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俺のワガママボディがクラスの三大美少女を溜まり場に引き込んだ件について ~天使たちの溜まり場チャンネル配信開始!~  作者: 影木とふ「ベスつよ」②巻発売中!
2 天使たちの溜まり場チームの夏休み

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DAY 57 西崎華さんの物語を聞いた日





「何やってんだお前等、仲良すぎだろ。こら、桃世は全力で抱きつくな。美山進太じゃなければ向こうにイってるところだ」


「あらぁ、桃世の全力ハグに耐えられる人間がいるんですねぇ」



「…………ハッ! 俺、生きてる……」


「スタンプ全部押しといたぞミャーマー! ご褒美は私だ! したいこと何でも言えー!」



 藤浪桃世さんの過去話を聞いていたら、なぜか俺の意識が異世界へ飛びかけた。


 すごい勢いで抱きしめられ、いつの間にか藤浪桃世さんの『夏休みスタンプ台帳』が30個、全て押されているが……一体何があった。



「と、とりあえず離れて……」


「おー! いいぞミャーマー! 離れて服を脱がせるのか? いいぞ、どんとこいだー!」


 俺の骨が悲鳴を上げ始めたので藤浪桃世さんに離れるように言うが、服を脱がせる……? 何の話だ……。


「何か桃世が美山進太に発情してるぞ。ウゼェから縛っとくか」


「ふふ、そうですね。あとで美山君を縛る予定のロープでしたが……仕方ないですね、はいグールグル、後片付けは私と美山君でやりますので、クロワは発情桃世を部屋に転がしておいてください」


「あ、おい何をするー! 私は今からミャーマに抱かれ……フゴゴー!」


 よく分からないが、西崎華さんがどこからか取り出したロープで藤浪桃世さんを縛り上げ、伊江里クロワさんが施設の中へと引っ張っていった。




「危なかったですね、美山君。まさか桃世が全力で仕掛けてくるとは思いませんでした。筋力が無かったら……喰われてましたね、ふふ」


 西崎華さんと夜の砂浜に二人きり、花火の後片付けを終わらせようとしたら、ススっと近付き俺の腕に絡みついてきた。


「あ、あの片付け……」


「あら、せっかく二人きりになれたのに無粋ですよ。クロワが苦労するわけです。ところで、さっき、桃世とは何のお話をされていたんです?」


 西崎華さんがじーっと俺を見てくるが、さっき? 


「え、あの、藤浪桃世さんの過去のお話といいますか、陸上を辞めたこととか、でも今はすごく楽しいとか、そういうことを聞いていました」


「あらー、桃世ったら、全部言ったんですね。どうりで美山君に全力で襲いかかったわけです。やりましたね、桃世がその話をした男性は美山君が初めてでしょうね」


 人の過去のお話をどこまで言っていいのか分からず、ちょっとぼかしながら言うと、西崎華さんが驚きの顔になる。


 さすがに知っているのか。


「桃世は美山君のことを完全に信頼している。その美山君に自分のことを全部知って欲しくなった、そして抱きたくなった。……つまり、求愛、ですね。ふふ」


「きゅ、求愛……ですか? その、俺意識飛びかけたんですけど……」


 余計なことを知った俺を消そうとしにきた、の間違いでは。


「桃世ってそっち系すごそうですよねー。体力は無限ですし、動きもすごいだろうし。まぁ美山君なら耐えられそうですけど、ふふ」


 え、その、何の話でしょうか。


「じゃあ桃世ばっかりずるいので、私も美山君に求愛しちゃいましょう。ふふ、それではどこからお話しましょうか……」


 西崎華さんが天使ナースコスプレで小悪魔っぽくっ微笑み、語り始める──




「私が生まれた西崎家は数百年の歴史を持ち、何代も続く料亭でした。時の権力者、政治家、各国の要人の方が多く『料亭西崎』を訪れ、私は子供のころ、何の疑問も持たずに彼等のお子さんたちと遊んでいました。あとになって写真等を見返してみますと、驚くような方々ばかりで、特にとある欧州の国の王族の血筋の男の子が私を気に入って下さり、お手紙やメールを頻繁にするようになりました」


