第十一章~いざ、沖縄!~
突如決まった、T探偵事務所メンバーでの沖縄旅行。
しかし、それはみぎゃ子とユキちゃんの二人のタヌキ化を解くためであり、
日帰りの旅行となるのだった。
「ふわぁ~、おはようございます~。」
あくびをしながらユキちゃんが事務所にやって来た。
みぎゃ子はまだ寝袋でモゾモゾしている。
Tさんが言う。
「おい、置いて行くぞ、みぎゃ子。
寝るなら、飛行機の中でも出来るだろ。」
渋々眠い目をこすりながらみぎゃ子が起き出し、昨夜用意したバッグを
重そうに担ぎながら仕方なさそうに歩き出す。
Tさんが言う。
「おい、お前そんな荷物・・・日帰りだぞ?」
「良いの!女の子には色々と用意があるんだから!」
「いや、女の子ってお前・・・」「言うな!」
かくして、3人はフライトして沖縄へと向かった。
「ヤッホー!ハイサイ~!来たね~、沖縄!!」
飛行機の中でぐっすりと眠ったみぎゃ子はハイテンションだった。
ユキちゃんも少し仮眠を取ったようだった。
Tさんはレンタカーを借り、目的のビーチへと向かう。
「あまり知られてはいない海岸なんだがな、強い霊力では無い、
しかし人の力では解けない中途半端な呪いを解く、
そんなビーチが実はあるんだよ。」
目的地に到着すると、人はおらず、海の家等も無かった。
みぎゃ子が言う。
「へぇ~、別にここ、普通に海水浴出来そうだけど、
何で人がいないんだろうね?」
Tさんが答える。
「まぁ、必要とする人間しか来ないよう、神様があえて、
必要ない人間は近寄らないよう、結界でも張ってるんじゃないか。」
みぎゃ子が答える。
「ふ~ん。まぁ、何はともあれ・・・」
三人が一斉に、抑えていたテンションを解放する。
「「「来たぞー、沖縄ーーーー!!!!!!」」」
みぎゃ子とユキちゃんは下に着て来た水着姿になり、
Tさんは近くのコンビニで買ったノンアルコールビールを飲む。
みぎゃ子とユキちゃんが浮き輪やビーチボールで楽しく遊ぶうちに、
自然とタヌキ尻尾やタヌキ毛が消えて行く。
「わ、本当に消えた。不思議だ~。」
「コレでやっと、学校に通えます!」
やがてハシャギ過ぎた二人は疲れて、帰りの社内ではぐっすり。
運転しながらTさんは思う。
(ずっとこうやって、平和に過ぎれば良いんだがな。
どうにも胸騒ぎがする。これから、大きな変革が、
否応なくオレ達の運命を弄ぶような、大きな事が起きる。
そんな予感がする。杞憂なら良いんだけどな。)
そしてTさんはレンタカーを返却し二人を起こし、帰路に着く。
ユキちゃんが言う。
「あの、お二人といると、本当に楽しくて。
私、ここに就職しても良いかもって思ってます。
もしお邪魔で無ければ、私も色んな場所に付いて行って、
お二人をお支え出来たらなって思ってます。
今日は旅費まで出して頂き、ありがとうございました!
また明日、学校帰りに寄らせて頂きますね!」
平和な日々はこうして、大過も無くのんびりと過ぎて行くのだった。
しかしTさんは帰りの飛行機の窓から見ていた。
遠くに黒い雲が重なり、それが稲光を伴い、空が一瞬真っ黒になった。
気のせいかとも思ったのだが、その一瞬飛行機が揺れた。
何のアナウンスも無かったが、本当に一瞬、世界が変わった気がした。
そしてそれはやがて、本当の世界の変化へと現実を伴うのだった。




