第二十九章~トーナメント決勝/天穿ノ剣戟②~
白みぎゃ子
「私、見習いでも天使なのよ。
簡単に勝てるなんて思わないでね。」
星詠 ユウリ
「お~、怖(笑)
可愛い顔して、天使とか言う割に、シッカリと戦意あるのん、
結構悪くないけど、あんまりビビらせんといてや~。」
そう言いながら星詠は、パパッと両手を特定の動きで動かし、
術式を展開した。
「蠍座の毒戟。
降参言うまでキミは、徐々に毒が体に回るんやで。
さすがの天使様も、毒には勝てへんのとちゃう?」
白みぎゃ子
「クッ、こんなもの解毒魔法で!!」
星詠 ユウリ
「させへんで。蟹座の群襲。」
透明な体で体内に光る小さな星を宿した小さな蟹の大群が、
白みぎゃ子にまとわり付いた。
「クッ、解毒する隙を与えないつもりね!!
こんなもの、弱者霧散!!」
星詠 ユウリ
「まだまだや。次行くで。
やぎ座のひと突き。」
白みぎゃ子の前に突然現れた透明なヤギが、その角を突き刺そうと
首を後ろに物凄いスピードで振りかぶって来た。
白みぎゃ子
「ガード・エンジェル!!」
咄嗟の事に、最低限の防御呪文を打ち出す白みぎゃ子。
しかし、まだ攻撃は止まない。
星詠 ユウリ
「アララ~、そうやってる間にも、結構毒が回ってるんとちゃう?
いて座の毒矢!!」
白みぎゃ子の背後、150m程度の位置に透明なケンタウロスが現れる。
しかし白みぎゃ子は瞬間、気付けない。
黒みぎゃ子が「あっ!」と言った瞬間には、矢が放たれた。
白みぎゃ子がその声に気付き振り向いた瞬間、左胸に矢が刺さった。
「っっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!」
声にならぬ声をあげ、白みぎゃ子はその場に倒れ込んだ。
先ほどのさそりの毒と相まって、血管が段々と青黒くなって行く。
うめき声をあげる事すら許されぬほどの痛み。
何とか立ち上がろうとするが、それよりものたうち回るだけしか出来ない。
黒みぎゃ子
「白!もうダメだ、降参しろ!!って、あ、出来ないのか!!
おい、関西弁の変なヤツ!!白は降参だから、早く解毒しろ!!」
星詠 ユウリ
「え~、でもこの子、自分から降参言うてへんで~?
そんなん、面白くないやん。それとも、キミが何か、
面白い事してくれるん?そやな~、例えば、
たとえ死んででも、二人と連続で戦う、とか(笑)」
「ぐっ・・・!!や、やってやる!!
やってやるから、早く白を解毒しろ!!!!」
星詠 ユウリ
「ふぅん、ほんま?まぁえぇわ、キミらみたいな弱い子達、
こうやって弄ぶくらいしか僕には旨味が無いもんなぁ。」
黒みぎゃ子
「ぐ・・・!!!」
星詠は袖口から薬の小瓶を取り出し、それを白みぎゃ子に飲ませた。
星詠 ユウリ
「最初から、解毒魔法なんて効かへん、特製の毒なんや。
この薬でしか治せへんから、僕の機嫌を損ねへん事が大切なんよ。」
星詠に対して、リーダーの天城が戒める。
「星詠、別に彼らは悪人じゃない。
そこまでやり過ぎる事はないだろ。
お前は確かに強いが、それは正義のために使うんだ。」
星詠 ユウリ
「ハイハイ、っと。まぁ、天城さんが従ってるリーダーも、
別に正義とはちゃうと僕は思うけどなぁ?」
銀髪の女性も天城に加勢し、叱咤する。
夜桜 カオリ
「星詠、いい加減にしろ!!
必要なのは相手を痛めつける事じゃない。
ただ勝つ事だけだろ!!」
星詠 ユウリ
「あ~、皆して怖いなぁ~。
せやけど、夜桜はんもステージに上がったらわかるわ。
この場は、殺し合いをする場や。本気で無いと、
いくら強くても寝首をかかれ兼ねへん、極限の場やで。」
ようやく解毒が効き、しかし自分の足では立てない白みぎゃ子は、
黒みぎゃ子の肩を借りながら、ほとんど引きずられるようにして
チームの元へと戻った。
白みぎゃ子は目に涙を浮かべて言う。
「ごめんね、黒ちゃん・・・私、全然何も出来なかった。
しかもこれで二敗。もう、負けられない。
せめて私が一勝しなきゃだったのに、ごめん・・・
本当に、ごめんなさぁぁぁぁあぃ!!!!!」
号泣してしまった白みぎゃ子に、真顔で黒みぎゃ子が答える。
「大丈夫だよ。何が何でもアタシが絶対に二勝するから!!
それで、最後みぎゃ子にバトンを渡す!!
命に代えても、コレは、絶対!!」
強い決意を固めて、黒みぎゃ子は三回戦の為にステージへと上がった。




