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フットボールのギフト ~底辺Jリーガーの俺がフットボールの神様からもらったご褒美とは~  作者: 相沢孝
第十一章 飛躍のリバプール2年目編

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CLセミファイナル(マドリーvsシティー)その4

 というわけで、おかわりは「俺はロースカツにチーズと温野菜のトッピングで」と、どこまでも無難な上司。


 まあ、コイツがあんまし奇抜なものを頼むところを見たことはないんだけどな。


 ちなみに俺はチキン煮込みにパリパリチキン、ナスにほうれん草を追加オーダー。優斗リスペクト。


 南君は海の幸にイカリングを乗っけ、またまた追加でクリームコロッケ(カニ入り)。


 そして優斗は拓郎に触発されてか、納豆にスクランブルエッグ、仕上げに旨辛ニンニクで拓郎リスペクト。


 拓郎は一人アイスを食べている。


 そんな感じで、とりあえずみんな急いでかっこんいるうちに後半開始のホイッスルが吹かれた。急げっ!!


 すると、キックオフ直後からマドリーの猛攻が始まる。


「うぉおお、惜っしいー!!」とご飯つぶを吹き飛ばしながら優斗。きたねーなー、オイ!


 後コンマ何秒、ヴィルシウスが詰めるのが早ければ間違いなく1点モノのプレーだった。 


「えっ、なになに、何があったの?」と南君。


「なんか、マドリーのすんごいサインプレーがあったのねー」と拓郎には珍しく食べるのも忘れて口を開けてポカーン。


「一体なにがあったんだ司?」とこういう時には上司に聞くのが一番。


 すると司は手元に置いていたタブレットでタイムシフト再生。


「えーっと、モドリットが14番のマミゼイロにボールを落とし、前線に行く振りをしてリターン。マークを剥がしたモドリットがボール受け取り8番のクルートに落とすとクルートはそのままダイレクトで右サイドを上がっていたカルバドスにロングパス。ピンポイントで受け取ったカルバドスがそのままゴール前にクロス。ベムゼマがシティーDFをニアに引っ張って大外から走り込んだヴィルシウスがシュート。ちなみにここまで全部ダイレクトな」


「はへー、すんごいプレー見せてきたなー」と優斗。


「何、これ、もしかしてサインプレイ?」と南君。 


「コレってアレか?ハーフタイム中に決めてたんか?」と俺。


「おいっ、お前ら知らねーのか?これ、3月にマドリーがPSJ戦のキックオフ直後にやったアレだよ。まあ、あん時よりは精度上げてきたけどな」


「いや、知らんがな」


「もともとは去年の12月の、フルハムvsポーンマス戦での、後半キックオフと同時にポーンマスがサインプレーを仕掛けて電光石火でゴールを奪ったアレのアレンジだよ」


「って、お前、2部の試合もチェックしてんのかよ」


 ちなみにフルハムもポーンマスも今季はチャンピオンシップ(2部)所属だ。


「当然だろ。ってか、これはニュースでもやってただろ」


「あー、そういやなんか見た覚えが……」


 すると司はタブレットをスルスルと動かし、フルハム vs ポーンマス戦の動画を出した。(※2)


