表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Leaving Strawberry  作者: 相沢 朋美
第3章 後悔
29/30

29

 そういえば、「免許取れたよ。侑を後ろに乗せるの楽しみ」と電話で言っていたことがあったなと思い返す。そして、そうくんは京都大学の大学院生だ。紛れもなく亡くなった22歳男性はそうくんだったのだ。私は喪失感にさいなまれ、ひどいことを言ったのを改めて後悔した。

 通夜も葬儀も彼の地元でしめやかに行われたので直接参列することはできなかったのだが、両方が終わってからそうくんが1人暮らしをしていたアパートに向かう。アパートの中にはそうくんのお母さんがいて、少し話をした。テーブルの上にあるノートを見て「これ何のノートですか?」と尋ねると、「日記帳よ。あの子、こんなにあなたのこと思っていたのね」と泣き笑いしながらそうくんのお母さんは答える。見ても良いか訊き、許可を得て中身を見た。中身はほぼ私についてだったのだ。クリスマス前後には、

「本当はティファニーとか4℃とかプレゼントしてあげたかったけど、お金なくて買えなかった。でもお金ないの知られたら嫌われるかもしれないから言えない。こんな安物でごめんね」

「もらったマフラー大活躍してる。冬にマフラーないと無理だわ」

「プレゼントのことで怒らせてしまった。お金ない俺がダメなんだ」

「価値観合わないし正直別れたいと思ったけど、目の保養になるくらいかわいくて俺のために無理してまで頑張ってくれる彼女は他にいないってわかった」

と綴られている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