第6話 ―掴み掴まれ―
新しい力は、静かに目を覚ます。
同じ軸でも、向きが違えば意味は変わる。
6話、対極が現れます。
統真に宿ろうとしていた力はまた、新しい力だった。
その後要は一度、帰っていった。
最初に異変が起きたのは研究区画非常灯だった。
点灯しているのに電力が検出されず、理論上はありえなかった。
統真が手を伸ばすと電灯が点滅する。
するとアクシスリーダーが遅れて反応する。
未登録反応・仮符号:e⊥・性質:電位
未波は、即答できなかった。
「電流じゃない電気......」
その頃、街外れの高架下。
空間がゆがみ、要が現れる。
だが様子が違う、彼の周囲で鉄くずが鳴る。
「遅れたが、掴んだぞ......」
引く、集める、束ねる、これは......「磁力のe∥」
警報が鳴り、統真は律に出勤を命じられる。
二人は交差点で対峙する。
要が言う。
「俺は世界を引き寄せる......お前はどのような能力を持つ?」
統真はe⊥を開放する。
周囲の街灯や信号機の電力が集まる。
電と磁は干渉しあう、e⊥は供給、e∥は拘束。
統真は自分自身に電力を流した。
いったい何をするつもりなのか。
交差点は沈黙している。
供給と拘束。
その均衡が崩れたとき、何が起こるのか。
電と磁。
引き合い、反発し、干渉する。
その先にあるものは、まだ誰も知らない。
力は、使い方で意味が変わる。
彼が何を選ぶのか、次話へ。




