おまけ外伝 その後のソフィア
カールレン皇宮の奥深く・・・世間的に大深度ラビリンスと呼ばれる地域があった。
そう、そこはご存知! 人を迷わす迷路地帯。
しかも・・・時空までゆがみ・・・広さも方向もゲシュタルト崩壊してしまっている!
東に向かっているはずなのに西へと向かう。
階段を登っているはずなのに下の階へ・・・
おまけにワープ、ついでに落とし穴、そんなもんで・・・動く歩道!
まさに・・・不可思議ワンダーランド!
そんなトンデモ地域に・・・薄桜色をした髪の少女がうずくまっていた。
かなり疲れた様子だ。
・・・このラビリンス内のあちらこちらを彷徨い続けていたのかもしれない。
彼女は・・・聖女候補のソフィア。
ラビリンスの地下20階の説教部屋で過酷な訓練を受けていたはずなのだが・・
・・・なんと、その説教部屋から脱走し・・・ここまで逃げ込んできたのである。
さすが・・・聖女候補というべきか!
あのペンギン! ペンターノ審問官の隙をつき、抜け出すことに成功したのだ。
だが、試練はまだ続く!
説教部屋から脱出したとはいえ・・・まだここはラビリンス!
地上に戻れていないのだ。
しかも ラビリンスの安全機能である時空転移を このソフィアには適用されていない。
ラビリンスの謎機能により ソフィアは特定㊙人物と認定され 地上に戻れなくされていたのであった。
ちなみに ソフィアを㊙人物に特定させたのは・・・おそらく学園の講師であり聖女でもあるエリスリーナの仕業であろう!
とにかく、ソフィアは地上に戻れない! 帰れない。6時間を待っても転移されない。
そして・・水も食料もなくフラフラと彷徨いつづけ ついに歩けなくなり 床に座り込んでしまう。
ソフィアは聖女ではあるが・・・魔法を自由に使いこなせるわけではなかった。
せめて水系魔法さえ使えれば 渇きぐらいは何とか出来ただろうがそれも無理である。
聖女特有の神力・・・癒しの力も空腹や渇きには対処できない。
目がかすむ・・・力が出ない・・・もう・・・うごけない。
このままでは、いずれ・・・白骨死体に!?・・・または化石になるのか!?
そんな危機迫るソフィアを遠くから眺める人物がいた。
神官服姿のとある少女。
御存知! ルーラー教の偽神官・・・もとい! 巫女姿のアリス・・・ついでに第4王女
そして いつものあれな発言をする!
「えっと・・・あなたを太陽神ルーラーの導きによって・・地上に戻すことが出来ます。料金は・・たったの金貨1枚!!」
瀕死の少女相手でさえ もちろんのこと! 欲の皮が突っ張りまくるアリスであるのだが・・・ソフィアからの返事がない。
そう! 返事する体力すらなかったのだ。
それでも ソフィアは何とか目線をあげ・・・無言で助けを求めようとする。
そんな仕草に気づいたのか、アリスはわずかに目線を下げ・・・顔を見合わせた。
「うっ・・・おまえは!!」
アリスは思い出した!
カールレン学園で・・・子泣き爺のように泣きすがり足に絡みついたあの聖女候補の・・・ソフィア!?
なぜここに!? どうして!? 学園で学生をしてるのじゃなかったのか!?
も・・・もしかして 私を待ち伏せして・・仕返し・・報復・・するつもりなの!?
俗にいう・・・お礼参り!
ごくり! 喉をならすと同時に・・足に異変を感じた。なにかに掴まれている!?
まさか!?
下をうつ向くと・・・アリスの両足はラグビーのようにタックルされ ソフィアに組みつかれていた。
しかも 息も絶え絶え・・・目や鼻から色々なものを垂らしながら・・・何かを訴えかけてきている。
それはまるで・・・妖怪!子泣き爺。
またまた・・・この少女は子泣き爺となってアリスに迫る!
