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莠の凪  作者: 藤泉都理
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リラックス




 過去の自分の開基へ。

 俺は未来のおまえだ。

 突然だが、目の前にいるおばあさんは未来の中井恵だ。


 水田博士が作った植物を組み込んだ機械が宇宙の電磁波によって生じた不具合は、俺が解決をした。

 その時代の中井恵の歌声と七星天道虫のゆらぎを使用して。

 けれど、機械の不具合をよしとする連中が、邪魔になるだろうおばあさんを襲い始めたので、俺が過去にタイムマシンを使って送った。


 未来の時代では、七星天道虫は絶滅している上に、中井恵の歌声も変質してしまっいるし、俺が持っている七星天道虫と中井恵の歌声のゆらぎのデータはすでに破壊されてしまったので、もう一度不具合を解消しようにもできない。

 なので、おばあさんには七星天道虫とその時代の中井恵の髪の毛を持って帰ってくるようにと伝えてある。


 が。


 機械に生じた不具合が、何らかの方法でそちらの植物に伝達してぎんくんに寄生し、七星天道虫、それにおばあさんと中井恵を亡き者にしようとしているようだ。

 今のぎんくんに人を殺す力はないと思うが、七星天道虫はその限りではないだろう。


 おまえは早くおばあさんに七星天道虫と中井恵の髪の毛、そして念の為に、二つのゆらぎのデータを保存している七星天道虫型の機械を渡してくれ。


 おばあさんもこの手紙を読んでいるだろう。

 この手紙にタイムマシンが起動するスイッチを内蔵してある。

 黒い球体がそれだ。

 それを押してくれれば、未来に戻れる。


 おばあさん。

 いや、中井恵。

 申し訳ない。俺があなたの歌声を無断で使ったばかりに巻き込んでしまった。

 未来できちんと詫びるし、一生をかけて償い続ける。

 だが、どうしてもあなたの、過去のあなたの歌声でなければだめなのだ。

 どうか理解してもらいたい。


 あと、ぎんくんが襲ってきた時は、その時代の中井恵の歌声を聞かせれば動きが止まるはずだ。

 どうやら、その時代の中井恵の歌声には。

 植物をリラックスさせる効果があるらしい。











(2023.2.19)





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