vsマクレクターC戦 その3
ウチが、ディフェンシブに戦ってくると分かると、アクセルを緩めて来るシティー。
どうやら、あちらさんもガソリンが無限にあるって訳ではなさそうだ。なんてったってこの後、中二日でシメオレさんのところと戦わなくてはならないんだからな。(しかも、シティーはアウェイ)
司の話ではあちらさんもカバラオ杯こそウチに取られたが、シーズン3冠はしっかりと狙っているらしい。
お互い限られた戦力で最大限の成果を狙うとなると、それなりのペース計算ってやつが必要となる。まぁ、試合開始直後のインテンシティーで来るのなら、前半の途中で足は止まってもおかしくないと思っていたが、そっちがそう来るのならこっちにもやりようってものがあるのだ。
ウチが5人のDFでボールを回し始めると、流石にシティーも高い位置からのプレスは掛けれなくなる。
すると、拓郎がその隙を狙ってスルスルと一段上(ボランチの位置)に上がると、アンカーの位置でゲームを作り始めたのだ。いわゆる偽CBって奴だ。
本家のグアルディオラさんがようやくお披露目し始めた戦術を、更に完成させた形で本家の前で見せつける形になる。ホントお前っていい性格してるよな、司。
ベンチの前でグアルティオルさんが険しい顔になっているのがここからでも見て取れる。
すぐさま拓郎にマークを付けるグアルディオルさん。流石に本家な事はあり、すぐに対応策を打って来た。
だが、司の考え出した『偽CB』は今風にいうと『偽CB2.0』という事になる。
拓郎にハーランドのマークが付くと、拓郎はハーランドを引き付けたままDFラインまで下がり、今度はその空いたスペースに司が入り込みゲームを組み立て始める。
もともと『偽サイドバック』が本職の司。これに関していえば、本家のグアルティオルさんには大変申し訳ないが、サッカー人生を二度やり直している分だけ、こちらの方に分があるのさ。
拓郎の『偽CB』と司の『偽SB』により、ボール支配率がいつの間にか逆転して、気が付けば、ウチ主導でゲームが進んでいく。
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すると、俄然勢いを増してくるのは、リバプールが誇る、『新フロント3』のマネラさん、ジョコちゃん、サルーさんの三人だ。
アフリカンネイションズカップからお戻りになられて、肌艶共にベストコンディションのマネラさんとサルーさん。そして、そこに冬移籍で入って来たジョコちゃんがいい味を出してくれる。
もともとのCFだったフェルミンさんが昨シーズンからの怪我のせいでなかなかコンディションが上がらない中、ポルトガルの若き新星がスッポリとそこに納まったのだ。
いうても、ジョコちゃん。ポルトガルと言えばどこかのクリロナさんと違って自己主張が強い方では無く、サルーさんマネラさんと言う個性の強いお二人に囲まれて、中々いい緩衝材みたくなっている。
守備もさぼらず、プレスも上手い。そして170cm台の身長にも拘わらずポストプレーもそつなくこなし、決定力まで持っている。極めて汎用性の高いFWなのだ。(そういう人に私も成りたかった。嗚呼、成りたかったなぁー。おいっ優斗、ちゃんと聞いてるのか!!)
そして時折見せる、スーペルピッポを彷彿とさせるゴール。一体ジョコちゃん、得点に全振りしたらどのくらいスコアを稼ぐのかそれはそれで結構気になる。ねえ、上司。
そんな感じで前半の20分過ぎから支配力を高めていった我が軍。
アリソンさんからのパスをプレッシャーが無いのをいいことにハーフウェーラインまで運ぶことに成功すると、あっさりサルーさんにボールが通る。いいんですかねー、そんなんで、おいっグーリッシュ。もうちょっとしっかりプレスしろよ!!
すると、二人に囲まれながらもサルーさん、最初の切り返しでグーリッシュを剥がすと、そこから電光石火のダブルタッチでカンセコも躱してあっという間にGKのエメルトンと一対一。
わーお、相変わらずキレッキレですね、モーさん尊い。
だが、流石に現役セレソンサブGKのエメルトン。伸ばした右足でモーさんのシュートに触ると、ボールはコースを僅かに変えてファー側のポスト直撃。(あー、おっしー!!)
だが、跳ね返ったボールには誰も反応することが出来ず、そのままコロコロとペナルティーエリアの外側まで転がっていく。
すると、そこに一陣のシロッコ(※3)が吹き抜けると、ディエゴ・ジョコ・テイシェラ・ダ・シルヴァが右足を振り抜く。
ボールはそのまま、糸を引くようにマクレスター・Cのゴールネットに突き刺さった。
EPL第32節 リバプールSC vs マクレクター・Cの戦いは、前半の25分、ディエゴ・ジョコ選手のゴールにより1-0となる。
※3、シロッコ(SCIROCCO)とは、春から夏に掛けて北アフリカから地中海沿岸地方に向かって吹く南風のこと。




