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……どうして。…どうして!どうして!!

どうしてよ。どうして上手くいかないの。ああ、ダメ。落ち着いて、落ち着いて。

大丈夫。大丈夫よ。次は上手くいく、上手くいく。でも、でも疑われてる。

どうしよう、バレタかもしれない。どうしよう。

あいつの、あいつのせいだ。あいつを、あいつを排除しないと。早く。早く!早く!!




「何をしている!!」



…ああ、ばれてしまった!!




 しばらくして、彼女は私を傷つけようとした。

殺すつもりはなかったんだと思う。ただ、排除したかった。私という異端者を。


何があったのかは、とくに語らなくても想像できると思う。

様式美、セオリー、お約束。その名のとおり、間違いは正された。勧善懲悪。

明日からは、また平和な学園に戻るだろう。

一部の人たちの気持ちを置いて。そうして世界は進んでいく。




冷たい廊下を歩く。今日は誰もついて来ないようお願いした。

彼女に話したい事があった…

話した事は私達だけが知っていればいい。










***





「…あれで良かったのか?」

帰り道、隊長が話しかける。夕日が傾いてそろそろ夜になる。


「んー…、そうだね結局のところ、私は彼女に対して何の恨みも怒りも感じていないし、自殺されても後味悪いしね。良かったよ、あれで」

「そうか…。まぁ、おめぇが納得してんならいいけどよ」


「うん、納得してるよ。みんなも、私のために怒ってくれてありがとう。」

「…おめぇは、俺たちの事となるとスッゲェ怒るのによー、自分の事に関しては笑って許しちまうからなぁ」

いきなり隊長が頭をなでてきた。

ちょ、ちょ、もうちょい優しく。脳みそシェイクされるってば!



「まぁ、それがおめぇだからなぁ…」

隊長が、遠くを見るような目で私を見る。笑ってる顔は相変わらず優しいとは言い難く、むしろ何処の悪党ですかと聞きたくなるような顔だ。

ああ、それでも知っている。貴方の優しさを、あなた達の優しさを…

それに救われたのだ、わたしは。だから…



「ほら、帰んぞ」

その言葉が私を生かす。この世界で生きていこうと決意出来た。あなた達が、貴方がいるから、わたしは私であれるのだ。






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