君の魅力にのぼせてる.2
"ピーンポーン"
‹かーくん!›
《…相手を確認してから開けなきゃだめだろう?》
‹あ…ごめんなさい!気をつけます…›
《うん じゃあ、行こうか》
‹あ!その前に…ちょっと入ってもらえませんか?›
《え》
女の子の一人暮らしの部屋に?えぇ…ひなちゃん
危機感ないのか…?
‹かーくん?どうぞどうぞ!›
《あ…はい…お邪魔致します…》
《それで?今日はどこにお出かけしたいのかな?》
‹あのね、夜寝る前に考えたんだけど…›
《うん》
‹このままお部屋でもいいかも…って!›
《へ?》
‹2人でいたくて…だめ?›
《!!や、あの…》
‹…かーくん…わたし…かーくんと…›
《ひなちゃん!?待って…それは…》
‹かーくん…›
《だめだって…!!ひなちゃんっ!!》
…え
目が覚めた 夢だったんだ…
今、何時だ…
…5時かよ…はぁ…
なんつー夢を見てるんだ 僕は…!!
勘弁してくれ…はぁ…
こんな夢見ちゃってもう眠れるわけなくて
早めに起きた
時間になったから準備して
ひなちゃんの部屋に向かったんだ
"ピーンポーン"
‹かーくん!おはようございます!›
《相手を確認してから開けなきゃだめだろう?》
‹あ…ごめんなさい!気をつけます›
《うん じゃあ、行こうか》
‹あ!その前に…ちょっと入ってもらえませんか?›
《え!?》
なにこれ…デジャブ…?
これ夢じゃないよな!?
《痛っ》
腕を抓ったらちゃんと痛い…
‹あれ?かーくん、どうぞー?›
《あ…うん、お邪魔します…》
綺麗にしてるんだなー…あ、この写真…
‹あ、それ 昨日話してた妹と弟です!›
《本当だ、可愛いね》
‹はい!こはるとゆうひです›
ひなちゃんがしゃがんでいて、
両隣りに2人が写っている
こういうところだよな…
目線を合わせているのが この子の優しいところを映してるんだろう
《いい写真だね》
‹宝物なんです!はい、かーくん コーヒーどうぞ›
《ありがとう》
‹いえいえ!かーくんのお部屋にお邪魔したから…
うちにも…と思って!›
《でもなぁ…女の子の一人暮らしに男を呼ぶってのは…》
‹…かーくんだから呼んだんだもん…!›
《…なっ…》
‹…›
《…ふー そっか ありがとう》
‹うん!›
安全だと思ってくれたのかな
それならいいけど…
《えっと…それで、どうするの?今日は…》
‹お昼ご飯作りますから食べてから出かけましょう›
《作ってくれるの?》
‹はい!ご飯ごちそうになってばかりだから…
少しでもお礼がしたくて›
《いいのにーでもありがとう》
‹ふふっ 少し待っててね!もう準備は出来てるから›
《あ、手伝うことはなし?》
‹うん!あっじゃあ…ケチャップで何か書いてほしい!›
《ということは…オムライスかな?》
‹あたりです!どうぞー今スプーン持ってくるね›
《うん ありがとう!》
これだなー
じゃあ…
‹はい、スープとスプーンを…わぁ…!›
《どう?》
‹筆記体かな?すごーい…でも、何て書いてあるの?›
《…え》
あ…やべぇ…まさか聞かれると思ってなかった
や、そりゃ聞かれるか…
《内緒 さ!食べようか!》
‹えー!気になるー!›
ひなちゃんはスマホで写真を撮っている
《冷めないうちに食べよ いただきまーす!》
‹召し上がれー›
《あー…うまいなー うん、おいしい!》
‹ほんとですか!?よかった…!›
半熟たまごがトロトロでチキンライスも具だくさんでおいしかった
オニオンスープもおいしかったし
《あーうまかった!ごちそうさま!》
‹よかったです!そんな風に言ってもらえて›
《えー?だってうまかったもん 毎日食いたいくらいだよ》
‹ほんと…?えへへ›
あ…なんか、変なこと口走ったような…
‹じゃあ、洗い物してくる!終わったら出かけましょう›
《あ、僕が…》
‹座っててください!ね!›
《はい》
料理もうまくて
仕事も家事も出来て…か
いいお嫁さんになるなぁ ひなちゃん
‹ん?なぁに?›
《ん?いいお嫁さんになるなーって…》
‹…お嫁さんにしてくれる?かーくん›
《え?》
‹ううん!さ!行きましょ!
