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第九章~ユキちゃんとの出会い~

その日、T霊界探偵事務所に一人の女子高生が入って来た。




「あのぅ・・・」




椅子にふんぞり返り、ファッション誌を眺めていたみぎゃ子が対応する。




「ハイハーイ、どうされましたかぁ~?」




「ココって、霊関係の相談を受け付けてるんですよね?


 実は相談したい事がありまして。」




少女は少し沈んだ顔で切り出した。


みぎゃ子は椅子に案内し、じっくりと話を聞いた。




「私、死にかけの動物とかに触れるとその子が息を吹き返したり、


 元気が無かった子に触れると元気になったりして、


 喜んでくれる人もたくさんいるんですが、それを見て気持ち悪いと


 イジめて来る人もいたりして・・。コレって一体、何なんでしょうか。」




奥にいたTさんがピクリと眉を動かして、こちらへ来る。




「お嬢ちゃん、そいつはもしかしたら・・治癒の力かも知れねぇなぁ。」




「治癒の力、ですか・・。そうかもとは薄々感じていました。」




「あぁ、お嬢ちゃんの中を巡っている力の質が、再生や回復のためのもので


 触れたものに活力を与えたり、甦らせたりする、誰にでもは無い、


 とても貴重なものだ。だが、その力を使う代償として、


 大きなハンディもある。お嬢ちゃん、疲れ易かったり、寝過ぎたり、


 怒るべき時に怒れなかったりしないか?」




「あぁソレ、物凄く心当たりがあります・・・。


 私、そんな自分が嫌で、ここで相談して何とか出来ないかなって。」




「なるほどな・・・。


 じゃあ、ハッキリと言うぜ。」




みぎゃ子も一緒に、ゴクリと唾を飲み込んだ。


Tさんが改まった感じで呼吸を溜めて勿体ぶるから、緊張が走る。




・・・・。




「ウチで助手をやってくれねぇか?」




ユキちゃんが驚きの表情をする。




「え、助手、ですか?」




Tさんが答える。




「あぁ、もちろん無給でとは言わねぇ。


 アルバイト感覚で時給を出そう。


 オレ達が疲れて帰って来た時や安全な依頼の時、


 オレ達の霊力を回復するヒーラーが必要だと思っていたんだ。」




「私が、役に立てると言う事ですか?」




みぎゃ子が答える。




「もちろんだよ!今のTさんの言葉を聞いてアタシもわかったよ。


 ユキちゃんの力は今の私達に本当に必要なものなんだ。


 キミがいてくれたら、アタシ達はもっと現代の霊的なトラブルを


 たくさん解決する事が出来る。


 そうしたら、イジめとかそういった低質な波動が減るから、結果的に


 ユキちゃん自身も生き易くなる世の中になると思うよ☆」




ユキちゃんが答える。




「ちょうど、アルバイト先も探していましたし、私の力が必要とされるなら


 私、ここで頑張りたいと思います!」




「よし、そうと決まれば明日からでも来てくれるかな?


 もちろん危ない事はさせないし、ユキちゃんの力のコントロールも


 教えて行きたいからな。」




「ハイ、よろしくお願いします!」




こうしてT探偵事務所に可愛らしい女の子が入所する事となった。


三人になり賑やかになった探偵事務所だったが、一方で世界には不穏な


より高い霊力の怪異による事件が増え始めるのだった。

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