最終話 時代遅れと言われた魔法で、私は世界を駆け抜けていく
あれから数カ月
スキエンティア王国とは停戦協定を結び、戦争も終結。
戦争で亡くなってしまった人々の追悼式も終わった。
そして、この戦争の中で唯一の行方不明者、アヴェーレの捜索はまだ行われていた。
証言により、あの時の伝説を再来させ、国を救ってくれたのはアヴェーレと分かり、国中大騒ぎとなっていた。
もちろん先生も、クラスメイトも。
「一体どこにいるんだい?アヴェーレ。もう一度、たった一度だけでいいから、お前に会って、謝りたいよ」
私はまだ、完全には立ち直れていなかった。
まだ、後悔している。
あの時、きちんと話しておけば。あの時諦めることなくアヴェーレの名を呼び続けていれば。
まったく後悔の念が絶えない。
そんな後悔ばかりしていた夜、ネウルスが言ってくれた
「あの子なら、きっとどこかで元気にしている」
「きっと、そうだよね」
「あの子がいなくなったのは自分の身の危険を感じたからでしょう。国に捕まって、力を利用されるのは目に見えて分かってる。だから消えたんじゃないかな」
そして、きれいな月を眺めてアウラは言った
「きっと、時代遅れと言われた魔法で、どこか世界を駆け抜けているよ。気持ちよさそうにね」
「在処は違えど、見ている月は同じだよ。姉さん」
「え?」
今、アヴェーレがいたよな…
振り向くが、誰もいなかった。
ただ、風がその場を埋めるように、吹き抜けているだけだった。
~完~
「時代遅れの魔法で世界を駆け抜ける」
これで最終話となりました。
最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。
これからも、いろいろな異世界小説を書いていきますので、若輩者の私を、そうかよろしくもお願いします。




