第16話 勇者パーティー、活動制限を受ける
王都冒険者ギルドの二階にある会議室は、朝から重苦しい空気に包まれていた。
窓の外では、いつも通り王都の一日が始まっている。
馬車が行き交い、屋台の店主が声を張り、冒険者たちが依頼板の前で今日の仕事を選んでいる。階下の酒場からは、焼いた腸詰めの匂いと、誰かの笑い声が微かに上がってきた。
けれど、この部屋だけは別だった。
長机の片側に、勇者パーティーの四人が座っている。
勇者カイル。
重戦士ガレス。
魔法使いミラ。
僧侶リーナ。
かつてなら、四人が並んで座っているだけで部屋の空気が引き締まった。王国の希望。魔王軍に対抗する象徴。ギルド職員たちでさえ、彼らを前にすれば自然と背筋を伸ばした。
だが、今は違う。
ガレスは左肩をかばい、椅子の背にもたれている。
ミラは杖を机に置いたまま、指先で魔石の固定具をいじっていた。
リーナは膝の上で両手を重ね、静かに俯いている。
そしてカイルだけが、腕を組んで正面を睨んでいた。
その向かいに立つのは、受付嬢マリナ。
いつもの柔らかな受付対応とは違い、今日はギルド職員としての顔をしていた。
「結論から申し上げます」
マリナは机の上に数枚の書類を置いた。
「勇者パーティーには、本日付で高難度依頼の受注制限がかかります」
リーナが小さく息を呑んだ。
ミラは目を閉じる。
ガレスは「まあ、そうなるよな」と言いたげに天井を見た。
カイルだけが、低い声で言った。
「誰の判断だ」
「王都冒険者ギルド本部です」
「ギルド本部が、勇者である俺の活動を制限するというのか」
「はい」
マリナは怯まない。
「現在の皆様の負傷状況、装備不良、連携不全、直近依頼の失敗内容を総合した結果です」
「失敗ではない」
カイルは即座に言い返した。
「灰の小砦は一時撤退だ。農村の件も、態勢を整えるために下がっただけだ」
「報告上は、いずれも依頼未達成です」
「言葉遊びをするな」
「記録です」
マリナの返答は静かだった。
だからこそ、カイルの苛立ちは増す。
「ギルドの書類上でどう扱われようと、俺たちは勇者パーティーだ。王国からも神殿からも期待されている。魔王軍が動いている時に、俺たちの足を止めるつもりか」
「足を止めなければ、皆様のどなたかが命を落とす可能性があります」
部屋の空気がさらに重くなった。
マリナは書類を一枚めくる。
「灰の小砦での負傷記録です。ガレス様、左肩の再負傷と太腿の裂傷。ミラ様、魔力循環の乱れと杖の出力不安定。リーナ様、過度の魔力消耗。カイル様、腹部打撲および聖剣出力の低下が確認されています」
「聖剣出力の低下?」
カイルの声が鋭くなった。
「誰がそんなことを言った」
「ギルド提携の鑑定士です。聖剣そのものに損傷はありません。ですが、使用者との魔力同調率が以前より低下していると報告されています」
「馬鹿な」
カイルは机を叩いた。
「聖剣は女神に選ばれた俺の剣だ。同調率など、ただの数字だ」
「その数字が、現場での危険度を示します」
「受付嬢が俺の聖剣を語るな!」
怒声が響いた。
リーナの肩が震える。
だが、マリナは表情を変えなかった。
「カイル様。私は受付嬢としてではなく、ギルド職員として申し上げています」
「同じことだ」
「違います」
その一言は、静かだが強かった。
カイルが目を細める。
マリナは続けた。
「ギルドの仕事は、冒険者を依頼へ送り出すことだけではありません。無謀な依頼受注を止めることも仕事です」
「俺が無謀だと言うのか」
「はい」
即答だった。
ミラが小さく息を吐いた。
「……はっきり言うわね」
「必要ですので」
