第22話ブラックゴーレム
すいません、少し短くなりました。
「はぁ、はぁ、はぁ」
今のユウキは最悪な状況だ、魔力欠乏、スタミナ切れ、ちょっとした貧血。
燃やす、溶かす、切る、吹き飛ばす、そうやって何体ものゴーレムを殺した、いや壊した、の方が適切な表現だろう、その結果がこれだ、まだまだたくさんいるというのに既に手いっぱいだ。
(何体壊したのだろうか?)
途中まで数えてはいたのだが、途中で数えることをやめた、それほどまでに膨大な量なのだ。
無慈悲にもどんなにユウキが傷つこうと無限にゴーレムは、沸き続ける。
「これじゃあ体がもたないな....」
何かないかと、逆転の一手を探すが特にそれらしいものもない、ただ黒色のゴーレムとゴーレムの集団がいるだけだった。
その時ふいに、ゴーレムの集団の開いた隙間から、奥で一人佇んでいる黒色のゴーレムのステータスを覗いた。
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ブラックゴーレム LV55 ?歳
HP:15000
MP:0
筋力:10000
スタミナ:無し
防御力:無し
器用さ:無し
魔法:無し
スキル:剣技LV6 突進LV4
固有魔法:無し
固有スキル:命令LV10
称号:無機質、ゴーレム、指揮官
ゴーレムを束ねる者、作り物
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ステータスに無しなんてつくのか?気になるところではあるがそんなこと気に知ていられない、
それよりも命令の固有スキルを手に入れれば.....
命令:無機物に命令を与える魔言を放つ、魔言の命令は絶対、その通りに動かせる。
これさえあれば......突破口を考えていると、横からユウキの顔面目掛けて赤色のゴーレムの剛腕。
それに合わせて周りに浮いている火属性魔法の一つを指で動かし、ゴーレムの剛腕にぴったりとあてた。
腕が灰になったゴーレムの腹部にとどめのファイアーランスを叩きつけた。
赤色のゴーレムは、腹部を中心に少しづつ灰に変わっていく。
「少し邪魔だなこいつら」
こいつらが邪魔で作戦が立てられない、考え事中も容赦なく殴りかかってくるため集中するもくそもない。
作戦を立てる間ゴーレムが邪魔なので、また魔法を一斉に展開俺の周り半径5メートル内のゴーレムを全て指で操った魔法で順当なゴーレムに当てて行く。
俺の周りのゴーレムが全てゴミになったことを確認してから、カノンに近づいて「少し貸してくれ」聞こえているわけでも見えているわけでもないのに一言伝えてカノンの腰に刺している氷の精霊剣を抜き取った。
そして、氷の精霊剣を地面に差し込み魔力を多めに送り込んだ。
すると、カノンと俺の半径5メートルを円形に氷の壁で覆われた。
ゴーレムの打撃音が聞こえるが、聞こえないふりをして無視し続けた。
少しの間しか、もたないだろうけどないよりマシだろう、さて、まず確認をしよう
自分のステータスを確認する。
復讐者のスキルがLV2になっている、それは知っていた、だが確認する時間がなくてしていなかっただけだ、確認してみると、今、自分の欲しい望んでいた能力だった。
復讐者LV2:高確率で固有スキルを奪う、相手を恨んでいなくてもステータスを覗ける。
高確率で固有スキルを奪う、これが欲しかったこのスキルがあればどうにかできるかもしれない。
ならば、と、早速行動に移す事にした。
ま氷の精霊剣を地面に差し込み魔力を送り込み何重にも頑丈にカノンの周りだけに氷の壁を出現させる。
すると、[ピキッ]と言う音と共にユウキの周りに張ってあった氷の壁にひびが入り次の瞬間完全に氷の壁は壊れ大量のゴーレムが流れ込んできた。
(何か、足場を作れる魔法は........あれを試すか)
自分の真下の地面に手を置いて、木魔法【木材創生】を使う。
すると、地面に緑玉色の魔法陣その先から木材が生えている、少し変な言葉遣いだが本当にその通り木ではなく木材が生えているのだ、そしてその木材は魔力を送るだけ伸びていく、その木材の上に飛び乗ると一気に魔力を注いでいった。
(これくらいでいいか)
右手を上に上げてそこに消化魔法LV1の消化液を発生させる。
そして消化液の形を無理矢理ファイアーランスの形にしていく。
完全にファイアーランスの形を作り出すと、消化液ランスをブラックゴーレムのはるか上から狙い打った。
ブラックゴーレムは、飛んできた消化液に反応すると剣を抜き、切り落とした、否通過した、そもそも液体は切ることはできない。
剣を振りかぶった状態のブラックゴーレム、ほぼノーガード、消化液がもろに直撃した。
それを見た俺は内心ほくそ笑んでいた。
(これで勝った)
一応ステータスを確認してみると、そこには命令LV10が鮮明と書き込められていた。
俺は早速言葉に魔力を込めていった。
「ゴーレム供!ブラックゴーレムを殺せ!」
その言葉を聞いたゴーレム達は、今までのリーダであったブラックゴーレムを目指して歩きだし、ブラックゴーレムの前までたどり着いたとたん、一斉に殴り出した、仲間など関係ないただ命令は絶対であるということ。
ブラックゴーレムはそれに一切抵抗を見せずにそのまま砕けちった。
(何故、反抗しなかったのだろう?まあ、そんな事どうでもいいか)
さて、邪魔なブラックゴーレムも片付いたし、ゴーレム供を殺そう。
「ゴーレム供全員....」
俺は笑顔で親指を下に向けると。
「死ね!」
その一言で全てのゴーレムがバラバラに砕けちった。
「はぁーやっと終わった」
ユウキは、気怠そうにそう言ってカノンの横に腰を下ろす。
(カノンが起きるまでは、少し休むか....)
ユウキはカノンの綺麗な気絶顔を眺めながらホッと息を吐いた。
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