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錬金堂繁盛記  作者: 三津屋ケン
675/677

669 やっとお風呂

遅れたうえに短めです。

申し訳ない。

挿絵(By みてみん)


「ふへぇ……。

 死ぬかとおもいましたよ?」


 すっかり泡風呂専用になった小湯船に身を沈めます。脱力。


 シロカゲリを綺麗に洗った後はお返しの『地獄の洗濯機』。

 気持ちよさと息苦しさでダウンする寸前でタップ。

 チビ達も心得たものでいい感じにストップしてくれました。


 成長しましたね。賢い子たち♡


 お見せできようもない顔でノックアウトされたお義母様、カワヒロ隊の尊い犠牲のおかげですね。合掌。


 シロカゲリは大湯船に飛び込みバシャバシャ遊びだしました。


 彼らの辞書に『ゆっくりする』の文字は無いようです。

 出版社のミスですね。反省していただきたい。


 ニャーコだけ湯船のすみ、浅いところでまったりしています。


 あ、カゲリに捕まりました。

 絶望的な顔でこっち見ない。


「カゲリー?

 ニャーコさん、ちょっと貸してくださいな?」


「♪♪~♪」


 ひょいと影手がよこした子猫を寝転んだ胸元に乗せました。

 お義母様なら立ってても余裕で乗るのでしょうけど。


「ニャゴ」


「いいですよ?」


 お風呂場ではゆっくりしたいというのは同感です。

 特にカゲリのニャーコ扱いはかなり適当ですからね。 


 石鹸の爽やかな香りが脳裏に涼しく。

 温かい泡風呂に包まれつかれを癒します。


 胸元の子猫が同じ姿勢でくつろいでますよ?


挿絵(By みてみん)


「ふぅー。やれやれ」

「ニャーゴ。ニャムニャム」


 今日は忙しかった。

 忙しすぎました。お客さんが多すぎました。


 宣伝は重要ですが、過ぎると諸刃の剣ですね。

 実質破綻してたのを根性で無理矢理突破したようなものですよ?


 思えば福引大会のときも忙しかったですけど。

 あのときはマスターが強権発動して食休み時間さえ確保しました。

 並んでたお客さんには整理券渡して一時解散させたワケですけど。


 それぐらいした方がよかったんですかね?


 ですがあれは、福引景品の☆3アイテムが当時相当レアで、冒険者の皆さんの需要がケタ違いだったからできたこと。

 チビ達に誘われ遊びにきてくれた町の皆さんに、景品目当ての冒険者と同じ不便を強いることはできませんよねぇ。


 今日みたく行列に並んでもらうのもこころ苦しいのに。


 「お店が足りてませんよねぇ。 ヤッパリ」


 ガールズの修行目的で作った販売出張所に、あれだけの行列。

 それだけの需要を《迷宮樹の森》が秘めているということです。


 その需要に《錬金堂》と《クッキーBang Bang 》だけじゃ応えきれません。

 

 ま、そのあたりはマスターに考えてもらいましょうかね。


 さすがに明日は来客も減るでしょう。

 連日ピクニックは疲れますし。


 バイトガールズもヘトヘトになってましたし、明日はお休みでもいいと思ったのですけど。


 夕食、海鮮丼でお腹を満たした彼女たちの気合はたちまち大復活。

 少し休んだだけで明日の仕込みに燃えてました。凄い。


「このウエーブには乗るしかないよ!」

「儲かるってわかってるのに休めないって!」

「明日は今日の分も調合します…」

「揚げれば揚げるほど、上手くなってる気がするよ!」


 各自、それぞれに手応えを感じているようでした。


 どこまでも残業する勢いでしたが、ミライナさんと言い含めて巨狼シロの背中に乗せて帰しました。


 疲れた身体にムチをいれるより、よく眠って元気な朝から動いた方がはるかに効率がいいのです。

 残業より早出ですよ?


 チビ達の集客も今日限りで、明日は人出も落ち着きます。

 無理する必要はないのですよ?


 ガールズは以前、町の防衛戦の際に独自で商売を試していました。


 残った在庫の飲料などは《錬金堂》で買い取って活用したのですが。

 本人たちは不本意な結果に感じたようです。

 それもあるのでしょう。


 目の回る忙しさを窮地でなくチャンスと理解してます。

 立派ですよ?

 

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