表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
尾張帰宅部部長旭智之  作者: 全州明
第三章 「尾張高校ダンス部」
PR
20/30

その四


           *


 南館三階、三年四組の前に、その塊はあった。ふごふごと喚き暴れのたうちまわるその白い網で包まれた物体に、田中利香は見覚えがあった。というか、初めて会った時の剛田久美そのものだった。

「な?」

 無表情で振り返る智之に、田中利香は溜め息を漏らす。

「こうなるって、見越してたの?」

「当然だ」

「もしかしてあんた、剛田さんがなんでダンス部止めたのか知ってたわけ?」

「古都葉乃綾の話を聞くまでは、てっきり屋上から落下し痴態を晒したために立ち直れなくなったのだと思っていた」

「……でも知ってたんだ」

「そうだ」

 智之は、バツが悪そうに顔を(しか)める。

「まぁまぁ利香ちゃん、そう怒らずに……」

「――――ねぇ剛田さん、今の話聞いても、まだこいつのこと好き?」

「……はい」

 それは酷く弱々しいか細い声だったが、田中利香の耳にははっきりと届いた。

「だったら、痩せるしかないじゃないっ!」

「え、あっ、あれ? ……そうなるか普通」

 そして、田中利香の心を熱く動かしたのだった。

「あたしについて来なさいっ!」

「はっ、はい!」

 言って、剛田久美は危うい足取りながら田中利香に続き階段を駆け上がっていった。

「じゃ、俺も行くとするか」

「待て。この場合俺はどうすればいい?」

「ん? 一緒に来ればいいじゃん」

 世の中には、いろいろな人間がいるものだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