「嫌いじゃないわ」
ミラの声には疲れがある。
だが、少しだけ救われたようでもあった。
カイルはミラを睨む。
「お前は黙っていろ」
「嫌よ」
ミラはあっさり返した。
「今まで黙ってた結果がこれだもの」
「何だと?」
「カイル。活動制限は受け入れるべきよ」
カイルの顔が歪んだ。
「ミラ、お前まで」
「私だけじゃないわ」
ミラはガレスとリーナを見る。
ガレスは重く頷いた。
「俺も受け入れる」
リーナも、静かに顔を上げた。
「私もです」
「……お前たち」
カイルの声が低く沈む。
そこにあったのは怒りだけではなかった。
困惑。
屈辱。
そして、仲間が自分の側から離れていくことへの恐れ。
「俺たちは勇者パーティーだぞ」
カイルは絞り出すように言った。
「少し調子を崩した程度で、立ち止まってどうする」
「少しではない」
ガレスが言った。
その声はいつもより低い。
「俺の肩は、まだ盾を全力で受けられる状態じゃねぇ。無理に出れば、次は本当に腕が上がらなくなる」
「なら治せばいい」
「そう簡単に治らねぇから言ってる」
「リーナの治癒がある」
その一言に、リーナの顔が痛みに歪んだ。
ガレスが目を細める。
「カイル。その言い方はやめろ」
「事実だろう」
「リーナは道具じゃねぇ」
部屋が静まり返った。
リーナは驚いたようにガレスを見る。
カイルも一瞬、言葉を失った。
ガレスは続ける。
「俺たちは、アレンを道具みたいに扱って失敗した。今度はリーナか?」
「俺はそんな意味で」
「聞こえ方の問題じゃねぇ。考え方の問題だ」
ガレスの声に、いつもの大雑把さはなかった。
傷ついた男が、自分の間違いを噛みしめながら出す声だった。
ミラも静かに言う。
「私も、今の杖ではまともに戦えない。魔力の制御を一から見直す必要があるわ」
「今さら基礎訓練か」
カイルが吐き捨てる。
ミラは眉を動かしたが、怒鳴らなかった。
「ええ。今さらよ」
彼女は杖の魔石を指でなぞる。
「今さら、自分がどれだけアレンの補助に頼っていたか分かった。だから今さらでもやるしかない」
「情けないと思わないのか」
「思ってるわよ」
ミラは顔を上げた。
「でも、情けないと認めることより、認めないまま死ぬ方がずっと馬鹿だわ」
カイルは黙った。
その沈黙の中で、リーナがゆっくり口を開く。
「私は、治癒のやり方を見直します」
「リーナ」
「アレンさんがいた頃、私は自分の魔力の流れを正しく把握していませんでした。彼が整えてくれていたから、無理が通っていたのです。今のままでは、誰かを救うどころか、私自身が倒れます」
リーナは胸元の聖印に手を当てた。
「私は、もう誰かに支えられていることを、自分の実力だと勘違いしたくありません」
その言葉は、カイルにも向いていた。
誰も明言しない。
しかし、部屋にいる全員が分かっていた。
今、一番それを認められていないのはカイルだ。
カイルは椅子から立ち上がった。
「くだらない」
「カイル様」
マリナが制止するように呼ぶ。
「くだらないと言った!」
彼は机に置かれた書類を睨む。
「活動制限? 基礎訓練? 反省? そんなものに何の意味がある。問題は単純だ。アレンがいないから戦力が落ちた。なら、あいつを戻せばいい」
ミラが呆れたように目を閉じた。
「またそれ?」
「事実だろう」
「アレンは戻らないって言ったわ」
「説得が足りなかっただけだ」
「説得?」
リーナの声が震えた。
「カイル。あなたがしたのは説得ではありません」
「何だと言うんだ」
「命令です」
カイルは顔をしかめる。
リーナは続けた。
