86パワースポット
巨石を3人に任せ再建、お堂も作り直し御本尊になりそうな魔玉を奉納し、高濃度の魔素を浴びせる事により魔宝玉へ進化して、なぜか禍々しさを浄化させる事に成功してこの辺り一帯の魔獣の不順進化は一先ずは抑えられた様だ。
しかしここは力が溢れる場所な様でどっちにしろ魔獣達の成長を促進させる様だが、いきなり凶暴になる様な悪影響は無さそうで、どちらかと言えば神樹のようなパワースポットの様な役割なのだろう。
これなら人にも良い影響がもたらされるだろうし、どうせ道も無理やり作ったのだから途中からクレセント側にも整備すれば良い修行場所にもなるだろう。
でもクレセント側は知る人ぞ知る獣道でもいいかな?
獣人の里への輸送路は欲しいけど下手に作ると奴隷商とか来ちゃいそうだし、まだ作らなくても良いかな?
12家とか言う商人連合がちょっかい出してきてるし、どお出てくるか様子見して下手に広げ過ぎて手が回らないのも嫌だし、この開拓道は獣人の里と身内だけに伝えるだけにしておこう。またまた思考の迷路、自分の世界に入ってしまっていると声を掛けられた。
「ケントぉ〜ここ気分良いから魔法の練習して良い?」
テルトを筆頭に何やら不穏な言葉が飛び出してまいりました。
そうなんです。この高濃度魔素を浴びてから魔力的な物が上がってそうで、高濃度酸素カプセルの中にいる様な回復の早さを実感しているのです。
やはり魔法の扱いに慣れた人はやはり感じるものがあるらしく、新魔法?昔の使ってたやつ?でも試したい様です。
アーネも動きが忍びの様になってきて人身でありながら大蜘蛛時代の様な動きが再現出来てるし、リーブも人型で龍身の力が使える量が増えている…?らしい…それはそれで危険そうなのだが、任せられる事があるって事は良いことだが、ただこの3人に関しては破壊工作が得意ってのが困ったもんなのだがね。
ズガーン!
リーブが斬撃を放つと1つの剣線だったのだが地面についた傷は3本もある…どうやら斬撃に合わせて龍爪の薙ぎ払いのような一閃を放っていた。まるで龍の腕の一撃が3本爪の痕もつけたように、細身の体のどこにそんな力があったんだと言わんばかりに攻撃能力を上げていた。
これは便宜上龍爪斬とでも呼んでおこうか…。
ヒュンヒュンヒュン!
今度は右から空気を切るような音が聞こえてきた。振り返るとアーネがまるでアラクネの様に蜘蛛の腹と脚を現し、体を支える脚以外もなぜか糸を捌き器用にも6本の糸が先端に鎌や分銅などつけて振り回していた。
切断、突き刺し、打撃、拘束をその時々で使う物を変え鞭の様に扱ったりして近づくチャンスすら与えてくれない様な防空陣を作っていて、見方によっては有線のファ○ネル?イ○コム?に近いのか?まあそんな感じの動きだから糸縛結界とでも呼んでおこうか?
ヒュー!
今度は左から冷気が襲ってきた。そちらに視線を向けるとそこは?そこだけは?吹雪になっていて地面は凍っていた。そしてその中心にはまるで雪女の如く佇むテルト、しかもその傍らにはゴ○ちゃん?そう、まん丸な体つきで手足がここからでもよく見えないしそれに第一印象はゴマフアザラシの赤ちゃんを思い出すけど雪に埋もれて見えないだけだった。見えた姿はキタキツネ…さすがテルトも狐だけあって相性良いのか?それに氷で出来てるみたいで神樹にいたトルアが言っていた氷の魔女って姿がなんとなく納得できた気がした。
吹雪フィールドを作り出し、魔法獣の氷の狐と氷の熊を使役して自身も氷系を使いながら、その他の属性も使って試している。
この特殊条件の影響を見てるのかな?
