表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フットボールのギフト ~底辺Jリーガーの俺がフットボールの神様からもらったご褒美とは~  作者: 相沢孝
第十一章 飛躍のリバプール2年目編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

876/898

CLセミファイナル(マドリーvsシティー)その5

「残り5分で2点差かー」とカップのアイス(チョコ)を食べながら南君。


「流石に終わったかな」と同じくカップのアイス(バニラ)を食べながら司。


 今のシティーの状態を考えればそれも致し方ない。とカップのアイス(ストロベリー)を食べながら俺は思った。


「ってか、ここまで点取られないだけでもすごいのねー」と感嘆したようにジョッキのラッシー(2杯目)を飲みながら拓郎。


 確かに今の2本のグーリッシュのシュート。どちらかが入ってもおかしくは無かった。どっちが入ってもその時点でゲームオーバー。もっとも残り時間のことを考えれば既に結果は見えてるといっても過言では無い。


 すると奇妙な事が起こった。


 今の今まで好戦的に戦っていたシティーの選手達が自軍に残ったままなのだ。


「おやっ珍しい、ショートコーナー?」


「ってか、ゴール前にシティーの選手いないのねー」


 何度かボールパス交換の後、カンセコがマドリーゴールに向かってクロスを上げる。


「あっ、クロス入れた」


「でも、誰もいないぜ?」


 状況から鑑みてそれはマドリーへのプレゼントパスだった。そして当然の如くクロトラがキャッチ。


「あれっ、なんか既視感が……」どっかのロストフで見たような気が……しないでもないって、流石に気のせいだよな。


「でも、攻めるのか守るのかどっちつかずだな」と司。


 ――その2分後、


「うわっ、点入りよったで」 


「えっ、誰?ロドリオか?」


「時計は……89分」


 なんてことないカムビンゴからのクロスをベムゼマがダイレクトで折り返しロドリオが詰めた。


 まるで、シティーの選手達が一瞬、エアポケットに落ちたかのような呆気ない失点の仕方だった。


「そんなすげープレーだったか、今の?」


 俺にとっては、どこでも見られるようなありきたりのプレーに見えた。


 この程度の攻撃で、とてもあの鍛え上げられたシティーが失点するとは思えない。


 と、その時、「やっぱりな……」と司。


「なんだよ、やっぱりって」


「いや、この試合、ずーっとカンセコのハイボールの処理が怪しかったんだよ。さっきのもそうだったし」


「……えっ、そうだったか?」


「まあ、それまではヴィルについてたのはウォークンだったしな」


 確かにウォークンはヴィルを完璧に抑えてた。


「いや、てっきりウォークン下げてジムチェンコ入れた時、カンセコも下げるのかと思ったんだが右に移動させてそのまんまだったろ」


「うん」


「その後も、FWのジェズズ入れたりMFのフェルナンド入れたりはしてたんだけど……」


「そうそう」


「でも、DFは手つかずだったろ」


「……たしかに」


「って、おい、試合再開するぞ」


「おっ、おう」


 その時点で俺達はさすがに白い巨人がシティーに対して一矢報いた程度にしか思わなかった。


 だが、そのわずか80秒後……


「ロドリオヘディング決まったー。たったの2分でドッペルバーック。アールマドリー同点だー!!」と絶叫するアナウンサー。


「はぁ?これも入ったんか!?」


「こんな何の変哲もないクロスで!?」


「えっ、えっ、同点、でもアウェイゴールあるから」


「アホかっ!!今季からアウェイゴールは無くなっただろ」


「あっ、そだったそだった」


 たったの2分経たない内にマドリーが同点に追い付いちまった。


 えっと、まだよく状況が整理出来て無い。


「ってか、シティーのクロス対応ぐだぐだじゃねーか」


「へっ、これわざと今まで打たなかったの」


「んなわけねーだろ!!」


 画面を見るとそこには完全にパニックに陥ったシティーの選手達が……


「ラインも揃ってねーわ、ボールにもアプローチ行けねーわ何やってんだこいつら?」と司もあきれ顔。


 いったんボールを落ち着かせようとキーパーのエメルトンに戻すも、その意図が分からなかったのか、エメルトンはマドリー陣内に向かって大きく蹴り出すもラインを割る始末。


「一体何やりたいんだよ!?」


「今は、ボール落ち着かせる時やで」


 するとそれをカルバドスがクレバーに素早いリスタートでスローインすると、シティーの選手達は対応出来ず左サイドを駆け上がっていたベムゼマに通る。


 シティーのディフェンスはスッカスカだ。


「あーあーあーあー」


 ベムゼマは楽々PA内まで持ち込むとゴール前に走り込むロドリオにラストパス。


「あーあーあーあー」


 ベムゼマからのスルーパスに素早く反応するロドリオ。ハットトリック待った無し!!


