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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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ご迷惑なメッセージ

 日がなぼんやり過ごす日々。こんなメールが届いた。


体調のことを聞きました。心から心配してます…。

ゆっくり休んで、元気になったらまた会いませんか?

都合の良い日を教えていただけると嬉しいです♪


 温かいメールだ。心のこもった文面だ。だがただひとつ、喜べない理由がある。


 迷惑メールだ、コレ。


 だが、ゴミ箱にポイする前に面倒くさいやつに見つかった。

 武士である。私の後ろからパソコンを覗き込んでいた。


「おおっ」


 おおっじゃあるか。


「おなごか」


 知らんよ。つーか迷惑メールだし。


「おなごからの連絡を迷惑と切って捨てるとは。いつのまにそこまで捻くれてしもうたのだ」


 最初からある程度捻くれてはいたみたいな言い方やめろ。だからおなごじゃないって。迷惑メール……えーと、詐欺業者がかわいい女の子や有名人を騙って、仲良くなってお金をせびるためのメールのこと。


「虚しい」


 ああ、虚しいな……。


「否。人恋しさゆえ、おなごを騙る男だとわかりながらも言葉を交わそうとした大家殿の心が」


 ないわ、そんな心。なんならお前が話しかけなけりゃとっくにメール削除してたんだよ。


「それにしても巧妙な文面よの。某であればうっかり騙されてしまいそうだ」


 確かにな。気を抜いてたら「どなたですか」って返信しそうになる。


「しかし、大家殿はそうしなかった。よく見抜けたな」


 え? まあ、そういうこと言いそうな知り合いもいないし……。


「え?」


 え?


「……問題ない。某がおるぞ」


 慰めいらねぇんだわ。

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