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復讐するため今日も生きていく  作者: ゆづにゃん
第三章 黒の魔王
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第18話獣人の国

すいませんがとても短くなってしまいました。

夜ご飯を食べ終わり、子供達や、おじさんが寝静まった中、俺だけは起きて、あたりを見渡していた。


(魔物は、来てないな?)


あたりを警戒をしながら焚き火に当たる。

すると、先程まで寝ていたカノンが起き上がり、


「ご主人様?見張り代わりましょうか?」


カノンが目をこすりながら聞いてくる。


「いいのか?」


「はい、いいですよ?」


(カノンがこう言っているのだ、交代してもらおう)


「じゃあ頼む、魔物が来たら起こしてくれ」


そう言って俺は眠りについた。


「......」


「......」


静かな焚火の周りでは、ユウキの寝息と、火で木が燃える音だけが聞こえてくる。

カノンは黙って暗い空を見上げていたが、つい暇でユウキの方を見ると、完全に寝ていた。

だが、頭には枕の代わりに石のようなものをひいている。


「それだと頭がいたくなりますよ....」


ユウキが寝ていることを確認すると、ユウキの顔を抱き上げ自分の膝に置いた。


(この子が本当に記憶の人なのかな?)


ユウキの寝顔は無邪気な少年そのものだ、だがカノンがユウキに助けられたというのもまた事実で、そんなことができるのはこんな無邪気な少年ではないことも確かだ。

カノンはユウキの白髪を優しくなでる、どうしてこの人はあんなにつらくても現実から逃げないのだろう、そんな疑問を胸に抱えながら。





目が覚めると、耳からは馬の蹄の音、そして目から見える光景はカノンの少し膨らんだ胸と整った顔立ちだけだ。


(どういう状況だ?.....)


俺がと惑っていると、おじさんの声が聞こえてきた。


「ようやく起きたか、ねぼすけ」


そう言って特有の笑い声をあげた。


「おはようございます」


カノンの膝から起き上がると、カノンに軽く挨拶を返した。


「ああ、おはよう、あと敬語じゃなくていいぞ.....どうして俺は馬車の中に?」


「ご主人様が全然起きないので、子供達がご主人様を馬車の中まで運んでくれたのです、あと敬語のほうが奴隷らしいからいいのです」


俺はカノンの言葉を聞き、獣人の子供に向き直ると


「ありがとう」


と、とても安心できるような笑みで感謝の気持ちを伝えた。


しばらく馬車の風景を軽く眺めながら移動していると、目の前に洞窟が見えてきた。

すると、おじさんが急に馬車を止める。


「俺が送ってやれるのはここまでだ、ここを抜けると獣人の国があるからな、頑張れよ」


と、だけ言い残し早足に帰っていった、どうやら普通の人間がここにいるのがばれるのはまずいらしい。

だからおじさんは俺たちに迷惑はかけまいと、早く帰ってくれたのだろう。


さて、これからどうするかな?俺とカノンだけなら洞窟を抜けられるだろうけど一応子供達がいるしな。

......仕方ない子供達には、ここで待っててもらって、その間に、俺とカノンで洞窟内の魔物を全滅させていくしかないか。

考えはまとまった、善は急げ、そういうだろう、直ぐにユウキは動き出した。

子供達に、待っているように、と伝え、カノンと一緒に洞窟に入っていった。


カノンには昨日教えた方法で魔物を倒していってもらっていた。

まあ、簡単に言うと、カノンが死なない程度に魔物を倒していく→俺はそれに毒魔法をかけていく、たったこれだけ、しばらく同じことをしていくと、これはもはや戦いではなく作業へと変わっていった。

そんな作業を30分ほど繰り返していた。

すると、魔物はいつの間にか洞窟から跡形もなく消え去っていた。


「倒してくれた魔物から手に入れたスキルや、ステータスをカノンに渡したいんだけど、どうすればいい?」


カノンに聞いてみると、ステータスを開き空を見つめ始めた、説明文をよんでいるのだろう。


「えーと.....手を貸して下さい」


カノンに言われるがままに俺は手を差し出す、するとカノンは、俺の手を両手でしっかりと握る。

すると、俺の手がいきなり淡い光を放ち、その光がカノンの手に移っていった。

淡い光が消えるとカノンは手をゆっくりと離し「ステータスオープン」と言ってステータスを確認し始める。

そして、俺のほうを見ると。


「上手くいきました」


そう言って笑顔を見せた。



俺とカノンは洞窟にいる魔物全てを殺し終えたので、子供達のいる所に戻る事にした。

子供達の所に戻ってみると、皆んなでお喋りをしたり、遊んでいたりしていた。

まるで、朝いっていた奴隷にしてください発言がなかったみたいに。


「皆んな、洞窟の魔物を倒し終えたから、皆んなの故郷に帰ろうか」


俺の言葉を聞いて子供達のテンションがとてつもなく下がる。


「じゃあ行くぞ、はぐれないようにしっかりついて来いよ」


子供達はとぼとぼとした足取りで俺の後ろについて来た、でも、それだけ嫌でも逃げ出さなかったことに俺は少し感服した。


洞窟を進んで行くごとに明らかに子供達の気分やテンションが悪くなっていく。

だが、俺は逆に気分が良かった。


(ようやく孤児院の子達の仇をとってアセロラを殺せる)


そう思うだけで、最高の気分だった。


洞窟を無事抜けると、そこには、力強く根付き、それでいて目を奪われるような神秘的な大樹がそこにはあった、そしてその大樹を中心に栄えた国。

どのようなものも一目見れば考え事も吹き飛んでしまうような.....


(早く!早く!アセロラを殺したい!!....)


だが、どんなに神秘的な光景でも、ユウキの復讐心をたった一時でさえ、けすことはかなわなかった。






1週間程投稿ができなくなりました。

申し訳ありません。

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