DAY 30 出店ランキング戦がスタートしたらSNS拡散で大行列だった日
「え、あれ? あの三人の格好、動画で見たことあるー。本物?」
「もしかしてこの後何かやるんじゃない? 見ていこうか」
「幹部は? あのゴミ袋幹部いないの? 私投げ銭したんだよねー」
伊江里クロワさん、藤浪桃世さん、西崎華さんに例の動画の衣装に着替えてもらい、移動開始。
学校内の着替え部屋から外のグラウンドまで移動したのだが、その間にもかなりの人に気にしてもらえたようだ。
やはり女性三人の衣装、天使ナースコスプレは目立つな。
「みんなごめん、まさか移動中に騒ぎになるとは思っていなくて……」
なんとかグラウンドにある店舗に到着。
暖簾で周囲を隠して中は見えないようになっているから、とりあえず安心か。
「まぁ目立つしな、これ。つかこれ、羽とか付いてっから走りにくいんだって」
「ちょうどよい宣伝になったのでは。ではまずお昼にしましょうか」
「おー、弁当配布されてるー! うまーい!」
出店ランキング戦に出る人は、お弁当が貰えるんだよね。飲み物もあるし、食べながらカレーの準備だな。
ご飯は業者さんに発注してお弁当と一緒に届いているし、あとはカレーを作るだけ。
午後一時から開始だけど、まぁ一時間弱あるし、余裕で間に合う。
『出店ランキング戦』
高校のグラウンドに、屋台のように店舗をズラっと並べ、一つ500円で販売する。
何を売るかは自由。
一律に予算は決まっているので、全員が同じ条件。
あとは『1チケット500円』これを持ったお客さんが、どのお店で何を買うかの売り上げ勝負。
「カレー完成! さぁ準備万端だ。みんな、用意はいいかい?」
みんなで協力し、動画と同じカレーを作成完了。
かなりの量を作ったので、在庫切れの心配はなさそう。
「すっごい良い香りー! 幹部ー、私カレー食べたいー!」
「ふふ、動画と同じ物ですし、これを食べてみたいというお客さんは多いのではないでしょうか」
「……なぁ外、すでに列が出来てるぞ」
あとは販売時に容器にカレーを入れるのみ。
さっきお昼にお弁当はいただいたのだが、周囲にスパイスの良い香りが漂い、カレーの香りに刺激されてお腹が空くレベル。
伊江里クロワさんが暖簾をめくり、お店の前を確認してちょっと驚いている。
「え、あ……本当だ……うちのお店の前に結構な大行列が出来てる……」
俺も確認するが、さっき俺たちの格好に反応してくれた女性たちが先頭に並んでくれている。
そしてその後ろには、グラウンドの外まで列が出来ている状態。
な、何があった……
「幹部ー、SNSで『あの天使カレーが高校の学校祭に参戦!?』とかでドンドン拡散されてるー。さっきの、グラウンドを疾走している私たちの写真も上がってるー。すっごー」
藤浪桃世さんが携帯端末で確認しているが、どうやらさっきの移動中の写真がネットに出回ったっぽいぞ。
「……これ、販売前だけど、もう追加でカレー作ったほうがいいな……」
軽く並んでくれている人数を数えてみるが、多分カレーなくなりそう……
「ですね、すっごい並ばれていますし……。二人接客、一人カレーのお手伝い、でいきましょうか」
西崎華さんも並んでいるお客さんの数に少し驚き、接客三人の予定を二人に変更する。
「分かった。四人で上手く回すっきゃねぇな、これ。まさか学校祭がこんなことになるとはな……。私、ちょっと興奮してきたかも」
伊江里クロワさんが、珍しく落ち着かない様子。
「フハハハ! いいだろう、トップバッターはこの2号が行くぞ! 見せてやるよ、世界に天使タイフーン閃光微塵切りをなぁ……! フハハハ!」
藤浪桃世さんが包丁を握り、野菜を分子レベルで刻む気満々。
『これより、グラウンドにて『出店ランキング戦』が始まります。お客さまはチケットを事前購入のうえ、お店にてご利用下さい。それでは……ランキング戦、スタートです』
アナウンスが入り、ついに出店ランキング戦が始まった。
お店の暖簾を開け、営業開始。
「よく来たな戦闘員どもー! 2号の必殺技『恐ろしく速い木っ端微塵剣!』をとくと見ていけー! フハハハハ!」
オープニングセレモニー的に、2号さん、藤浪桃世さんの『残像が見える微塵切り』が炸裂。
「うわぁー! これこれ! 動画で見たやつだー!」
「え、じゃあこの人たち本物? 1号2号3号に、後ろにゴミ袋幹部もいるー! やった、すごいの見れた!」
「そういえば動画の人と全員そっくり……ていうか本人なんだ! え、何これ、動画の学校祭編ってことー?」
「動画で見たカレーが食べられるって、ちょっと感動ー! こういう味なんだー」
藤浪さんの微塵切りを見たお客さんが、携帯端末片手に大興奮。
うーん、この天使コスプレは誰でも出来るだろうけど、そういえば藤浪さんの超技術、残像微塵切りは誰も真似出来ないもんな……。
本人とバレったっぽいけど、まぁ、いいか。
「いらっしゃいませ。カレー2つですね、ありがとうございます」
「……次の動画……? それは少し待て」
その後、接客二人、カレー作り二人でフル回転。
「うわ、マジですごいことなってる……」
「お、波多野、来てくれたのか」
親友、波多野悠一が様子を見に来てくれたようだ。
「つかよ、お前等だったのか、あの動画。そういやあの天使3人、言われりゃ彼女たちそっくりだったもんな。学校中で話題になってるぞ。例のカレー天使が学校祭に来てる、って。ひひ、すっげぇ売り上げ……これは行ったかもな、ランキング戦トップ」
学校中で話題……だと……?
「俺この動画好きでさ、よく見てたんだよ。まさかうちのクラスの三人だったとは……でも今日ついにあのカレーが食えるんだろ、最高だぜ!」
「おお、これか動画で見たやつは。うちの小学校の娘が好きなんですよ。今日はお父さん、自慢できちゃうぞー」
よく見たらうちのクラスの人も並んでいるし……って、サッカー部のイケメン君に教師のみなさんも並んでる……!
一般の人もすごい来てくれているし、うーん、SNSでの拡散って、マジでエッグいんだな……
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影木とふ