 西崎華さんが夜の砂浜に座り静かに語るが、まぁ料亭って結構な権力者が利用するからなぁ。自然とお知り合いになるんだろう。


「とても優しい男性で、うちに迎え入れたい、高校を卒業したら来てくれないか、とか言われてしまいまして……さすがにやんわりとお断りをしたのですが、そのとき、高校卒業時点でお付き合いをしている男性がいなければ……みたいな言い方をしてしまいまして……そうしましたら、分かった、18歳になったら会いに行く、特定の相手がいないなら付き合おう、と……ふふ、熱意はありがたいのですが、最初から色々持っている方は、正直好みでは無いんです。アニメも知らないそうですし」


 うへー、海外の結構な血筋の方に見染められたんですか、すっご。


 まぁ西崎華さんって、マジの和風美人さんだからなぁ……心奪われた海外の男性の気持ちも分かる。


 アニメ……?


「あら、ちょっと話がずれてしまいましたね。つまり私は早く美山君とお付き合いをしまして、高校卒業までに既成事実を作り幸せになりたい……あら? えーと、ずれてはいませんが、欲の強さが出てしまいました。これは桃世に影響されましたね、ふふ」


 西崎華さんがグイっと俺に近付き、身体を押し当ててくる……こ、これは……伝説の『当ててんのよ』系……!


 藤浪桃世さんの影響……? いや、西崎華さんって、結構欲が強いと思われる行動を普段からしているような。


「は、華は子供のころからアニメが好きだったんだよね。アニメに出てくるようなイケメンって、外国の人のほうが当てはまりそうだけど……」


「そう、アニメは私の心の支え……夢、希望……! ああ、エンヴィー様! 私の全てをあなた様に捧げたいぃぃ……!」


 やっべ、余計なフリをしてしまったようだぞ。


「とまぁ冗談としまして、私、見た目で男性を好きになることはないんです。私がエンヴィー様を愛しているのは、話し方、仕草、そして何より勇猛果敢な精神、でしょうか」


 西崎華さんが興奮状態から、スンっと通常モードに戻る。


 って冗談だったんかい。


「エンヴィー様は元々身分の低い農民のご出身なのですが、周りの偏見や誹謗中傷にめげずに努力を続け、圧倒的な実力を得て国の筆頭騎士になった方なんです」


 へぇ、エンヴィー様って俺もコスプレしたけど、キラキラ系イケメンだから、てっきり良いところのお坊ちゃんなのかと思ってた。


 結構な努力家だったのか。


「血のにじむような努力をして、結果を出す。とても格好いいですよね。……私には……分からない世界ですが……」


 西崎華さんが下を向き、ボソボソと言う。


「私、生まれてこのかた、努力をしたことがありません。どんなことでも、やってみたら出来てしまうんです。勉強も、音楽も、踊りも、書道も、剣道も、全て努力をせずに指導者の方を超えてしまいました。一回見れば、私は出来てしまうんです。逆に、どうしてみんな出来ないんだろう、そんな風に考えたりもする……まぁ嫌な子供でしたね……」


 見ただけで出来てしまう……それ、マジもんの天才じゃないか。


「最初、アニメでエンヴィー様を見た時、なんでこの人はこんなにキツイ目に遭いながらも騎士になろうと頑張るんだろう……出来なければ諦めればいいのに。大きな怪我までして……時間と命の無駄使いじゃないのかなぁ、と」


 なんでも出来てしまう西崎華さんから見たら、最初、エンヴィー様の行動が理解出来なかったのか。


「でも長年の努力の末、彼は試験をトップで通過し騎士になり、誰もが認める実力者として筆頭騎士にまで昇り詰めました。その時の、やり遂げたエンヴィー様の笑顔、私はあの笑顔になぜか心を強くかき乱されました。理解出来ない……でも……あのエンヴィー様の笑顔を見ると、なぜか心が熱くなる……いいな、私もあの笑顔をしてみたい、努力をして結果を出すって、一体どういう気持ちなんだろう、どういう景色が見えているんだろう……」

