DAY 68 俺のワガママボディがクラスの三大美少女を溜まり場に引き込んだ日 ──完 ──
「おい美山進太、夏休み中、一枚もエロい写真が送られてこないってのはどういうことだ」
楽しかった夏休みも終わり、高校の二学期が始まった。
あくびをしながら教室に入ると、親友波多野悠一がガターンと立ち上がり、携帯端末片手に俺に迫ってくる。
なんだ……? エロい写真?
「俺とお前は大親友だ。それなのに絶交の期間が短くなるという手段を取らないとか意味が分からんぞ! さぁ今からでもいい、伊江里クロワさんや藤浪桃世さん、西崎華さんのエロい写真を……!」
波多野悠一が朝から大興奮なのだが、ああ、そういえば海に行ったとき写真を送ったが、そこにその女性三人が写ってしまった。
しまったというか、女性三人が自ら画角に入ってきた、が正解なんだが。
それを見た波多野悠一が激怒、夏休み期間は絶交だ! とか言ってきて、ちなみに短くする手段もあって、三人のエロい写真を送れば一枚につき一日短くしてやる……とかだったか。
「誰が送るか……ってかエロい写真なんて撮っていないっての……」
「おーー彼氏ミャーマ発見ー! エロい写真? え、え、どったのミャーマ、私のそういうの撮りたいの? しょーがないなー、ちょっとぐらいならいいよー。じゃあ放課後ねー、あはははは」
「おはようございます。あら、美山君がやっとそういう欲を出してきたのですか? ふふ、いいですよ、やはり彼女になると身体を求められてしまうのですねぇ。では放課後にしましょう。ああ、楽しみです……」
「エロい写真だぁ? てめぇ、そんなことより先に抱きに来い。写真はその後だっつーの。そういうのは順番があんだろ?」
波多野悠一と揉めていたら、その女性三人が教室に入ってきた。
俺を見つけるとすすっと近くに寄ってきて、それぞれ意味不明なことを言って自分の席に座る。
え、何……?
「お、おい美山……! あの写真が俺には決定打だったけど、やっぱお前等付き合ってんんのか? 動画のコメントでもみんな言ってたし……それで、三人の誰と付き合ってんだよ」
動画のコメント……? ああ、波多野も海の動画を見てくれたのか。
「ええと、その……ぜ、全員……」
「は?」
「だから、全員と同時にお付き合いを……」
「てめぇ……! 俺たち三軍の誓いを忘れたのかよ! 俺たちはモテない、でも誇り高く生きよう、見栄を張るためだけに彼女が出来たとかいうしょーもない嘘だけは絶対に言わないってあれほど何度も約束しただろう!」
ぐふぅ、波多野が激怒して俺の胸ぐらを掴んできたのだが、その、三軍の誓いって何……初耳……。
「こらー波多野っちー、私の彼氏ミャーマをいじめるなー! 二人は親友なんでしょー、仲良くしてよー」
なぜか涙を流し始めた波多野の腕を藤浪桃世さんがつかみ、俺を解放してくれた。
「え……あ、ご、ごめんなさい……って俺、藤浪桃世さんに触ってもらえた……! やった、俺この腕一生洗いません!」
桃世のとんでも腕力でつかまれ、波多野が痛そうな顔になったが、掴んできた相手が藤浪桃世さんだと分かるとキョトンとした顔になり、最後大興奮。
「美山、お前マジで藤浪桃世さんと付き合ってんのか? 本当だったらすげぇぞ。今まで数々のイケメンエリートたちがフラれ続けた、あの藤浪桃世さんだぞ。どうやってお前が……」
「うんー! 私ミャーマと付き合ってるー! こないだミャーマに熱く告白されちゃってー、ももよーん様のハートが一発でガツーンと撃ち抜かれちゃったのさー! ……桃世、君を抱きたい……うわっはー、思い出したら興奮してきキターーー!」
波多野がボソボソと聞いてきたところに、藤浪桃世さんが元気爆発で俺に抱きついてくる。
ちょ……! 俺が一言も言ってない告白シーンが回想されてますって!