あのね、駅ビルに行きたいお店があって…›
…ちゃんと聞こえてたけど
なんて答えていいのかわからなかった
駅ビルに着いた僕達は
ひなちゃんの行きたかったというお店に来た
《これ、おすすめだよ》
‹ほんと!?じゃあ買っちゃお›
この子は…休みの日でも製菓のことを考えてるんだ
お菓子作りのためのキッチン小物を
真剣に見ている
僕も使っているメーカーのものを買ったようだ
ちゃんと手入れをすれば長く使える物だ
‹ありがとう!かーくん!いろいろ教えてくれて›
《お安い御用だよ 他にはどこか行きたいところとかある?》
‹うーん…あ、カップを見に行きたいの›
《うん 行こうか》
女子に人気の雑貨屋に来た
ひなちゃんはカップを選んでいる
‹かーくんが遊びに来てくれた時に使うカップ、買ってもいい…?›
《いや、でもそんなの置いといたら…彼氏とか出来たらまずいだろ》
‹これにする!買ってきますね!›
《え?ひなちゃん!?》
聞いてないのかシカトしたのか…
少し頑固な部分もあるのか…?可愛いけど
‹お揃いの買っちゃいました!えへへ›
《まったく…あーじゃあ、うちにも置いとくか》
‹え…?›
《ひなちゃん専用のカップ》
‹ほんと!?›
《うん》
‹じゃあ…選んでいい?›
《いいよー》
んー…なんて言いながら選んでる
すごい悩むじゃん…
‹これとこれにします!›
《え?ペア?》
‹はい!いいでしょー?›
《…はい 買ってきます…》
駄目だ…昔からひなちゃんのおねだりには弱いんだ…
カップが割れるといけないから
先にひなちゃんの部屋に帰ってきた
ひなちゃんが洗ったカップを
上機嫌で食器棚にしまっている
‹夕方からも時間ある?›
《うん、大丈夫だよ》
‹じゃあ、その…かーくんのおうちに行きたい›
《うん 夜ご飯でも食べる?》
‹あっ、えっと…その…›
《ん?》
‹これ…一緒に見たいの›
ひなちゃんがスマホのサブスクの動画サイトを見せてきた
…
《ホラー?》
‹うん…怖いから、一緒に見てほしい…だめ?›
《いいよ 僕はわりと好きな方だし》
‹よかった!あ!じゃあ準備してくるね
線をつけるとテレビでも見られるの!
