? せやから、痛みのあまり感じられんよう一瞬で決めてやるわ」
くそ! さすがにここまでか!
いや、俺に残されたとしたらあの魔法…
さっきは失敗したが、今度こそうまくいってくれよ!
「『後は野となれ山となれ』!!!」
すると眩い光ともに魔方陣が現れ、何かが出てくる。
頼む! なにかこの状況を打開できるものを!
「何かと思えば我を呼び出したのは人間、お前か。 せっかくシスター・セリアと優雅なティータイムだったのに」
そこに現れたのは変態吸血鬼…じゃなく、吸血鬼の中の吸血鬼ことルークだった。
「る、ルーク? なんでここに?」
「なんでも何も、お前がそのヘンテコ魔法で我を呼び出したのだろ? 本当に空気の読めない下賤な魔法め」
と、忌々しそうに行ってくる。
まぁ出てきた時に言ってたが、セリアさんとのティータイムで呼び出したのか。そりゃ気を悪くするのは当然だ。
というか何いけしゃあしゃあとセリアさんと仲良くしてんだよ!
「お前は、たしか変態吸血鬼か。 なんでお前がこんなとこにいんねん! というか、今の魔法はなんや!」
いきなり出てきたルークに明らかに動揺しているエスタ。
こいつら顔見知りなのか?
「ふむ、誰かといえば、魔王のとこの怠け娘か。 この男の様子を見るところいたぶって遊んでいたといったところか? それともこいつが『連れてこられた異世界人』だから魔界の安寧のため『抹殺』するといったところか?」
「お、お前には関係ないやろ。 めんどいけどうちやって仕事でやっとんのや。 それをやらんとうちとてただではすまんのや、 せやからそこをどけ。 そもそもお前のやってることは『協定違反』やないのか?」
「『協定違反』というならそちら側であろう? この男の首筋を見るがよい。 これは『私』のだ」
「本気で言っとんのか?」
「もちろん。 今日のところは引き返して魔王に報告でもなんでもするがよい。 すればお主の処分も寛大なものになるであろう。 それとも我と戦うのか?」
そう言うとルークの目が鋭くなる。
するとエスタは鎌を降ろし両手を挙げ降参の
ポーズをとる。
「いや、うちはいいわ。 めんどくさいし、多分お前が出張ってきたことを報告すれば見逃したことは不問になるやろ。 あーあ、久々に動いたから疲れたわー もうしばらくは働かんわ」
そして持っていた鎌を消し、俺に言う。
「そうゆうことやおにーちゃん…いや、ソウタやっけ? 久々に楽しかったわ! また次会うときはもっとのんびりしようや、 ほなな」
と言ってどこかへ消えてしまった。
なんだったんだ。
「なんだか知らんが助かったよ、ルーク」
「とりあえず役に立てたかな。 それより人間、次呼ぶときは時を考えろ。 後、私を喜ばせるコレクションを用意しておけ」
「ああ、善処するよ。 あ、そういえばさっきお前を呼んだ召喚魔法で出てきたんだけど、これはお前のコレクションに入るか?」
と俺はさっき出てきたパンツをルークにさしだした。
「それはならんな。 人によっては確かにパンツでも我はよいが、そのパンツはいらぬ。 よりにもよってあの暴力女のなどはな」
「へ? 今なんて?」
「だからかそのパンツはあの暴力女のだと言っている。吸血鬼の嗅覚を侮ってはいかん。 なんで魔法でそんなもの剥ぎ取ってもちあるいているのか、お主ら2人の性癖をとやかく言うつもりはないが、それはいらん」
なんですとぉぉぉぉぉ!
やばい! バレたら殺される!
「なぁ、ルーク? 頼むよ! 証拠隠滅にこれを持って帰って処分してくれ! バレたら殺される!」
「断る。 そもそもバレたらと言っていたがバレてると思うぞ? 我も召喚されるときに魔方陣が足元に現れて飛ばされたからな。 あの娘は一度お前の魔法というか魔方陣を見ているのであろう? なら召喚される側にも魔方陣が現れてるから犯人は特定されているだろうな」
なんてことだ。完全にゲームオーバーだ。
「む? そろそろお主の魔法の効力が切れるな。我から1つ、死ぬなよ人間」
そう言うとルークは消えてしまった。
そこへちょうど調査を終えて遺跡から出てきたミーナが出てきた。
「どうした? ソウタ。 この世の終わりみたいな顔をして。 それよりあのふざけた娘はどうしたのだ?」
俺は憔悴しながらもことのあらましをミーナに話した。
「はっはっは! それは帰るのが楽しみだな! 安心しろこう見えても僕は改造人間を作るのは得意なんだぞ? 最悪の場合は任せておけ」
と高笑いするミーナだった。




