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復讐するため今日も生きていく  作者: ゆづにゃん
第七章 愛と心の形
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第69話仲間?

すいません、投稿に結構な間が開いてしまいました、読者の皆様本当に申し訳ありません。

見覚えのある天井をまっすぐと見据えながら、ぽつりとつぶやいた。


「またか....」


こんな感じで、どこかに寝ていて見知らぬ天井を見るっていうパターンが最近多い気がする、今回唯一分かっているのは.....


「ここがどこかってことぐらいだな」


周りを見渡せば、大量の女性が席に座り、ホットケーキやショートケーキを頼んでいた。それを美味しそうに頬張りながら、ゴブリンがいれた紅茶を啜っている。

窓から外を見れば長い行列入口へと続いていた。


「凄いな、たった数日でここまで人気になったのか.....」


そう、ここはカノン達が経営するカフェ【ホットケーキ】

一晩考えて出た案でまともなのがこれしかなかったそうだ。まあ、あのメンツ(エミリーを除く)じゃあまともな案が出るほうが不思議なくらいだろう。

外の看板にも大きく【ホットケーキ】の文字が書いてある、ちなみに書かされたのはゴブリンだ。


「凄いですよね?もっと褒めてくれていいんですよ?」


体を起こし席に座ると、いつのまにか隣にはカノンがちょこんと座っていた。


「いつの間に.....気配消してたのか?」


気配察知のスキルを持っているのに全く気づかなかった。


「そこまでしませんよ、普通に来ただけです」


という事は、気づかなかったのではなく、気づけなかったということか。

体調が悪いのが原因だろうか?


「それより褒めてくださいよ〜」


カノンは上目遣いでそっと近づいてくる、最近カノンは女の武器という物を理解している気がする、誰がこんな事を教えたのだろう?.....リンだろうなぁ。


「ああ、凄い、凄いな」


俺は適当に頭をポンポンと優しく撫でる、すると顔をムッとしかめ。


「なんか適当な気がします.....」


少し文句の言葉を漏らすも。


「まあ、いいです、えへへへへぇ♪」


すぐに満面の笑みに変わった。

犬は人になつき、猫は家になつくって聞いたが、猫も人に懐いてるよな?.....流石に獣人(カノン)を猫扱いは失礼か?.....


「それにしても落ち着いてるのー、主様」


カウンターの奥から出てきたリンは右手にお皿を持ちながら腰に手を当て、こちらをじーと見ている。

同じようなことが何度もあったため流石にあきれられてしまったのかもしれない。


「誰にやられた?」


「ただの市民」


「市民?嘘じゃろ?わしはてっきりネームドの魔物か魔法の実験に失敗して爆発したのかと.....」


「本当に魔法とか魔物とか関係ないんだ」


俺のその言い草にじーと片目でリンは俺を見つめると、すっと力をぬいた、スキルで嘘じゃないと理解してもらえたようだ。


「あっそうじゃった...これはエミリーからじゃ」


右手に持っていたホットケーキが乗ったお皿を俺の隣にそっと置く。そのホットケーキは少しアレンジが加わっていた。


「エミリーも心配しておったが、何分忙しくてのぉ、顔を出せないから、かわりにこれを渡してくれと頼まれたんじゃ.....さてわしも仕事に戻るかの」


踵を返しカウンターの方に向かうと、途中で何かを思い出したように振り返り。


「忘れておった、主様絶対にこれ以上戦うなよ、普通に死ぬぞ」


「なんで?」


「主様は今血がほとんどないぞ、回復魔法で傷は治したが血液は元に戻らん、自然治癒増強を使って血液を戻しておるが、しばらくかかるじゃろう、とにかくじゃ、絶対にこれ以上血を出すな、わかったな」


きつめにそう言うと直ぐにエミリーの手伝いに向かった。

リンがいうところ、つまり今俺の血はほとんどなくて、傷は回復魔法で治したが、血液は全く元に戻っていない、これ以上血を出せば普通に死ぬぞ、そういうことらしい。


「そんなに血が出てたのか?」


「ええ、まあ、頭と首から血があふれてましたから」


「首?」


俺が殴られた覚えがあるのは頭だけだ、どうして首から?