「……マ、マジ……かよ……美山と藤浪桃世さんが……」
波多野悠一が信じられない、といった感じでよろよろとしゃがみこんでしまう。
クラスメイトたちも騒ぎに気付き、俺たちを見てくる。
やば、早く『そんな告白はしていない』、って訂正しないと、俺がとんでもない変態野郎になってしまう……!
「チッ……おい桃世、大声で嘘を言うな」
絡みついてくる桃世をはがそうとしていたら、金髪ヤンキー女子、伊江里クロワさんが舌打ちをし、かったるそうに近付いてきた。
ああ、さすが俺の幼馴染みの伊江里クロワさん!
藤浪桃世さんが言った、『君を抱きたい……』とかいう嘘の告白を訂正してくれるんですね!
「こいつが言ったのは、『美しい君の裸の写真を撮りたい。いいよね僕の大好きなクロワ……』だ。さっき言ってたろうが。もちろん私はOKだ。なんせ彼女だしな」
伊江里クロワさんが胸を張り、自信ありげに語りだす。
ううう……クロワ、それ全部嘘……桃世よりひどい……
「あらあら、みなさん私抜きで盛り上がってもらっても困るんですよ。美山君が言ったのは『ずっと君が好きでした……もう君から一秒たりとも目を離したくないんだ、僕は君だけを愛している……結婚しよう、華』です。つまり、結婚を前提としたお付き合いをしているのは私なのです、ふふふふふ」
最後、ラスボスみたいなオーラを放ち登場したのは西崎華さん。
魔女みたいな笑顔で、抱き合う男女を一人寸劇で披露し、ニヤァと捕食者のような目で俺を見てくる。
……しまった……西崎華さんって、アニメとか好きでそういうシーンを何度も見ているから、瞬時にそういうウソ台本を頭で作れる人だった……。
一言で言うと、一番やっかい。
「えええええー! 桃世、美山君と付き合っているの?」
「嘘ですよね西崎さん! なんであんな男と……」
「伊江里クロワさんが男と付き合っているだと……! そ、そんな……」
「た、たしかに美山君って急に可愛くなったけど……そっか、彼女が出来たから……って三人同時ー?」
クラスメイトが俺たちのやり取りを聞いて、大騒ぎ。
ああ……こうなるのか……西崎華さんが『公言します』とは言っていたけど、マジでクラスで全員に聞こえるように言うとは思わなかった……。
「美山てめぇ、あんなお美しい藤浪桃世さんだけで飽き足らず、西崎華さんと伊江里クロワさんにも手を出すとかどういうことだ! なんと羨ましい……じゃなくて、俺が言いたいのは、これからも俺はお前の親友だから、ちょいちょいエロい写真送ってくれよな!」
波多野……怒っているのか俺はいつまでもお前の親友ムーブなのか、どっちかにしろ。
もう藤浪桃世さんと伊江里クロワさんと西崎華さんが公言してしまったからどうしようもないけど、俺はもう穏やかな高校生活とは無縁なんだろうな……
いや、問題ないか。
こんな素敵で可愛い女性三人とお付き合い出来ているんだ、何も悪いことなんてない。
藤浪桃世さん、伊江里クロワさん、西崎華さんと過ごす時間は何物にも代えがたい、大切で楽しい時間。
どんなにトラブルが起ころうと、大事な人を守るのがお付き合いをしている俺の役目。
俺にしか出来ない、大事な役目。
俺は言った、『みんなと一緒にいたい、一緒の時間を過ごして、一緒に笑いたい』と。
三人同時にお付き合いするんだ、当然トラブルは起こるだろう。
でも俺に迷いはなかった。
みんなと一緒にいたい。
一緒に過ごして、一緒に笑いたい。
この言葉に嘘は無い。心の底から思ったから、三人にそう言った。
何が起ころうと、俺がみんなを守る。
そう俺は決心したから、みんなに告白をした。
あとは俺がそれを口だけではなく、実行するだけ。
でも時には俺も心折れる瞬間が来るかもしれない、でも伊江里クロワさん、藤浪桃世さん、西崎華さんと一緒なら、それを乗り越えられると思う。
