ブローム、3
面倒くさい。
何が「戦で作戦を立てるにあたってまず考えなくてはならないのが、戦場の特性を知ること。それによって立てる作戦が変わってくる。」だ!
メンデルさんはいいように言って私に面倒ごとを押し付けただけではないのか。
そもそも、なぜ私が辻斬り事件に駆り出されなくてはならないんだ!
私の部下……の部下の部下が何人か殺られてはいるが……、それは私の仕事か?
それは自警団の仕事ではないのか?
こっちだって都市計画案を考えているのに……。
まあ、こっちはスライルさんが全然やる気出さないからまったく進んでないのだけど……。
ただ、メンデルさんにあんな凄まれ方したら断われないよな……。
しょうがないからやってやるよ!
もう……。
トラップとか言っていたな……。
何だ?油とか敷けばいいのか?大きな籠が落ちてくる装置を作ればいいのか?
……そう言えば具体的なこと全然聞いてない。
ちゃんとした計画を立ててから話せよな!
さすがは戦場に出ていた人。
馬鹿は剣だの槍だのをもって殺った殺られたを繰り返してりゃいいんだ。
それを人の上に立って指図しようなんて調子がいいことを!
いや、あの時すごい怖い顔してたからすぐ帰って来ちゃったんだ……。
……あの人、部屋を訪ねるといつも怖い顔してるんだよな。
今忙しいんだよ!みたいな顔……。
直接的じゃないからまだましだけど……。
あーあー、あまり彼のところには行きたくないんだよな……。
自力で考えて作るしかないな……。
どんなのがいる?
まず、辻斬りを捕まえる装置だろ。
仲間を呼ぶ装置とかあればいいのか?
あと辻斬りは強いらしいから戦力差を埋めるもの……。
私は武器を持って戦ったことないからわからないが、こういうのはイメージだ。
仮に辻斬りがあの憎きゴルジオみたいなやつだとする。
私があいつを捕まえるにはどうすればいい?
まず向かい合ったら顔面にパンチを入れ、ひるんだところに金的めがけてメガトンキック!それでゴルジオはノックダウン!二度と私に舐めた態度が取れなくなる!
何だ簡単じゃないか!うまくいけばあいつの人生の楽しみまで殺すことが可能だ!
おっと、辻斬りは別にゴルジオじゃなかったんだ……。
だけどゴルジオが倒せれば他の奴もたいがい倒せるだろう。
メンデルさんは何が必要なんだ?
まったく……、こんなこともわからずに戦場に出ていたとは……、片腹痛し!
トラップっていうのはこういう理論をしっかりまとめろってことか?
完成間近だな!
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という話をしたらこっぴどく叱られた……。
そして、作戦用の兵器の案を渡された……。
たぶん、これやらないとものすごい顔をされるんだろうな……。
鬼や悪魔みたいな……。
面倒くさいなー。
戦いは好きな奴がやれよ!
こっちにゴミを擦り付けるな!