「あー、見たな、コレ」


「って、これすぐ思い出せる司君も凄いのね」


「いや、最近マドリー、これ、ちょくちょくやって来るぞ。ってか次、マドリーと当たるんだから間違っても決められんなよ」


「「……ラジャー!!」」と俺と拓郎。


 見ると画面では、余裕からかベムゼマが苦笑い。きっと、「俺が囮になってやったんだから決めとけよ」とでも思ってるのだろう。


 すると、後半開始と同時に一気に攻勢を強めて来たアールマドリー。


 そういやマドリーって今負けてたんだよな。


 その後もシティーのゴールを何度も脅かすも最後のところで決め切れない。


 だが後半の10分を過ぎても相変わらず攻撃の手を緩めないマドリー。


 ゲームは凌ぐシティーと押すマドリーといった様相を呈して来た。


「ところでパリパリチキンって美味しいよな」と俺。


「ほうれん草との組み合わせがなかなかいい味だしとるやろ」と優斗。


 すると60分を過ぎた辺りからマドリーの足が止まって来た。


「こうなってくると厳しいな」


 天秤の針がゆっくりと傾くように徐々にだが確実に流れがシティーの方にいき始める。


 68分マドリーはクルートを下げロドリオを入れると中盤をすっとばしヴァル目掛けて縦一本を放り込む作戦に切り替えた。


 だがついてないことに今日はどう見てもヴィルの日ではない。


 アタリの日なら手が付けられないカナリアの若きアタッカーは今日はシティーのCBデアスとSBのウォークンに完璧に封じ込まれている。


 ところが後半の70分ウォークンとヴィルシウスが接触。これにより今日ヴィルを完璧に抑えていたウォークンが故障で離脱。代わりにジムチャンコが入る。


 それと同時に今日動きが重かったレブライネも下げギュンドンを入れる。


「これでマドリーに再び流れが変わるか?」


「うーん、カンセコ右にしたのか」


「左のままの方がよかったってか?」


「いや、ジムチャンコだったら左でいいんだけど、今日のカンセコさぁー……」


 と、その時だった。交代で入ったジムチャンコがギュンドンに繋いでそこからベルモンドにパスが入るとそのままスルスルと持ち上がりマドリーのPA内に侵入。


「おいおいおいおい」


 するとそこから空いていた右のスペースにラストパス。そこにグーリッシュが走り込んで来た。


「なんでグーリッシュ、ドフリーやねん!!」


「シュートー!打ったー!入ったー!」とWAOWAO(ワォワォ)のアナウンサーが絶叫する。


「うおー、グーリッシュの野郎クルトラのニア上ぶち抜きやがった!!」


「やっぱ持ってんのかなー、アイツ……ヤダヤダ」


 これはカルセロさん、やっちゃったかな?


 トップのホーランドに引っ張られてグーリッシュのマークを外したらそのグーリッシュにまんまとやられてしまったカルセロさん。うん、ドンマイ。


「うわー、こりゃ、決まったか?」


「後半の72分、残り20分そこそこで2点差かー、マドリー厳しいなー」


 あー、ここでカルセロさんお役御免。お疲れさまでした!!


 そしてそのまま左サイドには背番号23番のマンディーが入る。


 すると珍しく監督のカルロがテクニカルエリアまで出て指示を飛ばす。


「珍しいな、カルロ・アルベルティーニがここまで出て来るなんて」


「そりゃ、残り20分そこそこで2点差なんだからカルロのケツにだって火は付くさ」


「「たしかにっ!!」」


 その後、モドリッドの替わりに入ったカムビンゴがゲームを組み立てる


「しかし相変わらずシティーも前線からのプレスを止めないなー」


「もしかして2点目狙ってんのやろうか?」


「うーん、マドリー相手に下手に引いたらやられるからか?」


「まあ、試合展開は五分五分だから敢えて相手にボールを持たせなくても……って考えなのかもな」


 だが、80分を過ぎる辺りからシティーも前線からのプレスは止めて中盤にブロックを敷き始めた。


「さすがにシティーも足は止まって来たか。まあ、グアルディオルさんの筋書き通りってとこだろ」


「相変わらずベムゼマはオフサイドに引っ掛かるなー」


「シティーのラインコントロールが巧みなんだろ。タクミナダケニね(ドヤ)」


「どうするこれ?」


 しかし、シティーも好戦的やで。ボール取るなりすぐ攻撃に切り替える。


 ここら辺はグアルディオルさんの哲学なのかもな。


 85分を過ぎて「もう時間が無い」という事で一気にプレスを掛けてきた白い巨人


 しかしそれを躱してシティーのカウンターが炸裂する。


「うおー、グーリッシュ、この時間でもキレキレやん」


「おお、完璧にカルバドスの裏取ったいけるかっ!!」


「クルトラも抜いたー、いったかー!!」


「うおー、おっしいー、入らんのかいっ!!」


 グーリッシュがクルトラまで抜いて角度の無いところからシュートを打つも後もうちょいのところでDFがクリア。


「えっ、これ、ゴールライン割ってないか?」


「割ってない!!」


「線上だ線上」


「際どいー」


「点取る気まんまんだな」


 マドリーはどうにかボールをクリアするも、すぐさまシティーボールとなり返す刀でブルースの攻撃が続く。


 でも、あなた方別に青と臙脂のチームではないのですぞ!?


 ボールはあっという間にマドリーのPA内に持ち込まれると、そこからグーリッシュ渾身の切り返しが炸裂。


「DF完全においてかれたー」


「うおー、じぇじぇじぇー」


「グーリッシュのシュートー!!」


「枠逸れたー!!」


「って、それも入らんのかーーいっ!!」


「惜しいー。ボール一つ分」


「ってアレ……これ、クルトラ足で触ってんの」


「触ってんじゃん」


「マジかー」


「マジだー」


「触ってなかったら枠いってんじゃん」


「マジクルトラ半端無い」


 ようやくボールが切れてプレーが止まるも、相変わらずシティーのCKとなる。(続く)

※2、youtubeの検索画面で、『ボーンマスvsフラム 2021』で検索すると『SENSATIONAL goal straight from kick off』の名前の動画が出てきますぞ。例のシーンは0分38秒から。

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