あと…いろいろあるから待ってて!›
《ん?うん…》
いろいろ?なんだろ…
‹さ!行きましょ!›
《うん ちなみに、夜ご飯は何が食べたい?》
‹カレーがいい!›
《いいよ あっ、買い物してから帰ろう》
‹わぁい!›
スーパーで飲み物と野菜を買って来た
ナスとオクラを添えようか
肉は牛肉があるからそれを煮込もう
《えーっと…ひなさん?》
‹なぁに?かーくん›
《それは…その…お泊まりセット…ですかね?》
‹あ、バレちゃいましたね!›
《いやいやいや!それはさすがに…》
‹だってぇ…夜怖くて1人じゃいられないもん…
わたしの部屋だったら帰っちゃってたでしょう?›
あーいろいろってこれだったんだな…
《…しょうがないな》
‹やったー!›
《じゃあ…寝る準備してから観ようか》
‹はーい!›
うん
僕のことを全然意識してないことはわかった
あれだな…
お兄ちゃんだな 完璧に…
‹お風呂ありがとうございます…!›
《髪乾かしなよー》
‹はーい あ!昔、かーくんが乾かしてくれたこと
あったよね?›
《あーあったね 何?やってほしいの?》
‹うん!お願いします!えへへ›
《はい お嬢様の言う通りにー》
透子さんが片付けしてる間に
僕がひなちゃんの髪を乾かしてたことがあった…
あの頃は短かったけど
長い髪もよく似合っている
《はい、終わりましたよー》
‹えへへ ありがとう!かーくん!›
《じゃ、風呂入ってくるね ゆっくりしてて》
‹うん!›
ふーっ 意識されてないとわかれば
一緒にいても案外大丈夫なもんだな
本当に兄妹みたいな…そんな感覚
ちょっと寂しい気もするけど
《ふー…ただいまー》
‹あ、あの…おかえり、なさい…›
《え、どうかした?》
‹かーくん、その…さっきの…›
《ん?》
‹オムライス…›
《げ…調べた?》
‹は、はい…›
C’est mignonって書いたんだ
意味は…まぁ、可愛いって…意味
崩して描いたからバレないかと思ったんだけど
《可愛いからね ひなちゃんは》
‹!!›
あー真っ赤になっちゃったよ…
‹ありがと…えへへ›
《…可愛い》
‹え?›
《あ、いや あー…そろそろ観ようか》
‹あ、うん!›
《電気消す?》
‹だめー!!›
ちょっとだけ明かりを落として…
…これ、意外と怖いな…
脅かしてくる系だ…
‹きゃあ!!›
ひなちゃんが抱きついてくる
やわらかいものがあたっています!ひなさん!
理性が…しっかりしろ!安藤 一騎!!
‹いやあ!かーくん…›
《わっ》
‹ん…›
あ
《ご、ごめんっ》
‹あ…わたしこそ…›
唇が触れてしまった
…気まずい
《あー…そろそろ寝る?》
一刻も早く離れないとまずいぞ…
‹無理…こわい…›
《う、あの、ひなちゃん》
‹かーくん…一緒に寝て…?暗いの怖いし…!›
怖かったみたいで、ひなちゃんがリモコンで電気を明るくした
《っ!!》
‹…え›
あ…終わった…
勃ってるの、バレた…
‹かー…くん?›
《ご、ごめん…》
‹あ…えっと…大丈夫…›
《すぐ、おさまると思うから…その、ちょっと離れて…》
‹…›
う、涙目でこっち見ないで
《…わかった 離れないから》
‹うん…›
本当はひなちゃんにベッドで寝てもらって
僕はソファで寝るはずだったのに…
一緒のベッドで寝ることに…
あーこんな状況で眠れるわけもない
ひなちゃんは寝てるけどな…!
人の気も知らないで…本当にこの子は…
あーでも
昨日も今日も楽しかったな…
ほんと…
好きだな…
ん…いつの間に寝てたんだろ
あ
目の前にはすやすやと寝ているひなちゃんがいる
可愛い
頭を撫でる
‹んぅ…かー、くん…?›
《あ、ごめんね 起こしちゃったな》
‹ううん…おはようございます›
《おはよ》
‹ふふ…ありがとう、かーくん›
《え?なにが?》
‹かーくんが一緒に寝てくれたから、すぐに眠れたの›
《早かったなー寝るの》
‹!見てたの…?›
《うん 可愛かったよ》
‹…うぅ ねぇ、かーくん›
《ん?》
‹…やっぱり、わたしって…5歳のまま…?›
《え?》