 

 西崎華さんがクイっと顔を上げ、俺を見てくる。


「私は小中高一貫の女子校、いわゆるお嬢様学校にいました。周りは全員同じような、良いところのお嬢さんばかり。みなさん余裕がありますから、いつもニコニコ……いつしか私には、お人形さんのような同じ顔が並んでいるように見え始めたのです。ここにいてはいけない……この世界は刺激が無い……毎日がただ過ぎていく……ドキドキもワクワクもしない……ああ、エンヴィー様、エンヴィー様に会いたい……!」


 へぇ、西崎華さんって小中高一貫の良いところの学校にいたのか。


「私は無理を言い、進学先を一貫の高校ではなく、一般の高校に変更しました。一貫の学校は少し遠く、そこを親が心配していましたので、家から近ければどうにか言いくるめられるだろうと。親からはかなり色々言われましたが、楓姉さんが味方になってくれ、ここまでずっと言いなりだった華が、ついに個人の想いを言ってきたのだから、それを汲むべきと……あのときの楓姉さんは格好良かったですねぇ、ふふ」


 結構重大な判断だけど、楓さんが味方になってくれたのか。


「ついに私は男女共学の高校へ……胸が高鳴り、興奮が抑えきれませんでしたが、寄って来たのは私の見た目に惹かれた男性ばかり……。彼氏は? 好きなタイプは? ……なんだかテンプレートなセリフを毎日……この似たような見た目の方たちは誰かに作られたお人形さんなんでしょうか。……やはり……私の選択は間違いだったのでしょうか……エンヴィー様はやはり架空の人物……そう思い始めた時、クロワがダイエット計画がどうのと言い出して、あなたを誘ったんです」


 あの、エンヴィー様は確実に架空の人物かと……


「あのクロワが、急に男性を誘って驚きました。でも美山君はいきなり誘われたのに毎日必死に走り、好きなお肉を我慢し、努力をずっと継続されました。その姿を見ているうちに、段々と美山君がエンヴィー様の姿に重なってきたんです。そしてあなたはダイエット計画をやり遂げ、誰もが納得する結果を出し……そして、笑ったのです。とても嬉しそうに、努力の答えを出し、あなたは笑顔になった。ああ、これだ……あの時のエンヴィー様が見た世界はこれなんだ……すごい、努力をして結果を出すのって、こんなにも美しいものなんだ……美山君がキラキラしている、格好いいなぁ……と」


 西崎華さんがぐいっと顔を近付けてくる。


「美山君、あなたは私に理解できなかった景色をいっぱい見せてくれました。あなたが側にいると、今まで感じたことがないぐらい、毎日がドキドキとワクワクに満ちている……。ああ、これこそマリアベルとエンヴィー様の出会い……二人が出会い、世界が急に色付き始め……」


「そこまでだ華。いつまでも帰って来ねぇと思ったら、何をしてんだ」


「あらクロワ……ああ、残念、これから恋人の美山君とキスをしようとしていましたのに」


 西崎華さんがグイグイ顔を近付けてきて驚いていたら、背後から伊江里クロワさんが間に手を入れてきた。


 こ、恋人……?


 あ、もしかしてクロワを煽るためにわざと言ったんですか?


 やめて下さいって、クロワが怒るとマジで怖いんですって……


「てめぇら急に肉食過ぎんだろ」


「ええ? クロワが奥手なだけだと思いますよ? 美山君相手には待つより仕掛けないと、誰かに取られちゃいますよ? 例えば私とか……ふふ、冗談です。はい美山君、スタンプ全部押しますね。特典は私、ふふ、いつでも声をかけてください、待ってますから」


 そう言い、小悪魔っぽく笑った西崎華さんが建物の中に入っていった。



「…………」


 えーと、西崎華さんのこれまでのお話を聞けたのは良かったんだけど、今俺が伊江里クロワさんに激睨みされている現状はどうしてなんだろう……




















 



















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【以下定型文】



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