だが・・・今回の迫り方は、前日のとは違う!
まさに鬼気迫る様相! まるで地獄の亡者! 血走る目はまるで・・・ゾンビ!
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」
アリスの悲鳴がこだまする。
怖い! 怖すぎる! まさに恐怖の仕返し。
なんとか逃げようとするアリスだが、ソフィアによって両足をガッチシと掴まれている。
動けない!
でも、なんとか動こうとすると・・・ついに体勢が崩れ・・・ずっこけるアリス。
しかも床に顔を打ち付けた! 痛い!
・・・それでも ソフィアの両手は アリスの足を掴んでいる。・・・狂気じみた目をしながら・・・
怖い! 怖すぎ! まさにリアルゾンビ! リアル亡者!
アリスは・・・床を這いつくばりながら なんとかして この ゾンビから逃げようとする。
だが・・・ソフィアは手を離さない、アリスの両足を抱え込み・・・そのまま引きづられて行く・・
ズルズルズル~
ソフィアは必死だ!
たとえ体力の限界を越えようとも・・・手を離してはならない。
ここで・・・手を離すと・・・間違いなく餓死! 間違いなく死ぬのだ!!
その恐怖ゆえにソフィアは修羅となってアリスをつかむ・・・・
「ぎゃぁ~ やめて~! お願いだからやめて~
いやいや! あっあああ こ・こなきじじぃ・・がやってくる うがぁぁ くるな~」
床をはいずる音、アリスの悲鳴・叫び、その他いろいろが・・・その後、一時間にわたり鳴り響いたという。
そして、やっとアリスは思い出した。
この子泣き爺もどきの聖女候補を さっさと時空転移させてしまえばいいのだと・・
あまりの恐怖、子泣き爺聖女の血走るオーラに押され 完全に気が動転してしまっていたのだ。
さすが・・・聖女候補というべきか・・・聖女の気迫は底知れない!!
「どっかにいってしまえ~ 子泣き爺!!」
叫びを放ち・・・恐怖の汗をたらしながらアリスは魔法を発動したのであった。
そして・・・陽炎のように消えていく・・・子泣き爺聖女ソフィア!
きっと・・・これで無事に成仏してくれるはず!
「ぜいぜいぜい~」
アリスは体を震わせながら祈るのであった。
◇◆*◇◆◇◆◇◆◇*◆◇
アリスの時空転移によって ソフィアは迷いの森に転移させられるはずだったのだが・・・・実は失敗した。
このラビリンスの謎機能により・・・ソフィアは特定㊙人物と認定されていたのだ。
ソフィアは・・・地上にもどることは出来ない。
アリスが発動した時空転移魔法を・・・なんと無効化したうえに弾き飛ばし・・別の場所、そう! あの場所に転移されてしまったのであった。
ラビリンス地下20階の説教部屋へと・・・
もちろん、そこには笑顔のペンギン・・・ペンターノ審問官がムチをフリフリして・・・ソフィアの帰りを大歓迎していたのである。
『 ソフィア君、君の帰りをまっていたのです さぁ! 始めよう! 聖女修行の続きを・・・』
「うぎゃぁぁぁぁ ゆるして~」
ソフィアの悲鳴が豪快に鳴り響く・・・・そして・・・再び説教部屋での地獄の日々・・・
聖女への試練はまだまだつづく・・・
ちなみに・・・その後 再び、ソフィアはこの説教部屋を脱走した。
脱走する能力は・・・さすが聖女! 聖女能力の底力である。
だが・・・やっぱし、渇きと飢えでフラフラとなってラビリンスを彷徨し・・・
・・・・お約束どうりのようにアリスと遭遇! もちろん・・・ラグビーのように抱きつく♡
そして・・・アリスの悲鳴とともに時空転移され、再び、地下20階の説教部屋へともどされるのであったw