「それも、アレンさんの気持ちを何一つ見ない命令でした。だから断られたのです」
「俺は勇者だ。勇者パーティーに戻れると言ったんだぞ」
「アレンさんには、もう戻りたい理由がありません」
リーナの声は、悲しげだった。
「彼には家がありました。村がありました。シルフィさんがいて、ぷる太がいて、村の方々がいました。あの場所で、ちゃんと笑っていました」
カイルは唇を噛んだ。
リーフェル村で見たアレンの顔が脳裏をよぎる。
以前のアレンは、いつも少し俯いていた。
カイルの機嫌を窺い、ミラの不満を流し、ガレスの装備を整え、リーナの消耗を心配していた。
あの村のアレンは違った。
怯えてはいた。
傷ついてはいた。
だが、最後にはっきり言った。
戻らない、と。
その言葉が、まだカイルの胸に引っかかっている。
なぜだ。
なぜ戻らない。
勇者パーティーだぞ。
名誉も、金も、王都での地位もある。
辺境の村で畑を耕すより、遥かに価値があるはずだ。
それなのに、なぜ。
「……アレンの力は、勇者パーティーに必要だ」
カイルは低く言った。
「王国にも必要だ」
マリナの目がわずかに鋭くなる。
「カイル様。それはどういう意味ですか」
「そのままの意味だ」
カイルは顔を上げた。
目に、危うい光が戻っていた。
「アレンの付与が本当にそれほど重要なら、個人の感情で辺境村に埋もれさせていい力ではない。王国は魔王軍と戦っている。勇者パーティーはその中心だ。あいつの力は、俺たちが使うべきだ」
「使う」
ミラが冷たく繰り返した。
「今、使うって言った?」
「戦力としてだ」
「同じよ」
ガレスが低く唸る。
「カイル、それ以上言うな」
「なぜだ。お前たちも分かっているはずだ。アレンの支援があれば、俺たちは以前のように戦える。魔王軍にも対抗できる。なら、それを放置する方が間違っている」
リーナの顔が白くなる。
「まさか、王国命令でアレンさんを戻させるつもりですか」
カイルは答えなかった。
だが、その沈黙が答えだった。
マリナがきっぱりと言う。
「それは認められません」
「ギルドに決定権はない」
「少なくとも、ギルド所属冒険者であるアレン様の意思を無視した強制召集には反対します」
「反対していろ」
カイルは椅子の背にかけていた外套を掴んだ。
「王国騎士団に話を通す。勇者パーティーに必要な戦略資産として、アレンの復帰を要請する」
「カイル!」
リーナが立ち上がる。
「そんなことをすれば、アレンさんをまた傷つけます!」
「傷つく? あいつは勇者パーティーに戻れるんだ。名誉なことだろう」
「まだ分からないのですか!」
リーナの叫びが、会議室に響いた。
カイルが足を止める。
リーナは涙をこらえながら言った。
「アレンさんは、名誉よりも、あの村で安心して眠れることを選んだのです。あなたがどれだけ勇者パーティーの価値を語っても、彼にとってはもう違うのです」
「違うはずがない」
カイルの声は、どこか子供のようだった。
「勇者パーティーだぞ。誰もが憧れる場所だ」
ミラがぽつりと言う。
「アレンにとっては、苦しかった場所なのよ」
カイルは振り返らなかった。
そのまま扉へ向かう。
「俺は諦めない」
「カイル様」
マリナが呼ぶ。
「これ以上アレン様の意思を無視するなら、ギルドとして正式に抗議します」
「好きにしろ」
扉が閉まった。
会議室に、重い沈黙が残った。
◇
カイルが出ていった後、ミラは深く椅子にもたれた。
「最悪」
その一言に、全員が反論しなかった。
ガレスは額に手を当てる。
「あいつ、本当にやる気か」
「やるでしょうね」
マリナが答える。
「王国騎士団に知人がいるのですか」
