669 やっとお風呂
遅れたうえに短めです。
申し訳ない。
「ふへぇ……。
死ぬかとおもいましたよ?」
すっかり泡風呂専用になった小湯船に身を沈めます。脱力。
シロカゲリを綺麗に洗った後はお返しの『地獄の洗濯機』。
気持ちよさと息苦しさでダウンする寸前でタップ。
チビ達も心得たものでいい感じにストップしてくれました。
成長しましたね。賢い子たち♡
お見せできようもない顔でノックアウトされたお義母様、カワヒロ隊の尊い犠牲のおかげですね。合掌。
シロカゲリは大湯船に飛び込みバシャバシャ遊びだしました。
彼らの辞書に『ゆっくりする』の文字は無いようです。
出版社のミスですね。反省していただきたい。
ニャーコだけ湯船のすみ、浅いところでまったりしています。
あ、カゲリに捕まりました。
絶望的な顔でこっち見ない。
「カゲリー?
ニャーコさん、ちょっと貸してくださいな?」
「♪♪~♪」
ひょいと影手がよこした子猫を寝転んだ胸元に乗せました。
お義母様なら立ってても余裕で乗るのでしょうけど。
「ニャゴ」
「いいですよ?」
お風呂場ではゆっくりしたいというのは同感です。
特にカゲリのニャーコ扱いはかなり適当ですからね。
石鹸の爽やかな香りが脳裏に涼しく。
温かい泡風呂に包まれつかれを癒します。
胸元の子猫が同じ姿勢でくつろいでますよ?
「ふぅー。やれやれ」
「ニャーゴ。ニャムニャム」
今日は忙しかった。
忙しすぎました。お客さんが多すぎました。
宣伝は重要ですが、過ぎると諸刃の剣ですね。
実質破綻してたのを根性で無理矢理突破したようなものですよ?
思えば福引大会のときも忙しかったですけど。
あのときはマスターが強権発動して食休み時間さえ確保しました。
並んでたお客さんには整理券渡して一時解散させたワケですけど。
それぐらいした方がよかったんですかね?
ですがあれは、福引景品の☆3アイテムが当時相当レアで、冒険者の皆さんの需要がケタ違いだったからできたこと。
チビ達に誘われ遊びにきてくれた町の皆さんに、景品目当ての冒険者と同じ不便を強いることはできませんよねぇ。
今日みたく行列に並んでもらうのもこころ苦しいのに。
「お店が足りてませんよねぇ。 ヤッパリ」
ガールズの修行目的で作った販売出張所に、あれだけの行列。
それだけの需要を《迷宮樹の森》が秘めているということです。
その需要に《錬金堂》と《クッキーBang Bang 》だけじゃ応えきれません。
ま、そのあたりはマスターに考えてもらいましょうかね。
さすがに明日は来客も減るでしょう。
連日ピクニックは疲れますし。
バイトガールズもヘトヘトになってましたし、明日はお休みでもいいと思ったのですけど。
夕食、海鮮丼でお腹を満たした彼女たちの気合はたちまち大復活。
少し休んだだけで明日の仕込みに燃えてました。凄い。
「このウエーブには乗るしかないよ!」
「儲かるってわかってるのに休めないって!」
「明日は今日の分も調合します…」
「揚げれば揚げるほど、上手くなってる気がするよ!」
各自、それぞれに手応えを感じているようでした。
どこまでも残業する勢いでしたが、ミライナさんと言い含めて巨狼シロの背中に乗せて帰しました。
疲れた身体にムチをいれるより、よく眠って元気な朝から動いた方がはるかに効率がいいのです。
残業より早出ですよ?
チビ達の集客も今日限りで、明日は人出も落ち着きます。
無理する必要はないのですよ?
ガールズは以前、町の防衛戦の際に独自で商売を試していました。
残った在庫の飲料などは《錬金堂》で買い取って活用したのですが。
本人たちは不本意な結果に感じたようです。
それもあるのでしょう。
目の回る忙しさを窮地でなくチャンスと理解してます。
立派ですよ?




