page. 5
このアドベンチャーゲームブック《魔王の微笑とドラゴンの息吹き》の世界では、現在人間と魔族の小競り合いが多発しているらしい。
そして俺がこれからやることは、まず聖剣をゲットし、エルフの国の行方不明の姫を探して仲間とし、ドワーフの国の諍いを収めて仲間とし、呪いの山のドラゴンを倒し、その呪いが解けたドラゴンが竜騎士となるのでそれを仲間とし、そのドラゴンに呪いをかけていた魔族の魔術師を倒し、最後に魔王に邂逅するとのこと―
早朝、宿で水をもらい、手ぬぐいで身体を拭きながらアドから聞いた今後のストーリー展開がこれである。
ちょっと……いや、かなり盛りだくさんじゃね?
これ、俺の一生涯かけても終わらん気がするんだけど???
「おい…アド。なんだこの盛りだくさんのイベントは!?どうやっても生き延びられる気がせんわ!」
さすがにキレた。これではあまりにも無理ゲーの糞ゲーだ。
『くふ…もちろん冗談ですよ、エイト………たぶん(ぼそっ) 。たかが一冊の本に、こんなにイベントがあるわけないじゃないですか〜、ふっ、ふふっ』
「…………………」
冗談だと思いたい。信じたいがどうしてもこいつを信じきれない。何かまだ隠していることがある気がする。
『とりあえず、次にやることはダンジョンにある聖剣を取りにゆくことです。もともとそのためにこの地に来ておりますし、序盤はさくさく参りますよ』
おお、ダンジョン!いかにもファンタジーのイベント。ちょっとテンション上がる。
そうと決まればまず朝ごはんだ!考えたら昨日は友人と待ち合わせしてまずハンバーガーでも食おうと言っていたから、結局昼頃から何も食べていない。かなり空腹だ。ここは本の中とはいえ、昨日の町の様子をみる限りまともな物が食べられそうだ。
それから冒険者ギルドに行って、依頼達成した証の魔物を換金し、装備を整えるという段取りか。
うん、ちょっとだけワクワクしてきたかも。