「いるわ」
ミラが苦々しく言った。
「カイルは勇者だから、騎士団にも神殿にも顔が利く。特に騎士団の若手には、カイルを英雄視してる連中がいる」
「その人たちが、アレン様の経緯を正しく知っているとは限りませんね」
「むしろ、カイルの都合のいい話だけ聞くでしょうね」
リーナが青ざめる。
「どうしましょう。このままでは、アレンさんのところへ王国の圧力が」
マリナはすぐに羽ペンを取った。
「ギルド側でも先に動きます」
「何をするの?」
「アレン様の追放経緯と、リーフェル村での本人意思確認について、記録を正式文書化します。少なくとも、勇者パーティー側が一方的に『アレン様が職務放棄した』とは言えないようにします」
ガレスが頷いた。
「俺も証言する」
ミラも続く。
「私も」
リーナも静かに言った。
「私もします」
マリナは三人を見た。
「よろしいのですか。これはカイル様の主張と対立することになります」
ミラは少し笑った。
痛みの混じる笑いだった。
「もうとっくに対立してるわよ」
ガレスも頷く。
「今度こそ、アレンに押しつけるわけにはいかねぇ」
リーナは胸元の聖印を握った。
「私は、今度こそ黙りません」
マリナは小さく頭を下げた。
「ありがとうございます。では、すぐに証言書を作成します」
会議室に、別の緊張が生まれた。
それは戦場へ向かう緊張ではない。
過去の間違いを、これ以上広げないための緊張だった。
◇
一方その頃。
王都の大通りでは、すでに噂が広まり始めていた。
「聞いたか? 勇者パーティー、活動制限だってよ」
「まさか。勇者様だぞ」
「でも、灰の小砦で敗走したって話は本当らしい」
「アレンって付与術師を追放してからだろ?」
「ああ、あの地味な人か。いつも荷物持ってた」
「地味だけど、実はすごかったんじゃないか?」
「追放された付与術師が本当の要だったってことかよ」
冒険者たちは、酒場で面白がるように囁いた。
商人たちは、もう少し現実的に考えた。
「そのアレンという男、今どこにいるんだ」
「東の辺境らしい」
「辺境で水や薬草の噂もあるとか」
「もし本当なら、商売になるかもしれんな」
噂は、いくつもの顔を持って広がっていく。
嘲笑。
好奇心。
計算。
羨望。
そして、欲。
その中には、当然ながら善意ばかりではないものも混じっていた。
◇
王都騎士団の訓練場では、午後の剣術稽古が行われていた。
若い騎士たちが木剣を打ち合わせ、教官の怒声が飛ぶ。
その端に、カイルは立っていた。
声をかけられた若い騎士は、最初驚き、すぐに目を輝かせた。
「カイル様! わざわざ訓練場へお越しとは」
「少し相談がある」
「私でよろしければ、何なりと」
騎士の名はダリオ。
王国騎士団の若手だが、勇者カイルに強い憧れを持っている。かつて魔物討伐の合同任務でカイルと同行したことがあり、それ以来、彼を英雄のように見ていた。
カイルは訓練場の隅に移動し、低い声で言った。
「勇者パーティーに必要な支援役が、現在、辺境村に滞在している」
「支援役、ですか」
「ああ。付与術師のアレンだ」
「聞いたことがあります。確か、勇者パーティーにいた地味な術師では」
地味。
その言葉を聞いて、カイルは少しだけ眉を動かした。
以前なら、その通りだと言っただろう。
今は、なぜか引っかかった。
だが、すぐに飲み込む。
「そのアレンの付与が、想定以上に重要だった可能性がある」
「なるほど。ならば呼び戻せばよいのでは?」
「本人が拒んでいる」
ダリオは驚いた顔をした。
「勇者パーティーへの復帰を、ですか?」
「ああ」
「信じられません。名誉ある立場を」
