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第9話

 ピピピピピピ!


「んぁ?…朝か…」


 なんとか掃除を終えた一室で目覚めた俺は、服を着替えていく。


 ベッド単体がポツリと置いてあるその部屋は、他の家具など一切無く、とてもスッキリとしている。


「荷ほどきどころか、段ボールを運ぶのも間に合わなかったか…」


 なんとか必要最低限の物は出し切れたが、それだけである。


「今日からもしばらく寮優先だなぁ…」


 洗面所で顔を洗ったら、台所でモヤシを炒め始める。


「…進…おはよー…」


 寝起きでポワポワ状態のソフィを椅子に座らせながら、モヤシ炒めを並べていく。


「…流石に…飽きてきた…」


「だよなぁ…」


 調味料が醤油しかないからなぁ…


「…それも…今日まで…」


「終わったら合流しような」


「…うん!…掃除道具とか買いに行く!…」


 そうして、時は進んでいく。



「鍵持ってるか?」


「…ちゃんと…持ってる…」


 戸締まりを確認して、歩き始める。


「さあ、学園の始まりだな!」


「…片道30分…かかるけど…」


「そう思ってないと暗くなっちゃうだろ?」


「…確かに…初日くらいは…明るく行きたい…」


「じゃあ…しりとりするか…」


「…今日は…私から…」


「よーし、なんだ?」


 そうして、新たな日常が始まっていく。



「…いっしょ…だね?…」


「そう…だな…」


 目の前のクラス表に書かれている名前はどちらも1組。


「点数でクラス分けするんじゃなかったのか?」


「…テロリスト…倒して…点数…上がった?…」


「いや、でも…あの後学園長が高笑いしながら変わらないって…」



 校内マップを頼りにたどり着いた教室の場所は…闘技場?


「…ここ…私たちが…テストした場所…」


「そうだよな…取り敢えずはいるか」


「…ん…」


 そうして闘技場内に入ると、30人ほどの制服を着た集団が各々自由に行動していた。


「…あってるみたいだね…」


「そうだな」


 そう言いながら闘技場内へと足を踏み入れた瞬間…


 バタン!ガチャッ!


「「…えっ?」」


 なにが…起きて………ッ!?


 とにかく現状を把握しようと辺りを見渡していた時…奴等は現れた。


「…機械…兵団…」


 とある小国が、他国との人口という名の圧倒的な兵力差を覆すために開発した兵器。


 その特徴は、圧倒的な連携力。


 この兵器のお陰で、対小国であっても戦争が起きないと言われるまでの物が…一体なぜ?


「…なにか…おかしい…」


 機械兵団を見つけ、なにかホッとしたような雰囲気が流れる中…奴等は動き出した。


「きゃっキャァァァァァ!」


 近い奴からということだろうか…機械兵団に一番近い女生徒が、襲われた。


「ッ!ソフィ!」


「…わかってる!…」


「身体強化ッ!」


 後先の事なんて今はいらない。


 今はただ………


「…アイス…スピア!」


「ウッラァ!」


 女生徒を助ける!


 その一心で放たれた跳び蹴りはしかし、容易に回避される。


「くっ…武装展開!」


 素手ではどうにもならないと判断して、武器を発現する。


 そうして現れた一振の剣を持ち、機械兵団へと相対する。


「ソフィ!援護は任せた!」


「…任された!…」


 さっきチラッと見た限り、金髪の男子生徒が他の面々を纏めにかかっていた。


「俺達の仕事は時間稼ぎだ!全力で粘るぞ!」


「…うん!…」


 奥にいていまいち分からなかったが、その数は5機…


 正直五分もてば良い方だろう。


「…アイス…アロー!…」


 それをなるべく長引かせる為にやるべき事は…


「くっ…よっと…」


 絶対に攻撃をしないことと、ソフィへのルートを潰すことだろう。


 攻撃はしないが………


「オラァ!」


 踏み込みと気迫だけは乗せきらないといけない。


 そうしないと、俺を素通りしてソフィへ行ってしまうから。


「くそっ!数が多い!」


 正面の剣を避けても、その横から槍が出てくる。


 埒が明かないと距離をとれば、奥から矢が飛んでくる。


 正直もう、限界だ。


「グァッ!」


「…進!…」


 一撃…もらってしまった。


「武装…解除…」


 こうなったら、しょうがない。


「…進!…なんで…」


 ()は無くなるが、素手で抑える!


「オラァ!」


 ガイィン!


「硬ってぇ…」


「…進…諦めてないの?…」


「ソフィこそ!まだ諦める時間じゃないぜ!」


 ほぼ限界だけどな!


「…うん!…そうだね!…」


 そうして、二人で敵へと向き直したとき………


「止めてぇぇぇぇぇ!」


「撃てぇ!」


 無数の魔法が、()()()機械兵団を攻撃した。


「………え?…すす…む?…」


「ゴハッ…」


 生きて…る?


 ハハハ…でも体動かねぇや…


「クソッ!効いてないのか?仕方ない、退くぞ!」


「…嫌っ…進!…進!」


「ああっ…助けて…くれたのに…」


 パンパン!


「はーい、そこまでー」


 カツカツと、靴の音を響かせながら、スーツ姿の女性が歩いてくる。


「あちゃー、こりゃまた盛大に食らっちゃって…」


「…進!…嫌だよ!…進!…」


「はいはーい、なんとかなるから安心してねー」


 そうして女性は、倒れている俺に手を翳す(かざす)と、一言…


「ヒール」


 そうして巻き起こった魔法の奔流は、身体の傷を次々に癒していき…そして痛みが減っていく。


「オッケー、後は保健委員…は、まだ決めてなかったか…」


 あっまずい…意識……が………

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