氷盤とでも便宜上つけておくか?吹雪だけど地面が凍ってて範囲決まってるからアイススケートのイメージ近いだろう。
ふむ…
やはりここは高濃度魔素の影響で魔法的な物の能力を向上できるんだな?なるべくここは極秘にしておいたほうが良いのかな?神樹に匹敵するぐらいに力がありそうな場所だし、ここは結界の様なものでも作って誰でも入れないようにはしておいた方が良いのかな?場所の恩恵で力が増すなら、ある条件をクリアした人だけが入れる結界のようなもの作れないかな?
閉じ込め過ぎても力が暴走したらいけないし、凶暴な個体は近ずけないように結界を構築してみようか?
でも結界なんて作ったことないぞ?
魔導の書庫でも使って検索してみようか?
メガネ情報だともう悪い力の流れは出てないからそれを利用していけないものかね?
いろいろわからないなりに魔導の書庫に表示される情報を流し見て、気になる単語を調べながら出るページを片っ端から眺めてどこで選んでここまで来たのかわからないページに気になる言葉を発見した。
そこには魔法創作と表示され、そのページに飛んでさらに調べようとするとなぜかダウンロードが始まっていた。しかもこの地のエネルギーの流れがタブレットに向かい吸い込んでいるようにも見えるが何か不思議な事が起きているのは確かである。しかも連動しているメガネも輝きこっちにも影響を与え出した。
ここの魔素はアイテムにも影響があるって事か?魔玉が魔宝玉に変わるぐらいには力があるんだろうし不思議なことでは無いのだろうが…
なるようになるか…今更驚いても今までも流されてきてるんだから時代の変化に身を任せてその都度良いと思う方に行っとけばいい良いだろう。そんな妙な心の整理をつけた頃には魔導の書庫のアップデートは思いの外早く終わったようで、魔法に関するページが強化された様である。具体的には所持者の使用可能魔法を一覧で表示してそこから発動魔方陣を出して魔方陣の文字の変更などをして、発動速度や威力など編集可能な様だし、希望能力から逆に魔方陣の作成使用適正判断など魔法創作の名に相応しい能力を持った様だ。
不思議なものを入手してしまった…
なんでこんなに有能な道具に助けられてるんだか…
長年使って愛着あるものばかりだし魂でも宿って成長したのか?
まあ好き好んで使った道具達だからまたいろいろ使えるのは嬉しいから良いけどちょっと複雑な気分だ…
『使用可能な結界作成が行えます。結界を作成して展開しますか?』
突如頭の中に言葉が流れ込んできた!
どこから声がしたんだ?
まるで機械の朗読な様な不自然な話し方だったが…機械的?
もしやメガネ?
『はい。思考読み取り能力を強化と文字表示の他に骨伝導音声報告機能が備わりました。AI能力はタブレットの処理能力に依存しております』
なんということでしょう!この世界に来た時から助けてくれたメガネ君が更に進化してサポート能力を向上させていました。
やはりここはパワースポットでいろいろ好循環するところなんだね。
って事は魔獣に好循環なられても困るから少し結界を張っておいたほうが良いって事だね。
商人が荷物持ってここに持ってきて魔素を浴びた道具を大量流通させても世界がどうなるかわからないから認識阻害とかもさせておいたほうが良さそうかな?
という事で早速魔法創作を指示に従い操作していく。
まずは魔獣の接近を阻害する魔除け交換と、この場所が何か分かり難くする認識阻害と後はこの駄々漏れする魔素を制御するのも入れておくか?この魔素をエネルギーに永久運用できるだろう。
なんか温泉掘り当てたみたいで、この溢れるエネルギーを溜めとく所を制御させてくらいで良いかな?
そうだ!俺の許可が有る者しか中に入れなくしておこう。また転移で飛んできて荒らされてもつまらないからな、フードの連中が何者か知らないが俺達には害になる事ばかりだしこれで良いだろう。魔法創作で結界製作に気づけばかなり時間がかかっていた様で
なんだかんだとこの地に長居しすぎたケント達は気づけば空が赤くなり始めていた。
今から移動も暗くなって危険な場所で一泊する事になりそうだからとこの場所で夜を明かす事が決定するのだった。




