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98帰路がてら

巨大芋虫、便宜上名前をマザーとつけ、マザーが北に動いたのを見届けてから崩壊して魔物の巣と化してしまったカノマトを後にし一行は南部に進路をとり人の生存圏を把握するために移動を開始した。

北部はマザーが向かってしまったし、ゾンビの群れは北西のコルテレットへ向い魔物の圧力は北に動いたから南は一息つけるだろう。さすがに時空バックを持っているからといって無補給で北部に行くには条件が厳しく思えたので、生存者のいる村を探して一泊休憩を取る予定で、最終偵察予定地のナフラツへ向かう事となった。


カノマトの魔素濃度が高いので暫くはここを中心に魔獣クラスも動くと思うがその危険性も含めて伝えるためにもナフラツが滅んでいたとしてもネガキアに伝えておくのは反攻作戦をする上でもメリットだろう。


帰路やはりカノマトから離れる程魔物が弱くなるが既存の動物型よりはキメラ型の割合が増えてる不安があるがそれでも街に近い程魔獣クラスもは皆無だから安心材料としても捉えられるか?


そんな移動の最中近くで戦闘音を捉えた。

メガネ君の索敵を広げると20人程の集団が南に逃げ、その後ろに魔物が追いすがり数名が殿として時間稼ぎしている様だったが移動速度が全然上がっていない。

レーダーだけでは詳細がわからないが一般人を数名で護衛して逃げていそうな雰囲気だったがレーダーに映る生命反応とも言える光点が弱まり始めている者が出始めた。


「まずいな」

「どうしたのぉ」


「西で移動中の集団に魔物が襲っているが襲われた方が弱り始めている」

「わかったの先頭で突っ込むの」

「では薬品の準備をしておきます」

「ケントぉ後ろに乗せてぇ、すぐに撃てるように魔法用意しとくねぇ」


あらま〜皆さん反応がいい事で、それなら延長柄だけ出して石突砲を撃てるようにだけしておこう。

テルトは俺の後ろに飛び乗りつつ器用に自分のホバーバイクをしまい、2人乗りで周囲に魔法陣を浮かせていつでも撃てるように準備していた。そして無駄に体をくっつけるように抱きついてきたが残念な事にドラゴンメールがその感触を防いでいた。


さて先頭でリーブがすでに剣を肩に当てて構え片手運転で飛ばし、その後ろを並ぶように俺とテルトの2人乗りとアーネが並び、アーネの肩から時空バックが下げられ、そのバックには子蜘蛛が張り付きいつでも動けるようにスタンバイしていた。


バイクを飛ばして1分ほどもしないで茂みの先で何かが動く音を感じた。

そこにためらう事なくリーブが突っ込み伐採して道を切り開きそこに俺たちも突っ込み、瞬時に状況把握に動いた。

リーブはすでにホバーバイクを降り走り込んでいる。その先には豚?ピンクの頭や黒頭など二足歩行している豚が裸に剥いた女性を襲おうとしていた。

10名程の人は3人の冒険者に保護され移動を続けているようで、豚の前には襲われそうな2人の女性と取り返そうとしている騎士が3人の状態で豚は御構い無しで汚い物を大きくし、今にも絶望的な事が起ころうとしていた。

この豚もしかしてオークとかいうやつらか?

それにしても醜いものをいつまでも出してんじゃねぇ〜!

石突砲の照準は照準器とか何もないがそそり立つ赤黒い物に向け今にも突き刺さりそうな寸前に根元から吹き飛ばし辺りに血をぶちまけた。女性は犯されたと思ったのか「イヤ〜〜!」と叫び、騎士は助けられなかったのかと絶望的な顔をしていた。

もう1人の女性の方もギリギリでテルトの風刃が根元から切り取りかろうじて間に合った。

そこに一気に間合いを詰めたリーブが女性を掴んでいたオークの腕を切り落とし、アーネもクナイ、鎖鎌を投擲しオークの肘関節を切り裂き離された女の子を俺とテルトがキャッチしつつ距離を置いて2人を離しつつテルトに頼んで豚との間に大剣を構え立ち塞がった。


状況が一変した事でみんなあわを食っていたがオークの前にケントとリーブ、救助した女性をテルトが手当のための回復薬をふりかけ、アーネは騎士に回復薬を投げつつ集団の肩を借りてやっとで歩いている者達のところに急行していた。


この止まった空気感が動き出したのは股間を潰されたオークの絶叫だった。

耳を塞ぎたくなるほど煩かったが我慢できなくもないのでこの生まれた隙に一気に間合いを詰めた袈裟懸けに一太刀入れた。

隣でもリーブが同じように動き、オークを仕留めに入るが魔物クラスの割りに硬い。

それでも敵ではないので殲滅が完了した。

その頃にはパニック状態の襲われた女性も落ち着き始め、自分の身が無事なのがわかると安心したのか泣き始めテルトは2人に抱きつかれ身動き取れず困った顔をしてこっちを見ていた。

アーネの方も助かった安心感から数名気が抜けてしまって気を失っているが、回復薬を手分けして配りなんとか間に合った様だ。

そして満身創痍だった騎士と護衛の冒険者も装備がよく無事だったなって程痛んでいたが疲労の色は見えるが怪我などはなさそうだ。

武器なんかも刃こぼれだらけでよく折れずにここまで来たなってくらいの破損度でよく守り切れたなと思う。


「リーブ、アーネを手伝って何か衣類代わりになるの2着用意して、終わったらバイクにリアカー着けるの手伝ってね4台やるから。テルトは2人に着いた血を流して着替えさせてくれるか?」


3人に指示すると騎士の1人が復帰した様でこちらに向かってきた。


「ご助力感謝いたします。我々メリス家配下の…」

「ストップ。今は時間が惜しいだろう?移動の手段を用意するから…あんたの名は?」

「メリス家の「名は」アレックス・バトラーともうしまう」

「わかった。アレックス4台に別れて乗ってもらうからみんなに伝えて割り振ってくれ。それとあの2人を面倒見てくれるやつ見つけてくれ。それでアレックスは俺のところで道案内頼むぞ」

「ハッ!」


裸の2人に世話人がついてテルトが自由になると魔法の水で体を洗って貰い、リーブの持ってきた服で着替え、なんとか落ち着きが戻ってきた様だ。

そしてこっちでは全員一時的に下級回復薬で状態を安定させて、ホバーバイクに繋いだリアカーに乗り込んだ貰った。

道案内がてらアレックスに状況を聞いてこの集団が何をしていたのかを確認した。

この集団はある意味ソルジット方面からの最後の生き残りの集団だった。

なんでもメリス公爵の御息女が研修でソルジットに出ている時にこの騒ぎが起き、辛うじて脱出には成功させたのだが途中の襲撃で馬車が壊され、魔物を退けつつ徒歩で南下していたが、途中避難する商人を捕まえ御息女と側近だけ先に逃げて貰い残された侍女達は騎士の護衛で徒歩で移動していたら近隣からの避難者と合流して20人近くまで増えて、数名の冒険者と連携しここまで来れたがあのオークで武器が役に立たなく騙し騙し逃げていたがうまく回り込まれ侍女が捕まってしまいもうダメだと思った時に颯爽と俺達が現れたそうだ。


偶然とはいえ凄いタイミングで見つけたもんだ。

今はいいだろうが早いところ安心できるところに連れて行ってあげよう。



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