「はい、首の所がぐちゃりと潰れていました、最初は死んでるかと思いましたよ」


多分余りの力に首が耐えられなかったんだろう。

聞かなければ良かった、俺は心配そうに自分の首をさする。

特に傷は残っていない。


「そういえばご主人様を連れてきてくれたのはオークさんなんですけど、他にもこんなものを持ってきていましたが.....これじゃないですか?ご主人様のけがの原因.....」


カフェの隅にはカフェににつかない血塗れの鈍器、紫色の槌には真っ赤な血がこびり付いていた。

これを持って来てくれたのは嬉しい誤算だ。

正直どうしてあそこまでダメージをうけたのか理解が出来ていない。

俺は席を立つと紫色の槌に手に取る。

重さ的には黒剣よりも少し重いくらいだろうか?

ただの変哲も無い槌でどうやって?.....ん?....

じっと槌を見ていると、ステータスの様なものが見えてきた、

----------------------------------------------------------------------


執念の槌 3級武器


攻撃力(物理)+300

特殊スキル、この槌を持っている時のみ槌スキルLV5までを発動できる


---------------------------------------------------------------------


「これは.....解析スキルか?」


自分のステータスを開き確認するが特に解析スキルは見えない。だが復讐者スキルのLVが3に上がっていた。


復讐者LV3:解析、解説、奪うの能力アップ、付与された能力も奪える。


復習者のスキルの詳細を見ているとさらに文字が出てきた。


復讐者LVアップの原理:復讐対象を殺す事によって復讐者のスキルのLVは上がる、そしてそれによって解放される能力はランダム。


「そういう事だったのか」


今までの出来事に納得がいきつい口にしてしまう。


「何がですか?」


いきなり俺が言葉を発したので驚いてカノンが質問してくる。


「ちょっと俺は用事を思い出したから家に戻るよ」


「え、いきなりですね、では私も仕事に戻ります、もう怪我しないでくださいね?」


「ああ、できるだけな」


今から行う実験は怪我をしないとは言い切れない、俺はカノンの言葉に少し口ごもりながら答えた。





「はぁ、はぁ、説明通りだ....でもこれはきついな」


家に帰ると嘘をつき愛の国内にある広すぎる公園、そこでも人目のつかない場所で実験をしていた。


「よし、もう一回」


復讐者のスキルLV3、解説スキル、これは確認したい物を頭に浮かべると事細かく説明してくれる。

そして今俺が解説スキルで確認したのは魔力の使い方・応用だ。


魔力:それは魔法を放つ火種であり、形を変え武器に纏わせるものであり、身を守るものである。

いわゆる変幻自在な力。

この技術を魔力変換と言う、この能力を使える者はAランク以上、最低でもBランクの力は必要である。

そもそも魔力とは天魔族の攻撃手段である、人間がよく深くもそれを天魔族から奪いとったのだ。

だが元は天魔族のもの人間よりも使い方がうまく、さらに魔力の量も桁違いである。そして魔力のそもそもの発生原とは......


長くなりそうなのでそこで言葉を切った。


そして今俺がやっているのは説明にもあった魔力変換だ。


(イメージ的には体に纏わせる感じだ)


体に魔力をとめどなく流し続ける。


(でもこれにそこまで意味があるのか?)


体に鎧のように纏わせているが特に変化はないし、守られている感じでも無い。

それとも俺に才能が無いだけなのか?

魔力変換・才能で解説確認をすると。


魔力変換・才能:人によって魔力には差が出る。攻の魔力、変の魔力、守の魔力、そして最後に特の魔力などがある。

攻の魔力、その名前の通り物理強化型魔法の威力が高いものに多い。

守の魔力、魔力で体を覆い守ることができる、回復魔法が得意なものに多い。

変の魔力、発想による変換、固有スキルが強い者に多い。

特の魔力、個人による、どのような者か不明。

そしてこの事を知る事が出来るのは詳細スキル、もしくは固有スキル持ちのみ。


俺は固有の解説スキル持ちだから分かったのか。


ちなみに俺は何の魔力だ?

解説スキルにそう問いかけると。


俺は何の魔力だ?:返答、変の魔力。


変の魔力...また、使い勝手が悪そうな...

そもそも変の魔力って何なんだ?


