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第12章:再定義(リワード)

――世界中の“コード保持者”たちに走る異変


 ユウトが**「能力の発現条件を書き換えた」**その瞬間、世界のコードネットワーク全体に信号が走った。


 ▶︎【旧定義】能力は先天的因子によって自動発現

 ▶︎【新定義】能力は“選択”によって発現・消去が可能


 それは、人類全員に“コード保持の自由”が与えられるという意味だった。



 「なんだこれ……体が熱い……!」

 「今まで何もなかったのに……手が、光ってる……!」


 “無能力者”だった者たちに、新たなコード構造が形成されていく。


 一方、“能力に頼り切っていた者”たちの中には、その力を喪失する者も現れ始めていた。


 「ちょっと待て……俺の能力が、発動しない!?」

 「コードが拒絶してる……!?どういうことだッ!」



――エリスたちの反応


 学園側に残っていた仲間たち――エリス、カイ、リオンらも、ユウトの“定義変更”の余波を感じ取っていた。


 「コードの振る舞いが変わった……!

 これ、ユウトがやったのよ……!」


 リオンが口元を歪めて笑う。


 「まったく、あいつはとんでもねぇことをしやがる」


 カイが後ろを見ながら言った。


 「でもこれは、“世界のリセット”じゃない。“選択肢を与える”ってだけだ。

 つまり、これからが本番ってことだ」



――コード管理機構・上層会議


 緊急非常会議が招集された。


 「ゼロコードが本来許されるはずの定義変更を行った……」

 「それも“全人類の能力体系”に対してだ。被害規模は計測不能」


 管理機構の長官・イゼル=グレイフは、口元をぴくりと動かす。


 「……コード体系に従う秩序は、これで終わった」

 「ならば我々は、秩序そのものを再構築する」


 彼が命じたのは、最後の手段。


 > 【《神律兵装・レガリア》起動許可】



――“レガリア”とは?


 それは、コード理論の極限で開発された“力そのものの具現体”。

 ユウトのゼロコードとは逆方向の、“支配・強制・絶対”を司る最終兵装。


 《選択する世界》に対し、《服従を強いる存在》として対抗するために生み出された。


 「ユウト=カミシロ。ゼロコード。人類の可能性。

 だが、理想を語るにはこの世界はあまりに“残酷”だ」


 イゼルは静かに立ち上がった。


 「ここから先は、選択ではなく――裁きだ」



――再定義された世界の分裂


 能力を得た“元・無能力者”と、能力を失った“旧・支配者層”。


 “自分の意志で能力を選び直す者”と、“拒絶して従来の力に固執する者”。


 世界は、少しずつ揺れ始めていた。



――最後の静寂


 ユウトは、ゼロフィールドの中心に座り、崩れかけた構造式を手直ししていた。


 そこへ、エリスたちが到着する。


 「やっと追いついた……! 無事だったのね!」


 ユウトは立ち上がって微笑んだ。


 「……うん。まだ終わってないけどね。

 “誰もが力を選べる”ってことは――“誰もが戦える”ってことだから」


 その時、彼の視界に赤い警告文字が浮かぶ。


 ▶︎【レガリア:完全展開まで残り6時間】


 そして、その兵装がもたらす“次の災厄”が目前に迫っている。

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