‹…なんでもないっ!顔洗ってきます!›
《あ…》
そんなわけないよ
こんなに…
いや…
《はい、タオル》
‹あ…ありがとう!わたし、そろそろ帰ります›
《え、なんで?》
‹…だって…›
《朝ごはんにイングリッシュマフィン買ってあるけど?》
‹…もう!子供扱いしないでくださ…グーーーッ…
うぅ…›
《はは ごめんね さ、用意するから食べよ?》
‹…はい…›
軽くトーストしてバターを塗って
目玉焼きとベーコン、レタスを挟んで食べる
‹おいしい…!›
《ね うまいなぁ》
‹…›
《ひーなちゃん》
‹…なんですか?›
《ご機嫌直ったら散歩でも行く?》
‹はい!›
《うん》
帰ってほしくなくて、必死だな
駄目だ…もう完全に好きだ
離したくなくて
ずっとそばにいたくて
そんなこと言ったら…受け入れてくれるのかな
‹すごーい!こんなに綺麗な花壇があるなんて…›
近くにある公園に連れてきたんだ
ひなちゃん、花好きなんだー
《初めて来た?》
‹うん!公園があるのは知ってたけど…あ!あっちも見たい!›
《うんうん 行こう》
‹かーくん›
《ん?》
‹手、つないでも…いい?›
《…どうぞ》
笑いながら手をつなぎだしたひなちゃんは
お目当てのチューリップを見ている
‹可愛いー›
《ほんとだね》
僕はひなちゃんを見てるけど
〈あれー?一騎にひなちゃん!〉
《おう、未来か おはよ》
‹山本さん!おはようございます›
〈ついに付き合ったの?手なんかつないじゃって〉
《あ、いや…》
‹あ…っ!›
離そうとしたら、ひなちゃんが離してくれなくて
《?ひなちゃん…?》
‹デート、してもらってるんです…›
《!》
〈そっかぁーじゃあ邪魔できないね!
んじゃまたねー〉
《お、おう…》
未来も家が近所なんだ…けど…
《どうしたの?ひなちゃん》
‹ごめんなさい…›
手を離したひなちゃんの手を、もう一度つないだ
《付き合おうか》
‹かーくん…うんっ!›
嬉しそうに微笑む彼女を見て
もう傷つけない 彼女のことだけは…
そう考えながら
この手を離すまいとしっかり手を握った
【未来point of view】
お腹すいたー
いつもだったら、休みの日は一騎の部屋で
おいしいご飯食べてるのになぁ
しょうがない…
買いに行くか…
コンビニでいろいろ買い込んでいると
やはり食事の面では
一騎を手放したのは惜しいと感じる
面倒見がいいから
いつも食事も作ってくれてたし
部屋にずっといても怒らなかった
居心地良くて ずっと一緒にいたかった
あーこの公園…よく2人で来たなぁ
久しぶりにちょっと歩いてみよう
あ
前の方に一騎とひなちゃんがいた
こんな朝早くから?え?
手、つないでない?
もはや泊まりの朝みたいな行動してるじゃん
早…
え、もう!?
いや…いくら応援したくて別れたとはいえ
早くない!?
3日くらいじゃない!?
なにそれ…
ちょっと意地悪したくなって声をかけた
〈あれー?一騎にひなちゃん!〉
《おう、未来か おはよ》
‹山本さん!おはようございます›
〈ついに付き合ったの?手なんかつないじゃって〉
《あ、いや…》
‹あ…っ!›
…一騎が離そうとする手をひなちゃんが掴んでる
《ひなちゃん…?》
‹デート、してもらってるんです…›
〈そっかぁーじゃあ邪魔できないね!
んじゃまたねー〉
意地悪したつもりが
やり返されたような…
ひなちゃん、本当に好きなんだ 一騎のこと
見つめ合っていた2人を見ていられなくて…
敵前逃亡した
ひなちゃんが一騎を好きとなると…
もうあたしにできることは何もない
良かったね 一騎
やっと…本当に好きな人と付き合えたんだ
…
あたしだって…
もっといい男捕まえてやるんだから!
そうだ!
かっちゃんに誰かいい男紹介してもらおーっと
「そんで?俺に男紹介しろって?」
夕方
暇すぎてお腹すきすぎて、かっちゃんを呼び出した
社長の知り合いでも紹介してもらおうかと思って♪
車持ちだからすぐ来てくれるんだよね
それにしてもいつ呼び出しても来るなぁ
暇なの?
