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フットボールのギフト ~底辺Jリーガーの俺がフットボールの神様からもらったご褒美とは~  作者: 相沢孝
第十一章 飛躍のリバプール2年目編

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カタールW杯アジア最終予選 Ⅱ その1

 2021年11月11日(ポッキーの日)



「まかせてなのねー」


 最近リバプール湾に生息地を移した八王子の鯱がベトナムのクロスボールを大きく弾き返すと同時に、試合終了を告げるホイッスルが鳴った。



 2022 FIFAワールドカップ・アジア3次予選グループB 第五節 ベトナム対日本の試合は0-1で日本の勝利となる。


 スコアだけ見れば、前半15分に伊藤さんが決めた虎の子の1点を守り切る形となったが、実際の試合内容は、3CBの真ん中に拓郎を置いて、主だった戦術と言えばハイボールのみのベトナムの攻撃を完封し、セーフティーファーストで日本が勝ち点3をゲットした試合だった。


 何度か決定的なカウンターを決め、その度にベトナムのゴールネットを揺らすも、不運としか言いようがないVARの介入でことごとくゴールを取り消された日本は、DFラインに入った司の提案で、「だったら、ベトナムにボールを持たせてゴール前でじっくりと待ち構えましょう」という作戦に切り替え、ケガ人を出すことも無く、無駄に体力を消耗させることも無く、無事に1-0で試合を締めくくったのだ。(だってこの後、中四日でアウェイのバーレーン戦なんですもの)


 アウェイでこういう戦い方を出来るようになったのも日本サッカーの成長とも言える。


 以前の日本代表ならば、後半終了間際にゴール前でロングボールを蹴られただけでおたおたと慌てるようなシーンを目の当たりにすることもあったが、今は昔。


 日本のゴール前にでんと立ちはだかった、富安君、拓郎、真矢さんの3CBがベトナムの攻撃を悉く弾き返し、あと100年は大丈夫な感じ。(それはさすがに言い過ぎか)


 とにかくもう、それはそれは無慈悲な感じで……逆に試合終了間際にはベトナムの選手の心をポッキリと折れるのが分かるような拓郎のえげつないヘディングだった。


 クリアボールがセンターサークル付近まで弾き返されるのを見て、つくづく味方でよかったなーと思う今日この頃。皆さんいかがお過ごしでしょうか。



 ――翌朝、



「おー、サウジとオーストラリア、引き分けか」


 そう言うと、優雅にソファーにくつろぎ新聞を広げる司。傍らには元フランスの植民地の名残か、カフェオレがなみなみと注がれたエルメスのカフェオレボウルにクロワッサンが置かれている。なんか鼻に付くぞ。


「中国とオマーンも引き分けなのねー」と既になみなみと継がれたカフェオレを飲み干し2杯目に突入している拓郎。


 おい、カフェオレってそういう風に飲むもんじゃねーぞ。それから、量が少ないからってクロワッサンの替わりにバケット丸ごと浸して食うな。ウェイターさんが引いてるじゃねーか。


「ほほーう、どれどれ」と司の広げた新聞に顔を覗かせるSAMURAI BLUE一同。


 今のところの順位はこんな感じ。


(カタールW杯アジア3次予選 第5節)

挿絵(By みてみん)



 昨日の勝利で日本はオマーンを躱して3位に上がった。一応これで4次予選に進出できるところまで来たが、俺達の目標はそこではない。


 幸いなことに、昨日の深夜に行われた首位対決、サウジアラビア対オーストラリアの試合が引き分けとなり、1位、2位の順位はそのままだが、2位のオーストラリアとは勝ち点1差。来週の木曜日行われるオマーン戦の結果次第で日本との順位が入れ替わる。


 今日はこの後、午前中にリカバリーを終えたらすぐにオマーンのマスカットに移動する予定だ。


 前回の対戦では、日本のホームで0-1の惜敗。東京オリンピックが終わってまだ日が浅く、選手達のコンディションも儘ならない状況での敗戦だった。


 もう、同じ轍を踏むことは許されない。


 この11月シリーズ、ベトナム、オマーンと連勝をしてこのまま一気に波に乗り、史実通りに来年の3月に行われるオーストラリア戦でカタールW杯の出場権を手に入れるのだ。(まあ、その前に決まれば言う事無しなのだが……)


 カフェテラスの天窓から差し込む朝日に向かい、俺は改めて決意を固めた。

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