「そうだろう」
カイルは、その反応に少し安心した。
これが普通だ。
勇者パーティーに戻れる。
それを拒む方がおかしい。
あの村の者たちや、ミラたちがおかしいのだ。
「だが、アレンの力は勇者パーティーだけでなく王国にも必要だ。個人のわがままで眠らせておくべきではない」
ダリオは真剣な顔になった。
「つまり、王国として正式に協力要請を出すべきだと」
「そうだ」
「なるほど……確かに、魔王軍との戦いを考えれば、重要な支援能力を持つ者は王国の保護下に置くべきかもしれません」
保護。
都合のいい言葉だった。
カイルは頷く。
「俺はアレンを罰したいわけではない。あいつの力を、正しい場所で使わせたいだけだ」
「カイル様はお優しい」
「……」
優しい。
その言葉に、カイルは一瞬だけ違和感を覚えた。
だが、ダリオは本気でそう思っている顔だった。
「私から上官へ話を通してみます。もっとも、正式命令となるには手続きが必要ですが」
「急いでくれ」
「承知しました」
ダリオは胸に手を当てて頭を下げた。
カイルは訓練場を後にする。
その背中には、まだ勇者としての誇りがあった。
しかし、その誇りは今、まっすぐな剣ではなく、ひびの入った盾のように彼自身を守るだけのものになりつつあった。
◇
その頃、リーフェル村では、アレンが棚を作っていた。
自分の家の壁際に置く、薬草用の棚だ。
村の古い木材をもらい、寸法を測り、釘を打つ。
ただそれだけの作業である。
ただそれだけのはずだった。
「師匠」
「うん」
「その棚、防虫、防湿、防腐の効果が出ています」
「薬草用だから、ちょうどいいな」
「さらに、収納した薬草の品質を一定に保つ付与も確認できます」
「便利だな」
「そして、近くに置いた水が少し清浄化しています」
「棚なのに?」
「棚なのに、です」
シルフィは羊皮紙に書き込みながら、深くため息をついた。
「師匠の作る生活用品は、危険です」
「生活用品なのに危険なのか」
「便利すぎるという意味で危険です」
ぷる太が棚の下に入り込み、ぷるぷると揺れた。
「ぷる太、そこ気に入ったのか?」
「ぷる」
「じゃあ下段はぷる太の休憩所にするか」
「師匠、薬草棚に守護獣休憩所を併設しないでください」
「駄目か」
「駄目ではありませんが、記録分類が難しくなります」
「分類の問題なんだ」
家の外から、ミナの声がした。
「アレンお兄ちゃーん! 水路の方で小さい花が咲いたよ!」
「今行く!」
俺が立ち上がろうとすると、シルフィがすっと前に出た。
「師匠」
「はい」
「休憩時間です」
「でも、花が」
「見に行くのは休憩後です」
「少しだけ」
「その少しだけで畑が増える可能性があります」
「畑が増える?」
「師匠ならあり得ます」
真顔で言われると反論に困る。
俺は椅子に座り直した。
「分かった。休む」
「よろしいです」
シルフィは満足そうに頷いた。
ぷる太も棚の下でぷるんと揺れる。
窓からは、午後の柔らかな光が入っていた。
遠くで村人たちの声がする。
畑。
井戸。
水路。
世界樹。
薬草棚。
やることは多い。
でも、王都の騒ぎなど、今の俺は何も知らなかった。
自分をめぐる噂が広がり始めていることも。
カイルが王国騎士団に接触したことも。
この平和な村へ、次の厄介ごとが近づいていることも。
俺はただ、椅子に座って薬草茶を飲んだ。
「うまいな」
「はい。今日は休む練習も順調です」
「練習扱いなんだな」
「はい」
シルフィが小さく笑う。
ぷる太が棚の下で眠る。
リーフェル村の午後は、穏やかだった。
少なくとも、今はまだ。




