能力者
「おいこらぁ!!そこのお前!!
今何って言った?あぁん?」
「無視するなや?」
「そん次は?」
「空やんもパッツンも?」
「上等だお前!!決闘だこらぁ!!」
すかさず、手のひらをお腹の前にもって
行き天に向け意識を手に集中させ始めた。
士郎はとっさにやばいと思い人差し指と中指を立てる形で顔の前で手で印を作り同時に
声を発した。
「ウインドウエクスプロージョン!!」
「ファイアカーテン!!」
空也は目の前の光景がとても信じられなかった。
複数の風の刃が士郎めがけて飛んでいくのに
対して士郎を包む炎が全てその刃を払いのけているからだ。
先ほどまで話していた同級生がこんな風に
いきなり能力を使ったのだから無理もない。
早希は女子とは思えない素早い動きで
士郎の間合いに近付きつつ風の刀を
作り出していた。
「これで終わりだ!!」
空也は士郎が刺されると思い一瞬目を
つぶってしまったが目を開けた時には
士郎が早希の喉を掴んで宙ぶらりんの
状態で持ち上げていた。
「3分咲きがしゃしゃるなや。」
「くっ、何が起こったの?」
苦しそうに顔を歪めながら早希はやっとの思いで一言放った。
「相手を見て喧嘩うれや、お前と俺とじゃ
スキルが違いすぎるわ。」
悔しくてボロボロ泣き出した早希を放り
投げるとそれを空也がクッションになる形で
受け止めた。
「やり過ぎだろ、シロ!!」
士郎の能力は火の能力なのだろう。
早希の喉が火傷でひどい傷を帯びていた。
「アホか、あのまま食らってたら死んでるわ。
この学園に入る際の重要チェック事項に
サインしたやろ。思い出してみぃ。」
空也は目の前で起こっている出来事を
必死に抑えて記憶を探ると確かに重要事項に
サインした事を思い出した。それは
この学園においての責任は全て自己責任とし
学園側生徒一同一切の責任を負わない。
「早希が死ぬ!!何とかしないと!!」
「空やん諦めや、そいつはもう助からへん」
「嫌だ、助ける!!」
「...ぅゃ...ん、あり...とう」
早希はそう一言、発したのち身体の力が抜け
落ちた。
空也の中で、いや人が生きている中で
手の中で人か死んでいく体験をするものが
そういるはずもなく、それは空夜の中で
初めての体験だった。しかし、空也は
まだ諦めてはいなかった。
「まだ、死なせない。」




