プロローグ
今日の嵩宮高校探偵部は平和そのもので、会話に花が咲いたりしていた。
「それでね。この間駅前にできた洋菓子屋さんのショートケーキが美味しいの。何て言うか、こう――」
と、ショートケーキの美味しさについて語りだしたのが、長くて綺麗な黒髪と、ピョコンと可愛らしく飛び出た二本のアホ毛が特徴的なこの部で一番偉い人、篠原夏海所長。二年生。
なぜ、部なのに所長としたかというと彼女がそう呼べと言ったからだ。
所長曰く、ここは部じゃなくて『事務所』らしい。
俺にはよく解らんが……。
「そうなんですか? 今度買ってみます」
と今、所長のセールストークに見事はまったのが俺の幼馴染で同級生の如月弥生。
肩口までの髪にカチューシャという実にシンプルな髪型と幼い顔立ちが特徴だ。
そして、楽しそうに話をしている二人のすぐ横で会話にまじわらずに、ただボーッとしているのが俺……荒谷龍成。
甘い物が嫌いで苦いものが好き。でもミルクココアが好きで青汁が嫌いな一年生だ。
なんで俺が探偵部なんて変わった部に入ったのかというと……まぁ、簡単に言えば成り行きで入っちゃた――って感じ。
でもそれだけで終わったら俺も暇なままなんで、時間潰しの為にちょっとばかり説明させてくれ。
それは丁度一週間前のこと――
ここまで読んでくれた人どれだけいるんでしょうか……。
はじめまして。鰯瑞と申します。
これから宜しくお願いします。




