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鋼月の軌跡  作者: チョコレ
第三章 黒銀の断罪機
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(20)世界開幕

 司会者の声が場内に響き渡る中、巨大なホログラムスクリーンが明るく光り、観客たちの視線を集める。


「お待たせしました!これより、ムーンギアバトル世界大会のトーナメントを発表します!」

 その一声と同時に、スクリーンに映し出されたトーナメント表がドーム全体を彩った。会場中がどよめき、熱気がさらに高まる。


「全世界から選ばれた三十三チーム!」

 司会の声とともに、スクリーンに各国のチーム名が並んでいく。その中には、俺たち日本代表、そして全国大会で戦ったゼファーのチームも。


 そして、俺たちの初戦の相手――スクリーンにその名前を見つけた瞬間、息を呑んだ。

「ドイツ代表チーム…」

 どこかで事前にトーナメント表を入手し、初戦の相手が自分たちだと知っていたからこそ、あれほど余裕たっぷりに煽ってきたに違いない。


「くっそ、どれだけ自信満々なんだよ。」

 あの挑発が今でも頭に残る。だが、それが逆に俺の中の火を燃え上がらせた。


 ルナが静かに口を開く。「宇宙まで来れば、国境なんてもう関係ない。ぶつけるべきは、自分の誇りと力量。」

 彼女の言葉に背筋が伸びる。そして、ルミナスフローラが青白い光を放ちながら、静かに戦場を見据えるその姿に、俺も気持ちを引き締めた。


 場内のテンションはさらに高まり、司会者の声が空間を震わせた。

「全世界で生中継をご覧の皆様!ご安心ください!真空で音が届かない心配は無用です!バーチャルサウンドシステムで、臨場感あふれる音響をお届けします!」


 歓声がドーム全体を包み込む。観客の熱気がまるで波のように押し寄せ、肌に伝わる。その中で、司会者がさらなる高揚を煽る声を上げた。

「さぁ、それでは早速、初戦へと進んで参りましょう!日本代表、ドイツ代表、準備をお願いします!」


 観客席の視線が一斉に俺たちに向けられる。緊張感は否が応でも高まるが、不思議と落ち着いた気持ちが俺の中にあった。


「んじゃ、いっちょ派手な音、かましてやりますかー!」

 アヤカが笑いながら、バスターディガー改へと向かっていく。その軽口が場の空気を一瞬だけ和らげた。彼女の声に、俺は不思議と安心感を覚える。


「よっしゃ!ロードラスト・ヴァルクス、最高の音を奏でてやろうぜ!」

 俺の言葉に、ルナがふっと微笑む。それだけで、心がさらに奮い立つのを感じた。


 次々と昇降機に乗り込む俺たち。機体の中に収まると、全ての音が一瞬だけ消えたような錯覚に陥る。だが、胸の鼓動だけが高鳴り続ける。


 さぁ、いよいよだ。

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@chocola_carlyle

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