表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/162

襲来。

ギルドに顔を出していた時の事だ、ジョーさんがその時ギルド内に居る全員に伝える。

「おめえら、()()が来るぞ」

それまで各々話して、活気のあったギルドがシンと静寂に包まれる。

「瘴気って・・・」

「マジかよ、王都だぜココ」

「俺逃げっかな・・・」

瘴気が来る、瘴気の発生とはゲーム世界時では大規模戦闘(ウォーレイド)の合図であった、特に各国の首都で発生する大規模戦闘は輪を掛けて大量のモンスターが現れる事で有名だった。

王国では魔族の仕業とされているが、そもそも魔族の首都でも瘴気が発生している為、ただの言い掛かりで原因は解明されていない。


「参加は皆の自由意思に任せる、だがギルドとして無駄な犠牲を出す訳にもいかねえからな、直接戦闘の参加はB級以上に制限させてもらう、だがC級以下でも仕事はいくらでもある、後方支援、物資調達、避難誘導、人数が必要だ、手を貸してくれ、直接前線に出る奴はほどほどにやって息切れする前に逃げろ、良いな!」


「「「おう!!!」」」


ジョーさんらしい物言いに皆気合いを入れる、出来る事をやるしかないのだ。



「で、私達はどうする?」

「出来れば遠慮願いたいが」

「灯の到着推定日ってそろそろだよね?」

「そこ、なんだよなあ・・・」

「来ると思う?」

「「来る」」

灯はLUCに極振りしているくせに()()()()()()()()()()()、黒龍討伐を周回している時も皆の装備が被る事無く一式揃ったのは灯のLUC補正であるとしか言えない程の幸運だったが、当人の灯の装備が揃うのは一番最後とか言う笑い話があるくらいだ。


「それに、自分が王都(ホーム)指定したから私達は絶対居る!って、突っ込んで来そう」

「あるな」

「あるある」

皆、苦笑するが腹積もりは決まった

「決まり、だな」

「危なくなる前に退避と探索も視野に入れておきましょう陸」

「そこは任せて」

「まあ、俺達が灯を見つける前に灯が俺達を見つけそうだけどな」

陸がスキルと目視での偵察探索、灯は魔法探索を行う。

近・中距離の探索に優れる陸、対して灯は魔法系に特化した魔力を存分に発揮しての広範囲探索に優れる。

「でも大規模戦闘だと視界(レーダー)が真っ赤に染まって判別出来ないって言ってた事あったわよ?」

「改善してるんじゃないかな、例えば俺達のみは判別出来る様にとか、敵の数はある程度削って表示とか」

「まあ、余裕を持っておこう、何が起こるか分からないし、ハイクラスモンスター来たら面倒だ」

「ハイクラス来ると灯も居ないと手出ししたくないよね」

ハイクラスモンスターとはその名の通り、上のクラスのモンスター。

例えばLv1のゴブリンとLv1のドラゴンは同じ強さか、となると答えは否、種族としての基礎能力に差がある為にゴブリンがLv20や30に成ろうがドラゴンには勝てない、そう言った根本からして強いモンスター、それをハイクラスモンスターと呼ばれている。

安全を常に確保して適度にやって行く方針に決まる三人、当の灯はと言えば王都から程近い場所まで来ていた。


大規模戦闘は街で行われる、王都内で迎え撃つ事になるのだがそれには理由があり、瘴気が何処で発生するかは分からないのである。

王都周辺若しくは王都内の何処かに瘴気が湧き、その瘴気が物質化してモンスターとなる、その為王都で待ち受ける事になるのだが例外として王城には瘴気が湧かない、理由は不明。

基本的には王城を守り切り、モンスターを全滅させれば勝利条件となる。

全ての施設が王城に結集される様になっており、避難民、治療、物資、拠点としての機能があるのだが、王都は大きく分けて三つの区画に分かたれている。


一、城下町、王都外壁から王城外壁までの間の区画。

二、王城第二区画、王城外壁から王城内壁までの間の区画。

三、王城中心部、王城の内壁から内側、ほぼ城のみの区画。


基本は第二区画を守りきる事、此処に避難民や拠点が設置される。

王城中心部には一部の貴族と騎士、関係者のみしか入れない。

主戦場は城下町となり、そこからの撤退、補充、治療と言えば第二区画へ退く事を意味する。

因みに、瘴気が来る、との報は城からもたらされる・・・


城下町が主戦場と言っても本当に市街地で戦う訳では無い、民家の破壊や火災の懸念もあるが、死角が多く不意を突かれて怪我をする事が多い為、市街地で戦う時は残党処理の時のみである。

ならば何処で戦うかと言えば、王都中心部、王城前にある巨大な噴水広場になる、広さは1000や2000のモンスターも余裕で収まる程の広さで円形状の広場は平時には露店や出し物で賑わう広場、今回の様に瘴気が発生した時はその形状から長大なコロシアムと化する。



そして、その日は来た

王都外壁上の衛兵は見た、城下町に大量の瘴気が湧き出る光景を

ドス黒い瘴気が形取り化け物の姿と成る、数は多いがさほど強いモンスターは見当たらない、これなら何とかなりそうだ、そう思うも一瞬、次に現れたモノを見て驚く

「嘘、だろ、レッドドラゴン!?」

ハイクラスモンスターが現れたのだ。



未だ、グレゴリ、灯の姿は王都にはない。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