〈そうー料理できて家事もできてお金持ってる人がいい!〉
「お前なぁ…」
〈いるでしょー?料理人仲間とかさぁ〉
「…あー いいのがいるぞ」
〈どんな人!?イケメン?〉
「料理出来るだろ、家事もできるだろ、家もあるだろ、車も持ってる、あと店のオーナー
どうだ?顔は…未来が見て決めろ」
〈えー!優良物件じゃん!顔はどんなの?写真ないの?〉
「写真なんかねぇよ」
〈えー見たかったなぁ〉
「目の前にいるけどな」
〈…へ?〉
「おーれ」
〈かっちゃん!?〉
「どうよ 俺にしとけよ」
〈なに、かっちゃん あたしのこと好きなの?〉
「…まぁ 嫌いではねぇ」
〈ふーん…じゃあーかっちゃんにしよっかな〉
「おう そうしとけ アイツなんかより大事にするからよ」
〈それは楽しみ それより、ご飯食べさせてー〉
「ったく…いいぞ 俺んち連れてくわ」
〈はーい〉
まさかのお誘いだったけど
一騎に負けず料理も上手いし…
胃袋を掴まれたあたしは
その日からかっちゃんの家に転がりこむことにした
〈かっちゃーん〉
「んだよ」
〈お風呂入ろー〉
「ぶっ…お前なぁ…そういうのは…」
〈あれ?付き合ってんじゃないの?〉
「…いいのかよ ほんとに」
〈うん〉
「…俺、お前のこと本気で好きなんだけど」
〈あたしも好きだよ かっちゃんの料理〉
「こいつ…あーそうかよ…あったまきた…
後悔すんなよ」
〈え?…きゃあっ!?〉
ちょ…お姫様抱っこされて
お風呂場に連れて行かれて
ポンポンと服を脱がされて
お風呂で身体と髪を洗われて…
なに!?
至れり尽くせり!?
かっちゃんって尽くし系なんだー
ドSだコラ!って顔してるのに
その後ベッドに運ばれて
そっちも至れり尽くせり…
あれ…かっちゃんと…相性いいかも…
「なぁ」
〈んー?〉
「俺のがいいって言えよ」
〈…かっちゃんのがいい これ、好きぃ〉
「だろ?じゃねーよ んだよ…つか、俺を好きになれよ!ふざけんな」
〈えー?〉
「もういい…身体に教え込んでやる 2回戦な…!」
〈あっ…ちょっ…〉
ーーーーー
〈激しいー…疲れたー〉
「未来ー」
〈なに?〉
「愛してんぞ」
〈…〉
それは…
今までずっと
喉から手が出るほど欲しかった言葉だった
「んだよ スルーかよ」
〈かっちゃん〉
「なんだよ」
〈あたしのこと、ずっと愛して〉
「… ばーか ずっと愛してんだよ こっちは」
〈そうだったの?知らなかったー〉
「だろーな 人の気も知らねぇで」
〈だってぇ…〉
「…はっ これから俺じゃなきゃ駄目になるようにしてやるよ」
〈…うん〉
違う意味でかっちゃんがいなきゃ生きていけなくなりそう
だって、至れり尽くせりなんだもん
お姫様になったみたーい
〈かっちゃーん〉
「あんだよ?」
〈好きだよ…かっちゃんの匂い〉
「お前…意地でも俺自身のことを好きとは言わねぇ気だろ…」
〈好きにさせてよ〉
「… だからしてやるって言ってんだろ
愛してる 未来」
愛するよりも愛されてる方が
あたしには合ってるのかもー
【一騎point of view】
‹かーくん!›
《んー?》
‹今日もお泊りしたい…だめ?›
《いいよ》
‹ほんと!?わぁい!›
付き合うことになってから
ひなちゃんが僕のそばを離れない
可愛い…
散歩を終わらせて部屋に帰ってきて
洗濯して
新婚みたいだなー 本当に
あの時、
手を離そうとした僕の手を掴んでたのは
元カノの未来に盗られちゃうと思ったんだって
ひなちゃんは、未来に対してそんなことを考えた
自分が嫌になったって
そう言ってた
まぁ…僕のせいだ
僕がクズだから…
未来に対しても、ひなちゃんに対しても
ちゃんとしないと…
安心してもらうためにも
《ひなちゃん》
‹なぁに?›
《好きだよ》
‹かーくん…わたしも!大好きです!›
《僕も大好きなんだけどなー》
‹ほんと!?›
《うん 離したくないくらいには》
‹!うれしい…っ!›
《大事にしたいんだ ひなちゃんのこと》
‹はい ありがとうございます›
《それでね…ご両親に挨拶したいんだ》
‹かーくん…›
《反対されるかもしれないけど…それでも…》
‹…うん›
《次の休みに行こうか ひだまりも水曜日定休だったよね》
‹今聞いてみましょうか?もしあれでしたら今日でも…›
《…うん お願い》
‹…あ、ママ?›
え!?電話してる!?
