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とりあえず、俺はこいつを【アド】と呼ぶことにきめた。アドベンチャーゲームブックの頭を取ってアドだ。
アドはその名を聞いたときに何故か感動したようだった。
『おお…アド!なんという高貴な響き。エイト、これは素晴らしい……!』
慈しむようにその名前を繰り返すアド。まあ褒められて悪い気はしない。
「ところで、アド。とっとと帰りたいんだけど、これからどうすればいいんだ?」
と本を開こうとすると、それは突然手の中で暴れるように震え始めた。
「うわっ!」
咄嗟に放り出したその本はふわりと宙に浮かぶ。
『エイト、これからは直接ナビゲートの為、あなたの脳内に入らせていただきます』
なんて言った!?俺の中に入る!!!?
「うわ、なんかそれはやめろ!」
その言葉に思わず後ずさる俺。
本はこちらに引きずりこまれた時のように発光しはじめた。瞬間、その光は俺の胸元に吸い込まれた!
「うわわ」
我ながら情けない声を上げたがもう遅い。
慌てて服をまくり上げて確認したが、そこには何も異変はなかった。
『エイト、そんな怖がることはありませんよ。ああ…あなたの中は温かいですね……』
頭の中にアドの声が響く。
「いちいち気持ち悪いんだよお前は!?」
俺の苦情は完全に無視されたのだった。




