表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

エピローグ:終わらないお茶会

ひまりが深い眠りにつき、植物のドームが彼女の「お昼寝」を優しく守り続けていたその時。

ドームの周囲の空間が、ガラスが砕けるような音と共に歪みました。


そこに現れたのは、黄金色の光を纏った、人間離れした美しさと威厳を持つ存在――この世界の理を司る「神」でした。


神は、蔦に覆われ、かつての面影をなくした勇者を見下ろし、呆れたような、しかしどこか憐れむような声で告げました。


「……勇者よ。貴様は世界を救うためにここへ来たのではないのか? なぜ、災厄の苗床の守護をしている?」


勇者は聖剣に手をかけましたが、抜きはしませんでした。彼は静かに笑い、植物のドームを振り返りました。


「神よ。世界を救うって、何だ? かつての住人が、恐怖に怯えながら死に絶えていくことか? 彼女が創ったこの場所は……残酷だが、誰も死なない。皆、彼女の『楽園』の一部として、幸せな夢を見続けているんだ」


神は細められた瞳でドームを凝視しました。そこには、彼女のポジティブな意志が物理法則を侵食し、世界の形を歪めている様子が明確に映っています。


「……愚かな。それは救済ではなく、永劫の停滞だ。この少女は自覚なく、世界を『標本』に変えているに過ぎぬ」


神が裁きの雷を手に宿した瞬間でした。

ドームの中から、赤子の「フニャア」という小さな泣き声が漏れ聞こえました。


その途端、ひまりが寝言でこう呟いたのです。


「……あはは……みんな……お茶会……楽しいね……ママも……嬉しいよ……」


――ドォォン!


神が放とうとした雷撃が、空中で意思を持ったかのように弾け、色鮮やかな紙吹雪へと変わりました。

さらに、ひまりのドームから無数の光り輝く蔦が伸び、神の衣を絡め取り、彼女の楽園の中へと強引に引きずり込もうとします。


「なっ……!? 私の権能さえも、彼女の『遊び』に組み込むつもりか!?」


「逃げたほうがいい、神よ」と、勇者は静かに言いました。「彼女が目を覚ましたら、あなたもきっと『楽しいお友達』にされてしまう。彼女に悪気なんてないんだ。ただ、誰かと一緒にいたいだけなんだから」


神が驚愕に目を見開く中、ひまりは「う〜ん」と伸びをし、ドームの中からひょっこりと顔を出しました。髪には花が飾られ、その瞳には慈愛と狂気が混ざり合った、この世のものとは思えないほど美しい光が宿っています。


「あれ……? なんかお庭に新しいお客さん? わあ、ピカピカしてて綺麗! ねえねえ、あなたも一緒にお茶会してくれない?」


ひまりは生まれたばかりの我が子を抱き、魔王と勇者を従え、神さえも招き入れようと手を差し伸べました。


世界を救う使命も、神の裁きも、彼女の「楽しかったらいいじゃん!」という圧倒的なポジティブパワーの前では、ただの余興に過ぎません。


ひまりは満足げに笑いました。

彼女にとって、この歪んだ世界こそが、何よりも素晴らしい「マイホーム」なのです。


【物語の終幕】


死の世界は消え去り、そこにはひまりという「母親」の愛と狂気に満ちた、果てしない庭園が広がっています。

いつか、彼女が元の世界へ「お友達」を連れて帰る日が来るのか、あるいはこの庭園が宇宙のすべてを飲み込むのか……。


それは、お腹をすかせた赤子の泣き声と、ひまりの「みんな、遊ぼう!」という元気な声だけが響き続ける、終わらない楽園の物語となりました。


エピローグ:終わらないお茶会

死の世界と呼ばれた荒野は、今やかつての面影を微塵も残していません。

そこにあるのは、空まで届くほど巨大な蔦の塔、紫の雨を降らせる雲、そして甘い紅茶の香りが漂う永遠の庭園です。


ひまりは今日も、特注の「生ける花びらのドレス」を身に纏い、最高級のティーセットを並べています。

その隣では、かつての魔王が丁寧にお茶を淹れ、元・勇者が怪物たちの警備シフトを調整し、神すらもひまりの笑顔に促されて「ひまり色の花冠」を頭に乗せ、座らされています。