‹…うん!頑張ってるよ!うん…あ、それでね、今日って予定ある?うん…だったらさ、午後から行ってもいい?会ってほしい人がいるの…›
!!
‹うん、わかった!じゃ、あとでね!
…かーくん、空いてるって!›
《聞こえてたよ 午後からね
もう少ししたら着替えて出ようか
何か手土産選んで行こう》
‹うん!›
耕平さんたちに挨拶することは、避けては通れない
ひなちゃんを大事にするということは
家族も大事にするということだから
遅かれ早かれ、そうするならば
早いほうがいい
反対…されるだろうな…
でも…
真摯に向き合わなくてはならない人達だから
怖いけど…
彼女のために 僕のために
ふーっ…
行くぞ…
‹かーくん…スーツかっこいい…写真撮ってもいい?›
《ひなちゃん…いいよ…》
もう!この子は…!呑気で可愛いんだから…!
‹はい、チーズ!ふふ♪宝物増えた♪›
《可愛いなぁ…え?ちょ、ちょっと待って…!?》
‹ん?なぁに?›
《その待ち受け…司さんか!?》
‹うん!魔除け!›
《はは…悪いこと出来ないな…》
手土産を用意して
電車に乗ること1時間半
2回乗り換えてやっと着いた
懐かしいな…
駅前の雰囲気は、あの頃とそんなに変わっていない
駅から15分くらい歩いたところにある一軒家
ふー…っ
‹かーくん…緊張してる?›
《うん…》
‹大丈夫…わたしがいますから…!›
《ありがとう》
そんな可愛いことを言うひなちゃんも、
少し緊張しているみたいだ
‹ただいまー!›
[おかえりなさーい…え、一騎くん!?]
『ひなー!おかえり…!おいおい…』
《…ご無沙汰しています 耕平さん、透子さん》
『…上がって』
《…お邪魔します》
‹…›
ひなちゃんがちょっと不安そうにしている…
『それで?今までどこで何をしていた』
《あの頃は本当に申し訳ありませんでした
あれから▲■のPatisserie Mileで働いています》
『…ひなの就職先だね?』
《僕もひなちゃんが来た時には驚いて…》
『ひな…一騎がいるのをわかっててそこにしたのかい?』
‹ううん 偶然だったの かーくんだって気づいたのも3日前くらいで›
『そう…会わせたい人っていうのは…どういう名目で?』
‹あのね、パパ…›
《待って、ひなちゃん えっと…陽菜さんとお付き合いさせていただきたくて…
その、お許しを…いただきたくて…》
『…』
[…ひな]
‹はい›
[一騎くんのこと、好き?]
‹うん!›
[それは…良くしてくれたお兄ちゃんとして?それとも…]
‹違う!ずっと好きだったの…会えなくなってからも…ずっと…›
[…そう 一騎くんは、ひなのことを真剣に想ってくれてるってことでいいのよね?]
《はい!》
[それなら、何も言うことはないわ]
《透子さん…》
『お互いが真剣に想っているんだろう
相手が、何も知らない人よりは一騎で安心したよ』
《耕平さん…》
『俺達は、一騎のことを恨んでたわけじゃないんだ あれから伝手をあたって探してたんだぞ』
《え…でも…》
[本当よ まさか▲■にいたなんて…Mielは私も知ってるもの おいしい洋菓子のお店ね]
《!そうなんです…!》
『元気にしててくれたならよかったよ
司も心配している 顔を出しておいで』
《はい…ありがとうございます…!》
『そうだ、一騎』
《はい》
『ひなのことを泣かせたら…わかってるよなぁ?』
《は…はい…っ》
あの頃よりも、渋くなっている耕平さんの顔が怖い…
[耕平さんったら、もう…!]
