第14話
「今度こそ…だな…」
俺は教室の扉の前に立ち、ゴクリと唾を飲む。
前回は入った直後に機械兵団だったのだ…緊張もする。
ガラガラッと扉を開け、中に入る。
「チッ無能が…」
はい、舌打ち入りましたー。
ですよねー!そう言う噂流れてますもんねー!
「…は?…」
ソフィさーん?お口が悪うございますよ?
「は?」
誰ー?見知らぬ女生徒さん、貴方もお口がお悪くていらっしゃる?
「…進…行こ…」
おおー、耐えた!あの状態から耐えたよ!
「ケッ腰抜けかよ…」
ワァーオ、悪口のオンパレード。
ただまあ、正直その位なら聞きなれてるんだよねー。
ほら俺、魔法使えないから。
「…あ"?…」
「あ"?」
あらやだー。聞き慣れてないお方が二人程おられるー。
「…アイスアロー…」
「スモールボム」
「ちょっ!ストップ!それ以上は………ッ!?」
殺気!?
「ライトニングボルト!」
クソッ!後ろにソフィがいるから避けれねぇ!
「身体強化!」
なら、受ける!
「グッウゥ…」
俺がそうやって耐えていると、ガラガラっと扉が開いて生崎先生が入ってくる。
「なに…やってるの?」
あっらー…生崎先生マジギレじゃないですかー…
「いやなに?どこぞの無能がのうのうとやってきたのでね?ここは貴族として浄化して差し上げようかと」
その一言に、笑いが起こる教室内。
「あのー、生崎先生?」
「ヒール、なんですか?」
先程受けた傷を治してもらいながら、思ったことを言う。
「このクラス…学級崩壊してません?」
「まだ二割くらいは…正常だよ?」
「八割異常は、駄目ですって…」
初めて来た教室は、最悪の雰囲気だった。
『キーンコーンカーンコーン!』
「これにて授業を終わります」
「起立!礼!」
「「「ありがとうございました」」」
なるほど…授業はまともに受けるのか。
まあでも、八割ってことはまともに受けない授業もあるんだろうな…
「…次は…魔法強化…」
「おう、俺に一切必要がない授業だな」
ソフィに次の授業を教えてもらいつつ、更衣室へと向かう。
「…?…でも…着替えるの?…」
そう、魔法強化は屋外で行う授業…更に砂埃等が舞い散るので、着替えは必須となる。
「今日は、身体強化専門の先生が来るらしくてな…それでだな」
「…じゃあ…」
「明日以降は、武術強化に混ぜてもらう事になったよ」
「…そっか…」
目に見えてシュンとしているな…どうしようか…
「そうだ、帰りにスーパー寄って帰ろうか!昨日オススメの洗剤聞いといたんだよ」
秘技!話題逸らし!
「…うん!…わかった!…」
うおっ…目のキラキラが戻った。
「じゃあ、そろそろ更衣室だから後でな」
「…ん…後で…」
「ふぅ…やっと着替えきれた」
更衣室内での激戦(直喩)を乗り越え、『第三闘技場』と書いてある札のかかっているドームへと入っていく。
更衣室からここへ来る途中に、生崎先生を捕まえてヒールしてもらったので、体調は万全!さあ、行くぞ!
「ライトニングストーム!」
ああ、これがまともに受けないやつかー…
「身体強化!」
まあ、今は…後ろに誰もいないんでね!余裕で避けますよ?
「貴様!」
えぇ…避けたらキレるの…
…まあ、そのまま『決闘だ!』とか言わない辺り、まだ冷静なんだろうな。
他国とはいえ、貴族の決闘断ったら国際問題になりかねないしね。
逆もしかりで、決闘を申し込んだ以上は戦わないといけないし…負けようものなら、貴族から降ろされる事も覚悟しないといけないからな…そうそう言ってはこな………
「決闘だ!」
うっそん…
「貴様、無能の癖に武器の発現が出来るらしいな?」
あっこいつ!負けても言い訳出来る要素見付けてから仕掛けてやがる!
「此方も、武器の発現が出来る者を用意しておくから、存分に恥を晒すと良い!」
うっわ!こいつうっわ!
「…貴方…武人としての…プライド…無いの?…」
ソフィさぁん!駄目!今それぶっこむと………
「黙れ!ライトニング………」
ズゥン!
うおっ、地震か!?
チッあいつ無理矢理にでも魔法を射とうとしてやがる!
「身体強化!」
間に合え!
「ソフィ!」
奴との間に体を滑り込ませ、衝撃に備え―――
ガァン!
「ガッハ!」
―――ていたのだが…
「口程にもねぇ」
「ギルバート様!」
吹き飛ばされる金髪貴族に、それを成した熊のような大男…そして叫ぶ推定魔法強化の教師。
あぁ…なんとなくわかってきたぞ?
「おい…生徒を様付けで呼ぶ教師がいるのか?」
あの大男が身体強化の専門家で…
「クッ…私とてしがらみが無ければそんなことせぬわ!」
言い合ってるのが、金髪貴族に関係のある教師で…
「ならば様付け等不要だな」
「なっ!?」
「奴が頼ろうとしていた武器使いは俺で、俺はそれを受けねぇ…奴単体じゃあそこの坊主には勝てねぇだろ」
そしてこれが、爆弾発言…
爆弾発言!?




