87大陸騒乱
ケント達が巨石パワースポットでの戦闘を片付け、再度結界の張り直しで対処している頃大陸各地では隠れた気脈の魔素溜まりが溢れる現象が相次いだ。このため溢れ出た淀みの濃い魔素が充満して、魔力に群がる魔獣が巨大化などして脅威度を上げ、また気脈の急激な変化に伴い大地が鳴動し天変地異の様相を呈していた。
魔素溜まりも大小様々で比較的首都と呼ばれるところから離れていたが取り囲む様に存在した為他国との連携を図るには困難を極めていた。
しかし魔獣の進化が凶暴性の増大、巨大化に続き、人型変体も確認され、辺境農村部の村が襲われ逃げる際に国境を超えた者から少しの情報は入手されていた。
時間が経つにつれ各国主要都市では情報と共に避難者も集まっていた。
ある都市はそんな避難者が集まって右往左往しているところで、飛行魔獣の強襲を受けて巣と化し中の住人の安否は絶望視され、ある国の都市では大戦跡地より命なきゾンビの群れが押し掛け城壁にて阻んでいるが外との連絡は途絶え、食料の不足による暴動が発生。また山沿いの村では一瞬のうちに巨大魔獣の炎で焼き尽くされたなど噂が噂を呼ぶ尾ひれをつけて拡大し収集不能な事態に陥っていた。
ゼルトロワ帝国の情報はあまり入ってきてないが巨大な飛行物体が首都の方に向かっていたとの未確認情報があるくらいで把握されていないが、学術国ソルジットは実験動物が暴走、人体実験に使われたと思われる異形の人などが魔物化魔獣化して研究所を中心に勢力を広げていると確度の高い情報として扱われていた。
この事態に友好国のコングリアは騎士を派遣し、情報収集と共に国境周辺の維持管理を命令されたが、裏の政治で実力者を左遷し過ぎて、戦闘力の無いご機嫌とり共が指揮官では緊急時の対応など出来るわけもなく初手から失敗して戦力の分散で強化された魔獣に対しては時間稼ぎしかできず、一般人を引き連れての撤退戦を余儀無くされ、全戦全敗で一部の冒険者集団の統率により左遷された有力貴族を頼り落ち延びるものが現れ、コングリアの騎士団はその規模を縮小していった。
コルテレットはさらに悲惨な事態に陥っていた。事態を聞きこのままでは自分達が惨劇に合うと思った民衆が神の助けにすがろうと大神殿目指して集まってきたのである。この為他国から来るものは僧兵を国境に張り付け難民でも近づく者は虐殺して自分達の縄張りを維持しようとしていた。
所がコルテレットの寺院より墓の中からゾンビが出現し背後から僧兵を襲撃。前門の難民も後門のゾンビで退路を断たれた僧兵達は神の名の下に神の言葉と偽り盲信する信者を中心に洗脳し、手当たり次第邪魔する者を倒していきその行動は既に狂信者と化していた。
またこの者達は既に僧兵の制御を離れてしまい、聖地解放の名の下に寺院より現れたゾンビ討伐に動き大聖堂の奪還に戻り、残された難民は命からがらゾンビの襲撃を躱し次の避難場所を目指して散っていくのだった。
ソルジットは最初こそ首都と中心地にある研究施設でキメラ研究の実験動物が魔獣化して収集のつかない事態に陥っていたが、魔法研究所を中心に一部冒険者の協力を取り付け、混沌とした首都内に反抗拠点を作る事に成功して一進一退の状況ながら膠着状態まで巻き返してきていた。
こんな中でも被害の少ない団体があった。
それは常に魔獣や魔物と戦っている冒険者の集団である。ギルドの呼び掛けに応じたチームが集まり捨てられた都市を奪還しそこに住民を呼び戻し、安全な拠点として宣伝をし、より一層民衆と噂を聞いた冒険者が活動拠点にするべく集まり、防衛を任せられる様になると周辺都市を巡回し、避難民を集めて誘導していった。
だがこの都市はコングリア、コルテレットの中間の様な場所で、ホルドアの街の北トウナ街の為なぜか双方からの有力者も集まり始め、この都市が防波堤の様な役割になっていた。
ただ残念な事にソルジットは距離がある為その後ソルジットがどうなったのかはトウナの街までは伝わってこなかったし、冒険者や避難民、では事務能力に欠けるし冒険者ギルドも事態の処理に追われ、ホルドアなどの都市に応援を求めるのは相当先になってのことである。
ましてケントの耳に入った頃には犠牲者5割以上消滅都市20以上、人口激減により行政能力は麻痺し既存の体制は既に崩壊したと言えるほどの混乱をもたらしたのだった。
話は戻って巨石結界地に居るケント達は大災害をもたらせたかもしれない地にとどまり、呑気に魔法開発なんてのを行なっていた。全員のデータをタブレットに魔力を流し込んで貰い登録して、使用魔法の管理を行なっていた。
ここで行ったのは魔方陣がプラモデルのパーツ切り出し前の様な状態に見え、場所により型に流し込むには通りが悪そうとか、ここが離れた方がなど見えてしまい編集でチョコチョコ弄ってみたら魔力が魔方陣に流れ込む早さや広がりやすさが変わり、魔法の発動時間がかなり短縮できた様である。
この事からみんなの魔法を見直して発動短縮や効率化を行なって能力向上を行なって、一夜を明かすのだった。
ケントはこの時自分の魔法を弄りながらある事を思いついていた。
魔方陣に使用している言語が長い。翻訳機能で読んでいるが字数と翻訳された字数が違いすぎるのが気になっていた。これを短い文字で意味が同じ物に置き換えられたら効率良くならないかなと…
こうして試行錯誤の末いつの間にか大掛かりな魔法を組み上げていた。
ただ広範囲に影響する威力で使う場所が無かったのだが、後になり聞かされた騒乱に立ち向かった際初めてこの時に製作した魔法達が活躍するのだったがお披露目はその時まで取っておく事にしよう。
翌朝
朝までタブレットを眺めていた一同は外に響くエンジン音に睡眠を妨害された不機嫌な顔で出迎えていた。
そこにはジャック達と獣人の戦士団が数人屋根に乗り揃って手を振っていた。
みんな元気になり、魔素を浴びたことで魔法は使えないが魔力操作をできる様になって、装甲車でやってきた様だ。獣人の戦士団も世話になりっぱなしで恩返しも兼ねて手伝いに来たそうだが、住処に異変をもたらさないかの判断もする様に指令を受けてきたそうだ。
ついでで丁度いいので獣人の戦士団にここの管理を頼む事にしよう。
今の魔素なら浴びても問題ないだろうし魔力操作を身に付けたら身体強化くらいは出来るだろうから修行場所としても都合がいいかな?
ここで強くなって交代していけば全員の力も上がるかな?
まあそこまで期待しても酷だから軽く伝えて守ってもらう様にしとけばいいでしょう。
まだちょっと眠いからみんなに護衛をお願いしてもう少し眠らせてもらうとしよう。




