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80異変の根源

ラート、フラウの2人が負傷した事で周辺の木を伐採し三日月亭を設置、2人を休ませる為に暫くここを拠点に周囲の討伐を行う事になった。

警護と探査の二手に別れるのだが探査の中心は俺、警護の中心はアーネが引き受けその都度どちらかに誰かが付いてくる事になっていた。


この時点ですでに撤退の話はしていたのだがファーストのメンバーは遠距離が居ないので別行動のリスクの方が高いということで2人の回復を待って、移動距離を減らしてでも安全マージンをキープして進むことで一致した。


怪我した2人は足手纏いになりたくないのかすぐ動けるとアピールして来たがそこは俺が強権発動で認めなかった。ラートの顔が焼けただれてるので無理して傷を残す様なことにはしたくないので、完治するまではここを動かさないのを言い渡した。

これだけだと自分の所為で迷惑かけてると思うだろうから、ボウガンの制作時間を取りたいって事で自分のわがままで停滞しているってスタンスでわざと遅くボウガンを仕上げている。

全部で6人分の本体と矢で作っては材料集めの名目で周辺の狩りを行い2日ほどこの地で休息を取ることにした。


2日と余裕を持って休憩したのでラートの火傷は変に突っ張ることもなく綺麗に治った様だ。ボロボロの髪の毛は少し短くなってしまったが溶けたところを削いでショートヘアーで修正しておいた。フラウもまだ飛行時間は長くはないが骨もくっ付き飛ぶ事も可能になったので、2人を中衛として中で守りながらの移動をする事して探査を再開するのだった。


前衛はジャックとシャロルのベテランに先導を任せミルとアメリが両脇につきそれぞれボウガンを手に警戒をしながら進んでいた。

今回用意したのはミニ矢装填式の連射弩でレバーを前後させれば10発撃ち続けることができる物と大型滑車式のボウガンで普通に引く以上に力の出る物をゴルドクオリティの部品から組み立てていた。

これはゴルドの作ったボウガンを一度分解し部品ごとに練気合成で複製し作り上げたもので獣人大移動の際の物をカスタマイズして貰ったのを利用しているのである。

さすがに本職の技術の入った部品を使う事で自分の想像力の上をいく仕上がりでファーストのメンバーが試作マジックバックがあるから両方提供し好きな方を使ってもらう様にした。

大型のは遠距離、連発が中距離って感じなのでこの辺は普段の連携で使い方変わるだろうから選択肢の幅だけは広く用意しておいた。


ボウガンを用意してから移動速度は遅くしているのだが先制攻撃をボウガンで取ってその間に間合いを詰め、支援射撃も生きてリスクを減らした殲滅速度を維持して結果的には順調に進めている。

怪我した2人も中衛ながら危機感で能力が伸びたのか索敵能力が上がっていた。

より遠くの音を聞き微かな獲物の動きを捉えて前4人に位置を知らせながら先制のボウガンを打ち込みと隊列は変わったが安定した形になった様だ。


しかしこちらも急成長しているが相手も出てくる魔石がより大型化しさらには魔玉純度と言っていい物が多数出てきており、魔獣以上にこちらの成長が早い様だ。

ジャックとシャロルすら戦闘が洗練化して下手したら1人で始末出来るんじゃないかと言うほどの安定感を見せていた。


そんな全員の成長を見ながらいよいよ魔の森の奥地と思われる場所を望める所までたどり着いていた。

そこは小高い丘の様な場所で木々も少なく麓から頂上がよく見えた。その頂上には縦長の巨石が重なり合い三角錐の様になり何かの神秘的な建造物の様にも見え、その中心には何やら力が集まっている様にも思えるのだがその力に何やら禍々しい物を感じ、溢れ出してきそうにも感じていた。

何にしてもこのまま放置するわけには行かなそうである。


「おいケント。これはいくら何でも不味くないか?」


さすがにジャックは感じた様だ。

ここは魔素がたまりやすい場所でそれを吸い集めたものが溢れ出すのをこの巨石が蓋をしているのかもしれないが能力的にもう役には立っていなさそうで、この丘の麓ですらかなり濃度の高い魔素を感じるのでこれを浴び続けたら身体的に変調をきたしてもおかしく無い。


それを証明する様にレーダーに映る敵のマークはこの丘のを中心に強い反応を出す物が多い様で何とか個別に、襲われる前に殲滅して数を減らしておきたいところだが…


思案しているところで思いもしない光景が展開され、巨石の近くにフードを被った何者かが現れ、懐から何やら玉のようなものを出しそれを両手で掲げ、その掲げた玉に光が集まり、玉のみが光り輝きその輝きを強くしていった。

フードの者は光り輝く玉を片手で持ち何やら右手を大きく振り何かを行った途端に強烈な光が辺りを支配し白一色の世界を作り上げた。全員視界がやられてしまったようで小声ながら呻き声が聞こえていた。

ケントはメガネの自動光量調整機能のおかげで比較的早くに視界が回復し現状を再確認すると見事に巨石がが吹き飛んでいた…辺りを確認するとフードの者の姿は無くなっており、こちらのメンバーは視力を奪われ直ぐの行動は不可能、周辺の魔物分布は巨石後を中心に集まりつつあるようだ。


これは何かが起こっている!


しかも良くない方のものだ!


ここに居ても何も出来ないだろうしおそらく危険しかないだろうここは一旦クレセントまで早急に帰還した方が良いだろうと全員に帰還を提案し、誰からも反対が出ないまま視力回復次第に移動を開始する事にしたが…


ゾクっ!?


何やら良からぬものの気配を感じてその方向を見ると巨石跡に禍々しい光を放つ物が柱の様に伸びており、その根元で1匹の猿が横に漏れる光を浴びていた。

そしてその猿の魔物は次第に形態を変化させていき、体を巨大化させ腕も二本増え魔物クラスだったものが大型魔獣化していた。


これはおそらく高濃度魔素が吹き出し魔物すらも変化させてしった様で、こんな所にいては俺達も影響を受けてしまうだろうから視力が回復してきた者から急かしてまだの者の手を引かせクレセントまで帰還を指示する事になった。


ところが巨石から天に伸びていた禍々しい光の柱は向きを変え丘を下る様に流れてきて、この魔素の津波の勢いはとどまる事を知らない様で障害物もお構いなくあっという間に赤黒い魔素の津波に飲み込まれてしまった。幸い質量は無い様で流される様な事はなかったのだがこの魔素の濃度は身体に影響が出る様で1人2人と倒れ始め、全員が体調不良を訴え始めたので、車高の高い装甲車を出し全員を乗せて一時避難場所として倒れた者を担いで乗り込み、水陸両用の気密性のおかげかなんとか魔素の影響を直接受けないで済む様にはなったが、みんな一気に浴びすぎた様で中に入ってからは床に張り付いて動かなくなってしまった。


今回魔導の書庫(タブレット)にメガネの鑑定とリンクして症状と対処法を検索してみたが症状が魔素中毒と出て、対処方法は特には無さそうだったが、俺だけは症状が軽くほぼ影響は無い。そしてゼロの3人も辛そうだが動けなくは無く、ファーストの4人組も意識はあるが深刻では無い。

ただジャックとシャロルは意識不明で顔色も非常に悪いからなんとか共通点を見出し処置をしないといけないがこの場所からの脱出もしないと魔物の反応が丘に集まりだしてるのでこのまま装甲車に乗っての離脱が優先されそうである。


大変な事になってしまった…



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