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第12話 ダンジョン出現!? Another Side 後編

注文を受けた男は、二番目のエリアにいた。

二番目のエリアも二か月で変化していた。


現在は、多数の棚が整然と並べられていた。

その棚の中には、多くの作物などが無造作に置かれていた。

通常、作物を放置すると、数日あるいは数週間のうちに腐り始めてしまう。

しかし、思い出してほしい。

ここにも、ある属性を付与したことを。


 *   *   *


あの日、朝顔の成長を見て、もう一つのエリアにも期待が持てた。


男は、朝顔の花を二つ切り取った。

その一輪を最初のエリアに、もう一方を二番目のエリアに置いた。


二日後には、最初のエリアに置いた花は、枯れ始めていた。

当然の結果である。

しかし、二番目のエリアに置いたほうは、まだ鮮やかな青い色を維持していた。


時間停止の効果も名前通りのチートのようである。


この結果を見て、一つ疑問が思い浮かんだ。

その疑問を解消するために、男はさらに実験をすることにした。


鍋をDPで購入して、最初のエリアに作った四角い突起物から水を注ぐ。

次に、その鍋を同じ時期に作った四角い箱から出る火にかけ、水をお湯にする。


この使用方法を見れば、男が作ったものが分かるだろう。

最初のエリアに作ったものは、《水道》と《コンロ》である。


お湯を入れた鍋を持って、二番目のエリアに移動する。

すると、どういうことか二番目のエリアに入った瞬間、湯気が消えたのである。


「!!?」


その後、男は最初のエリアと二番目のエリアを行ったり来たりを繰り返した。

男は混乱している、というわけではない。

エリアの違いで、湯気がどうなるかを検証しているのである。


「熱の放射まで止まるのか」


つまり、時間停止を付与したエリアでは温度変化もしない、ということになる。


後に、この性質を利用してゆで卵を作ろうとしたが、失敗したのは懐かしい思い出である。


 *   *   *


あの時の朝顔は、今でも鮮やかな青い色をしている。

男は、現在、このエリアを《保管の間》と呼んでいる。

ちなみに、最初のエリアは《食事の間》と呼んでいる。

以後、各エリアは男の呼び方で記載することにしよう。


閑話休題。

男は、棚に置いてあったサンドイッチを取り出して、《食事の間》に移動した。

サンドイッチは、卵サンド、ポテトサラダサンド、トマトレタスサンドの三種類である。


実は、《保管の間》には既に多くの料理が作り置きされている。

冷めない上に腐らないという性質を利用した運用方法である。


冒険者たちが料理を食べ始めるのを確認し、逃げるように壁の奥にあるキッチンに戻ってきた。


「き、緊張した~」


特に悪いことをしているわけではないが、嫌疑をかけられた状態というのは、緊張してしまうものである。

誰もいない空間に戻ってきたで男は、その緊張から解放されて弛緩状態になった。

そして気付く。


「あっ、飲み物を出していない」


予想以上に緊張していたようだ。


《保管の間》の棚から、お湯と紅茶のティーバッグ(アイテムメニューにあったので購入しておいたもの)を取り出す。

さくっと紅茶を作り、冒険者たちのところへ。


(あれ? もう食べ終わっている!?)


男が予想以上に食べ終わるのが早かった。

そこで誤魔化すように、食後の紅茶として出した。


ティーバッグの紅茶をおいしそうに飲む冒険者たちに、少し申し訳ない気持ちになった。



会計が終わり、冒険者たちがダンジョンから出て行った。

すると、ゲームで戦闘に勝利したときのように、軽快な音楽が流れた。


男が初めて収入を手にした瞬間であった。


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