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メイドが本体!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第二章 一学年春期! 僕の婚約者メイドはどこへ消えた?!
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第116話 研究会は外出中!

「なんだこの張り紙は」


 アンヌさんがまじまじと、

 七英傑研究会の部室入口に張られた紙を見ている。


『第四闘技場で実施研究中! 今日明日は戻りません』


 実施研究、かあ。


「どうする御主人様、聞いて行ってみるか」

「うーん、先にメイドバトル研究会を覗いてみましょう」

「んふううぅぅぅ~~~、あちらですうううぅぅぅ~~~」


 隣りか、と見るとそちらも……


『メイドバトル訓練中 見学者は第五闘技場まで』


 そんなに闘技場があるのか。


「ええっと、この闘技場というのは」

「それはですねぇ~~、王都のあちこちにあるんですよぉ~」

「遠いんですか?」「このふたつはぁ~~、学院の近くですねぇ~~~」


 これはアレか、

 学院のグラウンドなり闘技場なりが使えないから、

 代わりに普通の一般施設を借りてやっているってことか。


「んー、建設中のテスト施設も粗方見終わったし、

 見るだけ観に行ってみましょうかアンヌさん、ナンスィーちゃん」

「ああ、いざとなったら私が闘おう」「そのときはぁ~、わたぁしぃが解説を~~~」


 こうして部活棟を……


「♪あ モッコス将軍 モッコス将軍 ♪モッコス将軍 で~てお~~いで~~~♪」


 なんだか怪しい宴の声が更に奥の部室から聞こえてきたが、

 邪魔しちゃ悪いな、気付かれないように離れよう……と脱出した、

 学院の案内板を見るとあちこちの門がどこ行きか描かれているようだ。


「ふむ、東門の先が第四、第五闘技場だな」

「アンヌさんの頃は無かったんですか? あっ」

「私の祖母の時代にもあったはずだが、あまり憶えていない」


 そうそう設定を忘れちゃいけない。


「もともとはぁ~~、とぉ~~ぎ大会の予選で使われるぅ~~」

「あっ、やっぱりそういうのあるんだ、って今年の優勝は誰々って聞こえてきた事ある」

「何ならメイドバトル以外にも出てやってもいいぞ」「うーん、反則な気が」「ハンディがあるだろう」


 そういえば今の変身、リボン、眼鏡で、

 本来の力の10%も出てないんだけ確か、

 それを解かないって限定だったら……まあ良いかな。


(にしても、王都って本当に賑やかだなぁ)


 教会もあれば武器屋もある、

 ナンスィーちゃんの三十三節棍は置いてあるのかな?

 なんて見ている暇は無いな、と小さい闘技場へ……あったあった。


「見事に隣り合っているな、御主人様、どっちへ」

「ええっと、まず最初は七英傑研究会の方だから……」

「だいよんですねぇ~~~、あっちですぅ~~、ほらぁ~~」


 入口ではチェックされるが、

 学院の新しい生徒という事を説明すれば入れてくれた。


(まあ、見た感じでね)


 入ると屋外闘技ステージでは、

 すでにメイドとメイドが手合せをしていた、

 ただ、どこの派閥かはわからない、よく知らないメイド服だ。


「やあ、君は見学者かな?」

「はい、今年度から入学するダルマシオ=ダクリュセックです」

「ほうダクリュセック家の、直系かな?」「はい、一応は」「それは興味深い」


 声をかけてきた先輩、

 握手を求めて来たので僕もそれに応える。


「ぼくは三年になるヒューカン=パッカーだ」

「パッカー先輩、それで七英雄研究会というのは」

「七英雄の戦い方を学び、それに対応する研究会さ」


 それだけ七英傑が好きなのか。


「ええっと、他の部員の皆さんは」

「今日はぼく以外は五人だね、それぞれ自分のメイドを戦わせているところさ」

「それで研究を」「七英傑と闘うにはどうすれば良いかっていうのをね」「あっ」


 と、いうことは……!!


「皆さんは、その、ジェス派の方々ですか」

「対七英傑だからそうだね、とはいえ別にこの学院で敵対するつもりは無いよ」

「ほ、本当に?!」「もちろんメイドバトルでは多少、関係するかもだけれどそれは仕方ないし」


 あーこれ、

 場違いな所に来ちゃったかな。


「えっとそれじゃあ僕は」

「大丈夫さ、ジェレミアスシス派しか入れないって事は無い、

 せめて入部テストだけでも受けて行ってみては」「はあ」「もちろんメイドバトルだ」


 ……やるだけやってみて、

 入る入らないはまた別の話っていうか、

 権利だけ貰って入部しないって手もあるか。


「受かったら入部必須、とか無いですよね」

「もちろん! ダクリュセック派のメイドと闘えるのはぼくらとしてもありがたいよ」

「でも、いま連れてきているメイドは」「御主人様、ここは代表して私が」「アンヌさん……」


 もう、やる気満々だ。


「条件はこっちのメイド七人と順番に戦って、

 そちらが勝ち越せば入部を認めるんだけど、他のメイドも連れてくるかい?」

「ええっとナンスィーちゃんはこんなだから」「御主人様、私だけで問題はまったくありません」


 ひとりで四勝する気で居るよ。


「先輩、途中で翌日持越しは可能ですか?」

「んー、まあ様子を見て考えてあげよう!」

「ありがとうございます、じゃあアンヌさん」「はい御主人様」


 こうして僕は、

 反国王派の巣くう?

 七英傑研究会の入部テストを受けるのであった。


(いや、闘うのはアンヌさんだけれども!)


 準備もそこそこだな。


「ではああぁぁ~~、わたくしめが解説を~~~」

「うんナンスィーちゃん、メイドバトルが始まったら眼鏡かけてね」

「そのときだけは~~~、おまかせあれえええ~~~!!!」


 さてさて、

 どうなることやら。


(ちょっと楽しみな、僕が居る!!)


 まだ学院生活は、

 始まってもいないのにな。

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