返答:他の魔力よりも事細かく魔力を変化させられる。


「それなら」


右手から魔力を出来るだけ細かくして、辺りに飛ばす。

すると、その魔力を飛ばした距離にある、木、鳥、人、の数が解説スキルによって頭の中に強制的に入れられる。


「索敵スキルの上位版ってところか、でも解説スキル持ってる俺しか使えないな....」


索敵範囲は5〜600メートル程だ、魔力をもっと使えばさらに距離を伸ばせるだろうが、ここまでが丁度いい。


「さて、次は武器だな」


一応カフェから持ってきた、執念の槌を取り出す。


「忘れてた、ついでに付与奪っておこう」


執念の槌に向かって固有スキル復讐者を発動、そして槌スキルLV5までを奪った。


「さて、どうするかな.....まてよ?」


背中から触手を出すイメージを頭に浮かべ一気に魔力を放出させた。

背中から数本の透明な触手が動く、その一本を自分の右手を動かすように思い切り木を殴りつけた。

木は激しく揺れ、根元から折れる、だが...


「はぁ、はぁ、これは駄目だな、完全にボツだ。魔力消費量が多すぎる」


言いながらアイテムポーチに入っている魔力回復ポーションを口に含む。

武器に纏わせるのではなくて、魔力そのものを武器にしようと思ったのだが、失敗に終わった。


「やっぱりこうするしかないか」


右手の槌に先程の触手型の魔力を纏わせ、そのまま槌の形型の魔力を作り上げる。

魔力を纏わせた槌を地面に振り降ろすと、深いか浅いか中途半端な亀裂が地面に刻み込まれた。


「まあ、これはこれで、なかなか使えそうだな、さて次は.....」


次は何をしようか、勇者を殺す為に色々と考えようとしていると。


「王、大変です!!」


甲高い声が聞こえてきた。


「王って呼ぶなって言ったろ?キリアでいい」


妖狐の声に振り向くと、そこには汗だくな妖狐、相当焦っていたことが伺える。

どうしてここにいるのが分かったのか聞きたいが、妖狐が焦っているようなので、あえて聞かない。


「チナツさんが!!このままじゃ死んじゃうんです!」


この時妖狐は少しは心配するような反応がキリアから返ってくると思っていた。


「ふ〜ん、それで?」


だが返ってきたのは興味がなさそうな、つまらなさそうなキリアの声


「それで、だから助けに行こうと.....」


「何で?」


「へっ?」


妖狐の間抜けな声が俺の耳に届く。


「まあ、この際どうしてお前がチナツが死にかけてるのを知っているのかは置いとくとして、何でお前はチナツを助けたいんだ?お前は魔物でチナツは人族、お前が助けたがる理由が分からないんだが」


「え、だって、チナツさんは仲間でしょう?」


仲間、俺はその言葉に異様に引っかかる。


「それにチナツさんは私達のランク上げの為にわざわざ戦ってくれているんですよ?」


「仲間、ねぇ、お前がそう思うのは勝手だが、俺もそう思っていると勘違いしてないか?」


「え、でも...?」


言い淀んだ妖狐の声、俺はそれを遮るように自分の答えをすぐに口にする。


「俺はチナツを仲間だなんて一切思ってないぞ」


「本当に?」


「仲間ってのは信頼があるからなるものだ、裏切られない信頼がな」


「じゃあ、私も?.....仲間じゃない?」


自分も信頼がないと思ったのか俺に心配そうな目で問いかけてくる。

俺はそれに首を横に振り否定をしめす。


「お前は違うぞ?お前は俺を裏切れは自分も死ぬっていう、信頼できる事実がある、俺はそれがないなら信頼しない」


そう決めたんだ、昔裏切られて死んだ時から、簡単には信用しないと。

口からではいくらでも甘い言葉、虚言は出せる、けど確実な裏切れない事実があるなら俺も裏切らない。だってそれで俺が裏切れば、復讐対象(あいつら)と同じになってしまうから。


「でも、仲間(お前)の頼みなら俺は断らない、ただ、本当にそれが正しい事で自分の本当にそうしたい事なら、な。

まあ魔物のお前じゃあ食料である人間を助けたいだなんて説得力のかけらも無いけどな」


あえて、挑発のように腹の立つ、そして厳しい言葉を投げかけた。

でも、妖狐は反論ができない、だって本当のことなのだから。


「ッ!!だ、だったら、もう頼りません!!私は、私一人の力で友達を救ってみせます!!」


これ以上の話し合いは時間の無駄、ただチナツの命を削るような事、それを理解した妖狐は一人走って行った。


「........」


俺はただその後ろ姿をじっと見つめていた。


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