「こりゃ、アカーン!!」


 ロドリオ倒れ込みながらシュートー!!


 だが、エメルトン意地のクリアー!!


 シュートを枠にしっかりと入れるもここはエメルトンに軍配が上がる。


 もし入ってたらCL史上最短のハットトリック間違い無しだ。(ロドリオの1点目から、ここまで2分30秒)


「今のも入ってておかしく無かったのねー」


「いやー、あと5cm高かったら肩口抜かれてんじゃん」


「あっぶな」


 どうにかシティーはCKに逃げる。


 するとマドリーはショートコーナーからクロスを入れるもここはエメルトンがどうにかキャッチ。


 だが、「ふぅー」と一息付く間も無くボールを全く保持出来なくなったシティーは自軍深くでボールをあっさり失うとマドリーは狂ったようにクロスを入れ始める。


 そりゃ、こんな穴があっただなんてリーグ戦で散々戦ったことのある俺達だってまったく気付かなかった。


「カンセコの右ってこんなにヤバかったのか?」


「いや、わからん、今日だけかも知らんし、たまたまだったのかも……」と流石の上司も理解不能。


 まるで大雨で溜まりに溜まったダムが決壊したかのようなマドリーの攻撃。シティーのディフェンスなすすべ無し。


 シティーの守備が決壊したダムならば、マドリーの攻撃は下流を襲う鉄砲水だ。(ですよねっ!室田さん!ダムダム!!)


 だが、この状況でもシティーの選手の何人かはゴール前に戻っておらず前線でボールを待ち続けている。


 おいっ、グーリッシュ、今はゴール前に戻んないとホント三点目取られるぞ?


 しかし冷静でなかったのはマドリーも同じ。


 思いっクソ前掛になったマドリーの選手達の裏にジムチェンコが大きくボールを蹴り出すと、何と前線に張っていた一ファルドンに一髪で通っちまった。


 えっ、何?マドリーの守備もすっかすかじゃん。グーリッシュはこれが見えてたのか?


 フェルナンドとのワンツーであっさりマドリーゴール前までボールを持ち運ぶファルドン。そこにベルモンドが走り込む。


「今度はシティーの反撃、ベルモンドいったかー!!」と絶叫のアナウンサー。


 だが、ここはマドリーのDFに引っ掛かる。残念。


 しかしセカンドボールをグーリッシュが拾うとドフリーのフェルナンドにパス。


 相変わらずマドリーの選手達は戻り切れてない。もしかして今がチャンス!?


 フェルナンドは強引に突破しようと試みるもカムビンゴが足を引っ掛けてしまい倒してしまった。


 笛が吹かれるマドリーゴール前23m。


「おお、今度はシティーのチャンスか!?」と食い入るように画面を見る司。


と、その時だった。


「「ナニィー!?」」(byキャプツバ)


 なんとここで、ゴール前でFKを得たフェルナンドがクイックリスタート!


 反応出来ないマドリーDF陣を尻目にゴール前ドフリーで立っていたファルドンにパスが通る。


 マドリーの一瞬の隙を突くフェルナンドのトリックプレー。


 結局最後に勝つのはシティーなんかい!!


 が、しかし、ボールは無情にも枠から逸れていった。


「「あ~~」」


 シティー千載一遇のチャンスを物に出来ず。


 思わずため息が湧き上がるサンチャゴベルナベウ。


 クルトラも全く反応出来て無かったから枠に行ってたら決勝点になってたはず。


 しかし一方のファルドンも疲労のピークに達していたのか踏ん張りが効かずにキックが流れてしまったのだ。


「今のは入ってておかしくなかったで!!」


「今の外したのは痛すぎだな」


 入ってれば今度こそこれが決勝のゴールだった。


 極めてオープンな戦いになったUEFA(ウエファー) CL(チャンピオンズリーグ) セミファイナル アールマドリー vs マクレクター・シティー。


 オラ、なんだか、ワクワクしてきたぞ!


「もうどっちが勝つのか」


「全く分かりません!!」


「というわけで、おかわりっ!!」


「ハイなのだー」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