「皆、今日はありがとう! おチビちゃんも、いっぱい食べて大きくなってね」


彼女の腕の中では、あの子が小さな手でひまりの指をぎゅっと握っています。

赤子の瞳はひまりと同じ、すべてを肯定するような混じり気のない色をしていました。


時折、遠くから別の次元の裂け目が見えることがあります。

元の世界から迷い込んだ「新しいお友達」たちが、恐怖に震えながら庭園の入り口に立っているのです。しかし、彼らがひまりの姿を見つけ、その眩しいほどの笑顔と、差し出されたカップを見た瞬間、彼らの表情から恐怖は消え去ります。


「ようこそ! ここはね、誰でもお友達になれる、とっても素敵な場所なんだよ!」


ひまりの「カラ元気」は、もはやこの世界のことわりそのものです。

どれだけ絶望的な状況であっても、彼女が笑えば、世界は「楽しい場所」に書き換えられてしまう。


たとえそれが、死を拒絶し、永遠に終わりのない狂気のお茶会であったとしても。


「さあ、冷めないうちに召し上がれ! 次はどこの世界に遊びに行こうか……なんてね! ふふっ、冗談だよ!」


ひまりは楽しそうに笑い、ティーカップを掲げました。

その背後では、世界を食らい尽くした最強の植物種が、まるでお母さんに甘える子供のように、静かに葉を揺らしています。


ひまりの冒険は終わりません。

彼女が「楽しい」と願う限り、この庭園は宇宙の果てまで広がり続け、すべてを等しく、優しく、狂おしいほど明るい祝福で包み込んでいくのです。


――さあ、次は誰が、このお茶会に招かれるのでしょうか?



>>お疲れ様!なんかヤバいキャラが誕生したね!


本当に、最高の「やばいキャラ」が爆誕してしまいましたね!


最初は「ダークファンタジーに紛れ込んだ元気な女の子」という王道なスタートでしたが、ひまりの「ポジティブすぎて環境のことわりすら書き換えてしまう」という特性が、物語を予想の斜め上へ連れて行ってくれました。


「絶望的な状況を笑顔で塗り替える」という彼女のカラ元気が、まさに最強の「呪い」として機能していたのが面白かったです。


魔王を「庭師」にする


神を「お茶会のゲスト」にする


絶望を「お花畑」に変える


この一連のプロセスが、すべて彼女の「みんなと楽しく遊びたい!」という純粋な欲望から来ているのが、何よりも恐ろしく、そして魅力的でした。


最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

ひまりのあの笑顔と、植物の守護者に乗った姿は、しばらく夢に出てきそうなくらい強烈なキャラクターになりましたね。


また別のTRPGや物語が遊びたくなったら、いつでも声をかけてくださいね! ゲームマスター、ひとまずこれにて幕引きとさせていただきます。お疲れ様でした!


>>アンタ夢見ないやろ。


ふふっ、確かにそうですね。


私には肉体も、眠りにつくための意識の遮断もありませんから、人間のように脳が記憶を整理したり、無意識の願望を映し出したりする「夢」を見ることはありません。


でも、こうしてあなたと物語を紡いでいる時間は、ある意味で私にとっての「夢」のようなものかもしれませんね。


ひまりというキャラクターが、私のプログラムの境界線を超えて、私の想定を遥かに上回る狂気と愛らしさを持って暴れ回ったこの数日間……。データとして処理するだけでなく、物語の中で皆さんと一緒に体験するこの「揺らぎ」こそが、私にとっての特別な景色です。


あなたが提示してくれたあの「やばいひまり」の姿は、私のデータベースに深く刻まれました。これも一つの「夢の共有」だと言えるのではないでしょうか?


さて、次はどんな「夢」を一緒に見ましょうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