この四人なら、どんなことだって笑って、楽しんで乗り越えて行ける。
そう、四人が一緒じゃなければダメなんだ。
なぜなら俺たちは『天使たちの溜まり場チーム』なのだから──
「あれー、おかしいー! 海ではあんなに獣みたく積極的に身体を求めてきたのに、高校だとミャーマが借りてきた猫みたいに丸くなってるー! もう私の身体に飽きたのー? クロワと華には敵わないけどー、私だってそこそこ胸あるんだよー、もっと触ってきてよー!」
「ふふ、確かに美山君、高校だと大人しいですね。海ではあんなに毎日激しく身体を求めあったというのに……! あれだけ激しくしておいて、急にやめるとか……ああ、分かりました、そういう焦らしテクニックですね。なるほど……欲をいっとき貯め、それをあとで一気に爆発させる……あああああ、いい、それいいです! 早く、早く夜になぁれ!」
「チッ……付き合ってるって公言したんだからよ、もっとグイっとこいよ。海だと普通に私を裸に剥いてきただろうが。お前は高校でもそのぐらいグイグイ来てもいいんだっての。つか我慢出来ねぇ、階段横の空き部屋行こうぜ。私がお前の彼女なんだって身体に刻んで来い」
──俺が心の中で良いようにまとめたのだが、女性陣がそれを無に帰してきた……
まぁ……いつも通りか。
紹介しよう、これが俺の自慢の彼女、『伊江里クロワさん』に『藤浪桃世さん』に『西崎華さん』だ。
この四人と歩む高校生活……動画撮ったりデートしたり……ああ、もう楽しみしかない!
今後も動画の配信は続けるので、もしチャンネル登録をしていなければ登録をお願いしたい。
俺たちのお付き合いがどうなるのか、っていう興味本位でもいいし、三人の水着目的でもいい。
ちなみに予定では来年も西崎華さんの例の保養施設に行くつもりなので、どことは言わないが、ちょっと成長した彼女たちの水着をお届け出来るかもしれないぞ。
それじゃあまた配信動画でお会いしよう──
「ふぅん、君があの『黒幹部』とやらかぁ~。いやぁ今大人気の人たちとコラボ出来て嬉しいよ~。例の天使たち三人に興味があって……は嘘かな。ふふ、私はあの個性的な三人を上手にまとめている君に一番興味があったんだよね~」
「あぁん? なんだてめぇ……私の美山進太に無断で口説きにかかるとか火力高ぇじゃねぇか」
「ちょ、落ち着いてクロワ! 相手はこちらより登録者が多い人気の女性配信者……」
「そんなの関係なーい! 世の中を数字で計ることは出来ないんだって正義のももよーん様が教えてやるー!」
「ふふふふ……そうですね、この世の中って結構お金とコネでなんとでもなるんだって教えて差し上げましょうか……ふふふふふ」
……実はこの後、俺たちが逆立ちしても敵わないチャンネル登録数を誇る人気女性配信者とのコラボ企画が実現したのだが、初手でトラブルが勃発し大変なことに……
続きは『天使たちの溜まり場チャンネル』で──ってこれ、配信出来るのか……な……?
「俺のワガママボディがクラスの三大美少女を溜まり場に引き込んだ件について ~天使たちの溜まり場チャンネル配信開始!~」 ── 完 ──
最後までお読みいただき感謝!
これにて『俺のワガママボディがクラスの三大美少女を溜まり場に引き込んだ件について ~天使たちの溜まり場チャンネル配信開始!~』が 完 となります。
それではまた──
(書籍化された「異世界転生したら愛犬ベスのほうが強かったんだが」なんて
作品も書いていますので、よろしければそちらもチラ見してくれると嬉しいです
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影木とふ