‹パパ、ママ!ありがとう!›
[あなたが好きになったんでしょう?今の一騎くんをママも信じてるわ]
‹うんっ!›
それから少し話しして、次はひだまりへ向かった
耕平さんが連絡してくれたんだ
‹司さーん、恭子さーん!ただいまー›
❴ひなちゃー…ん!?おい!お前…一騎だな!?❵
《は、はいっ!司さん…ご無沙汰しています!》
❴ほぉーん…俺のひなちゃんに手ー出しやがったのはお前かぁ!?❵
《や!まだ…その…》
❴あたりめぇだ!10年はえぇんだよ!❵
〚ちょっと司…玄関先でやめなさいよ
ほら、2人とも入って〛
❴恭子ぉ!一騎のやろーが…!❵
〚聞こえてたわよ!まったく ほら、座って!〛
《恭子さん!ご無沙汰してます》
〚元気にしてたの?〛
《はい》
〚そう ひなちゃんがずっと会いたがっていたからね 探してたんだけど…〛
❴ひなちゃん…そうだったのか❵
‹うん…やっと会えてね 付き合えたの…
許してくれるでしょ?›
❴う…ひなちゃんが…そう言うなら、俺は…❵
‹ありがとう!司さん!›
❴あぁ、ひなちゃんがぁ…❵
‹でもね まだ待ち受けは司さんだよ!›
❴ほんとかぁ!?彼氏じゃなくて俺かぁ…
くーっ 俺がいつでも守ってやるからなぁ!❵
‹うんっ!ありがとう!›
〚…Mielで働いてるそうね〛
《そうなんです》
〚今度食べに行くわね〛
《待ってます!》
〚一騎〛
《はい》
〚ひなちゃんを泣かせたら…チ〇コ切るわよ〛
《…はい…》
❴お前…大変だぞ 親が4人もいるんだからよ❵
《はい…!ひなちゃんのことは、命をかけて大事にします…!》
❴あたりめぇだ…あ、久しぶりなんだ
なんか作ってやる 食ってけ❵
‹わぁい!›
《ありがとうございます!》
耕平さんたちも合流して
みんなで食事をして
こはるちゃん、ゆうひくんにも会えた
みんなで写真を撮って…
楽しかったなぁ
帰り道、ひなちゃんが
‹写真立てを買わないと…!›ってスマホの画像を観ながら微笑んでる
あー幸せだなー
‹ん?›
《ううん 挨拶に行けて良かった…》
‹ありがとう かーくん›
《こちらこそありがとう ひなちゃん》
‹えへへ これでちゃんと彼女になれたー›
《うん ずっと大切にする》
‹はい…わたしも、かーくんのこと大事に想ってます›
《ふふ》
‹あ!かーくん見て やっぱりこっちの星は綺麗だね›
《うんうん あとでベランダから見よっか》
‹わぁい!›
手をつないで楽しそうに歩いてる彼女が
あまりにも可愛くて
《あいしてる》って口に出してた
‹…うれしい…愛してます…!›
あ…泣かせてしまった
司さんや耕平さんの顔が浮かんできたけど…
これはセーフだよな!?
部屋に着いたら
我慢できなくて
玄関先でキスして
シャワーも浴びずに求めてしまった
ーーーーー
《身体、大丈夫…?》
‹はい…まだドキドキしてる…›
《可愛いなぁ…》
腕枕をして、ひなちゃんを包むように抱きしめる
‹かーくん…›
《ん?》
‹愛してます›
《僕も…愛してるよ》
今まで誰にも言ってこなかった
"愛してる"を
キミだけに…
タイトル〘君の魅力にのぼせてる〙
君の色気にあてられて 後日譚 Fin…
こちらの記事はnote様で同一名義にて投稿しております。
再編集して投稿しております。




