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88帰宅路

ジャック達と獣人の戦士団の護衛兼修行の中でしっかり睡眠を取らせてもらったケント達は昼頃起き出してきて、みんなで昼食をとり、短時間ながらこの地に留まった獣人の戦士団の中でも何人かは魔素の影響を受け始めていそうな症状が出ていた。体調は崩してないので、この症状が出たら交代をさせる様に言い含め徐々に浴びていけば魔力操作を出来て身体強化で獣人ならではの戦闘の助けになりそうかな?


ここに1つ家でも建てて監視小屋に使ってもらい何人かを残して一旦獣人の里に戻り里長レオにだけはちゃんとした事を伝えて活用してもらえる様に頼みに行った。

途中の道で襲撃をしてきた魔獣はファーストメンバーが身体強化の練習とばかりに率先して飛び出していった。

ゼロメンバーは高みの見物で魔法の先生テルトの元でそれぞれ魔力操作のアドバイス係となり、戦士団もちょっと魔素を浴びた影響か動きがいい様だ。同じ獣人の女の子がこれだけ戦えているのに触発されて張り切ってるのもある様だが着実に成長していた。


その中で鳥人フラウが身体強化だけでなく風を自分で起こして飛行の補助に使っていたのに目をつけたテルトにより風魔法講座を行なっていた。普段から風に触れていただけあって覚えるのも早くウインドカッターなどの簡単な魔法は使える様になっていた。


そんな中ケントはメガネを通して魔法の改造に励んでいた。

自分の触媒を使った魔法の魔方陣構成文を解読して改造できそうなものを探して魔法創作の練習を行なっていた。

ただ薙刀の魔玉を触媒にすればテルトの様な魔法も使えそうで試しに使えるか作って居るのだった。


みんなで纏まって移動しながら安全に戦闘。レベリングって奴になるのかな?関わった人たちが順調に強くなって任せられるっていいもんだね。軌道に乗るまで獣人の里でみんなを鍛えるのもいいのかもね。いざとなればクレセントが商家と争いになった時に単独で戦力になれる団体が控えていればこちらとしても強気に出れるからメリットは大きいはずだし、村も獣人に理解ある人が多いから奴隷狩りに来る様な奴らは追い返せるだろう。


とケントの打算による思考はある程度の方向性を持って終了した。

ケントはやること無いので道としての体裁は取っているが障害物だらけの道でどうしても速度が上がらない。その為今回もアレンジしたニードルシートを空からぶっ放し絨毯爆撃を再度行い、横たわった大木も粉々に砕き段差の多かった道も少しは減り、走行振動もだいぶ緩和された。

その為戦士団の皆さんの催促により狩った魔獣を運搬用にリアカーを数台出して装甲車で引っ張る事になった。時空バックに入れてあげると言ったのだが今後自分達で運搬する時の参考に道の状態を確かめるんだと。そこまで考えてるなら自立の為の支援程度で俺達が手を出さない様にして、リアカーだけは数台寄付するだけとしよう。


一行は巨石の結界を用意したがそれでも増えすぎた魔獣を間引兼戦闘訓練でわざと遅めの移動で宿泊も入れつつ獣人の里にたどり着いた。

早速レオと会談し交代で結界地の警護を頼み、魔の森の魔獣繁殖率が高い為定期的な間引をお願いしておいた。

後は獣人の里での事になるので出しゃばるのは控えて、リアカーを数台寄付してこの地で一泊させて貰って、翌朝にはクレセントに帰還する事になった。

朝早く獣人の戦士団が警備に旅立ってそれに合わせ、海路で一気にクレセントに戻った。

浜辺でそのまま乗り上げ、屋敷前まで乗り付けて、徒歩にてギルドに向かったがだいぶ村も賑やかになった。人口も順調に伸び商店も幾つか新規出店してきた様で、それに伴って移住者も増え南部の方も住宅が増え始めていた。

中心部は主要な施設商店などが集まり、自然に道も整備され中心部だけなら都市と言っても良さそうなくらいに発展していた。

後で聞いた話だがこの道を整備する話が出た際俺達の装甲車の邪魔になる位置に建物を作るなと村中で言われたそうです道幅もそれに合わせているらしい…それはそれで有難いがそこまでしなくてもとも思うのだが出来ちゃったものはしょうがないよね。活用させてもらいましょう。


さて考え事しながらだとギルドまですぐ着いちゃうね。ギルドに入るなり受付嬢にギルド長室に行けとジェスチャーされて、勝手知ったるギルド内を案内なしに目的の部屋にたどり着いた。

ノックなしでも普段は入っちゃうが受付嬢の態度が気になったので、コンコンコンと3回ノックして返事を待った。


「どうぞ」


簡単な一言の返事を聞き中に入ると、やっぱりカイル様が遊びに来ていた。


「お〜ケントよもう帰ってきたのか!?さすがに仕事が早いな。どうだわしの部下のポジションが1つ空いてるのだが…」


「カイル様今はギルド会員ですので無用な引き抜きは後々問題になりますよ」


「スマンスマン、スルピーノ悪気は無いのだ。してケントよ魔の森はどうであった」


カイル様に促され起こっていたことを説明した。

魔の森は猿系魔獣がまるで軍隊の様に連携してジェネラルコングという将軍を核に手下の連携が自分を犠牲にしても厭わない様な攻め方をしてかなり厄介だったのと、その後中心部に向かうと巨大な要石が存在しそこを中心に魔獣の生息率が上がっていた。

ところがフードの者が巨石に何かをし、凶々しい魔素が溢れ出した。その魔素を浴びた者は体調を崩し、魔獣達は凶暴化一旦撤退後、再度向かい中心地の魔獣を駆除後、魔素の吹き出し口に向かい魔玉を幾つか置いてその1つが魔宝玉に進化して、社を作り魔素の凶々しさを浄化に成功して、漏れっぱなしの魔素を抑えるのに結界を作り獣人の戦士団に警護を頼んで帰ってきた事を伝えた。


それと高濃度の魔素を浴びると身体的に変化をもたらす可能性があるから注意が必要なのも伝えた。数人倒れ意識不明だったがケントの魔力で回復はしたもののなぜ治ったかの説明は無理だったので、強くなる為の魔素浴びは治療できるものがいないと難しい案件かもしれないことは伝えておいた。


やはり二人は魔素を浴びて強くなれるならと考えた様だが劇薬は毒にもなると思い至った様で慎重に判断すると確約してくれた。一応俺が対処出来るのは伝えてあるが、二人ともそんなことの為にお前を使うなら別の事に派遣するとハモって答えるなど息の合ったところを見せてくれた。


俺からの報告は以上で、カイル様から世界の不穏な情勢の説明を受け、商家連合が何か事を起こしそうな動きがあるのと貴族のごますり共が中央を掌握、実力者達は南部など辺境地に左遷がかなりの数になっていて、コングリア王国は分裂の危機にあるからクレセントは1つの拠点になってしまうかもしれないと先に謝られてしまった。



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