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フットボールのギフト ~底辺Jリーガーの俺がフットボールの神様からもらったご褒美とは~  作者: 相沢孝
第十一章 飛躍のリバプール2年目編

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vsマクレクターC戦 その8

「クソがーっ!!」


 ファルドンのゴールに誰よりも早く反応したのは司。


 なぜなら、ファルドンのマークは司だったからだ。


 グーリッシュが抜け出したあの瞬間、この試合消えていたファルドンのマークを外し、グーリッシュのシュートコースを切ろうとゴール前に走り込んだ司の裏を完璧にかかれたのだ。


 時計を見ると後半の76分。アディショナルタイムを合わせて残り20分有るかないか。


 もしここで、この試合、このままシティーの勝ちで終わってしまったら、今季のリーグ優勝の望みは果てしなく低くなる。


 この状況で勝点4差まで広げられたら、今のシティーの出来なら今シーズンこれでジ・エンドだ。


 残り20分で2点、いや、今のシティーのパフォーマンスならせいぜい良くて1点。ともかく点を取らなければ今シーズンのリーグ優勝はほぼノーチャンスになってしまう。


 ここに来てCLもFA杯も、あれもこれもと欲張ってしまったツケが来てしまったのか。


 ベンチに下がってしまったマネラさんとジョコちゃんをつい目で追ってしまった。


 いや、そんな考えをしてしまった時点で勝ち目はないのだ。


 俺達の目標はシーズン4冠。全てを総取り。それ以外の選択肢は最初から無い。


 すると、「大丈夫ね、僕にボールを集めて。絶対に点を取って見せるから」とかつてないまでに鋭い眼光になるモーさん。


「ほな、しゃーない。1点はモーさんに任せるわ。でも逆転の1点は僕がもらうわ」と優斗。


 そして、「じゃあ、俺はダメ押しの4点目な」と南君。


「当然だ。このまま終わらせるわけねーだろ」と目がガン決まりになった司。


「じゃあ、僕もヘディングで1点取るのねー」と拓郎。


 こうなった時のウチ(リバプール)は強い。


 残り時間20分少々か。このまま終わらせる訳にはいかないんでね。


 ベンチを見るとクラップ監督が声を上げて「絶対に点を取って来いと」体全体を使って指示を飛ばしている。


 シティーの選手達もそれを十分に分かっているのか、既に各々のポジションに戻り俺達を睨みつけている。


 上等だ、The Blues(ブルーズ)よ、The Reds(レッズ)の底力って奴を目にもの見せてやるぜ。


 試合はウチ(リバプール)のキックオフで再開した。


 直後、怒涛の攻撃で襲い掛かる我が軍(リバプール)


 モーさん、南君、優斗のシュートが次々とシティーのゴールに襲い掛かる。


 だが、シティーも覚悟をしていたのか、試合再開早々にゴール前に5-5のブロックを敷き、完璧に守りに入る。


 ならば上等が、こっからどちらが先に顔を上げるかの我慢比べた。

 

 すると、5-5のブロックの間に優斗は動き回り、ウチ(リバプール)の攻撃にリズムを付ける。


 シーズン当初、優斗の武器であるスティンガー(トゥーキック)のタイミングが合わないとFW陣からリクエストが入りこれまで封印していたが、ここに来てようやくリバプールの選手達も慣れて来て試合で使えるようになってきたのだ。


 その上、今日の試合ではトレーニングパートナーでもある南君も同じピッチの上に立っている。これまではカップ戦などの格下の相手では同じ試合に出てコンビを組んだこともある二人だが、共に控えという立場上、今日は初のリーグ戦でのコンビを組むことになった。


 優斗の独特の間を誰よりも熟知している南君とのコンビで、『浪速のガウショ』がアンフィールドのピッチの上で躍動する。


 ポジション的には南君(主に偽9番)がトップで優斗が左W。だが二人共各々のポジションに縛られることなく変幻自在にポジションチェンジを繰り返している。


 ゲームが再開してからほぼ10分。ウチ(リバプール)のターンで試合が続いていた後半の87分だった。


 リパプールの左サイドで優斗が必殺の形でボールを持つ。


 それに合わせて司がオーバーラップ。シティーの選手を1枚剥がしてPA内で1対1の場面をお膳立て。


 さあ、行け、優斗。


 シティーPA内左45度。そこから優斗必殺のエラシコが炸裂。


 初見のエラシコにシティーの右SBウォークン全くついて来れず。


 キーパーエメルトンと1対1。


「行っちまえ優斗ー!!」


 優斗渾身の幻の左が炸裂。


 しかし僅かにコースがズレてしまったのか、ゴールポストの内側に掠った優斗のシュートはコースを変えてエメルトンの側頭部にジャストミートすると、ボールはそのまま大きく跳ね返る。


 そこから両軍入り乱れての『大乱闘スマッシュブラザース状態』となり、最後は俺が渾身のスカッドを放つもカンセコの体に当たってCKとなった。ぐぬぬぬぬ~。


 ボールボーイからボールを受け取った司は俺とすれ違いざま「相変わらず詰め甘めーな」と捨て台詞を吐きながらウインクをする。


 クソがー…………って、アレ?


 えーっと、これって、もしかして……


 時計を見ると既に後半の90分。やべっ、この試合アディショナルタイム何分よ。


 見ると、司の野郎はさっさと、コーナーアークにボールを置く。


 ……やっぱこれってアレだよな。


 俺はもしものことを考え、グーリッシュのマークを外すのと、司のサインプレーを見逃したのを秤にかけ、後でどっちが怒られるかを一瞬で判断し、一か八かでグーリッシュのマークをほっぽらかして、司がいる左のコーナーアーク目掛けて一目散。


 すると、「ようやく来たか、このノロマ」と俺がドMだったら昇天間違いなしといった蔑んだ目で上司は出迎えて下さると、正確無比なショートコーナーが飛んで来た。


 ああ、やっぱし……と、一か八か司に掛けて走って行ってよかったと心の底から安堵しながら左足でフリック。


 見ると、シティーのゴール前は、拓郎に二人、ダンク師匠に二人と、ショートコーナに人数を割いている余裕は全く無しの状態で、俺からのフリックを受けた司は完璧ドフリーでシティーPA内左45度に侵入。


 そこは通称『デルピエーロゾーン』と言われる場所で……


 直後、北里司の右足から放たれたボールは美しい弧を描きながらアンフィールドの夜空に虹をかけると、マクレクターシティーのゴール右上の隅一点を打ち抜いた。



 EPLイングランド・プレミアリーグ第32節 リバプールSC vs マクレクター・Cの戦いは、後半の91分、北里司のゴールにより2-2となる。


 って、テメーは那須与一かよっ!

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