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79森の奥は危険がいっぱい

村を出てすぐ出くわしたたくさんの魔獣をすぐ殲滅を出来た事でみんなの戦力が大体測れた為、移動も任せながら幾つかの戦利品をメガネに鑑定をお願いせておいた。


綱獣の頭蓋 攻防一体を可能にした鉄の頭。純度が高く武器作りに重宝される

死臭の毒腺 猛毒を発生させる毒腺。その毒は死にも至らしめる。

擬態の毛皮 森に溶け込むために着色された毛皮


大層な名前が付いてるがこれはこれで使えそうなものも多いだろう。

特に毛皮なんか剥ぎ取った後は迷彩柄になっちゃうしテントの表面にでも貼れば魔獣からの発見を逃れられるかな?でも奴ら鼻もいいからそんなに効かないかな?


さてのんびりもしてられないし、進路のチェックもしなくちゃいけないからそろそろ移動の段取りをとるとしよう。

先頭はミルの指揮で索敵を任せながらジャックとシャロルが続き殿に俺たちの並びは変わらず、アーネの子蜘蛛を左右に広域展開して回りこむ奴らを事前に把握できる様にしてもらい、俺は広めにレーダーを見て怪しいのは子蜘蛛で確認に行ってもらう。

その時にテルトの魔法獣で雷鳥と鎌鼬の速度コンビに展開してもらい始末できそうなら任せて素材回収に白熊と土竜を向かわせて正面のみに意識を向けて進める様な体制に持って行った。


それでも森を進むにつれ森が深くなり薄暗く、出てくるものも集団で群れる者から単体で動くものも現れる様になり危険度が増していった。


「捕捉されました右正面から来ます」


魔獣達もさすがにこの危険度の高い森を生き抜くだけの力はある様でこちらの索敵圏内と同等の索敵能力がある様で、こちらが捉えると同時に向こうもこちらに向け進路を変えてくるのだった。


魔獣にとっては体が小さい気配で完全に餌としてしか捉えてない様で侮って近付くおかげで先制の遠距離攻撃を与えて弱らせたところで前衛が始末してくれるので、まだこちらは危機に陥ることはなさそうだが油断は禁物、遠距離攻撃を俺たちが行っているがファーストのメンツで遠距離ができる者が居ないのでその点だけが不安視される。


そんな中さらなる危機を提供してくれる魔獣が接近してきていた。しかしこいつは誰も捉えられてはいない。


なぜならその隠密能力で姿を隠し息を潜め獲物が近付くのをひたすら待つ存在。


シャドーリーフ


大型の植物をベースとして周囲に擬態存在自体を周囲の木に溶け込ませて近付く獲物に壺の様な葉っぱをかぶせ消化液を噴霧し弱った所を葉の中に拘束しさらに消化液で溶かし解けた液体を飲み栄養とする植物である。

擬態がばれた後でも蔦を振り回し鞭の様に叩いたり巻きつけたり多彩な攻撃を誇る危険な植物である。


俺たちはこいつの存在を見逃していた。


たまたまアーネの子蜘蛛が消息を絶ったのでその方向を重点的にレーダーチェックしていたのだが敵識別の赤点が極小で油断していた。


先頭は聴力探知のラートと飛行状態で上から見ているフラウが意識を向けていたのだがそれでも見落とした様だ。

シャドーリーフはまだ中型だった様で食葉が一つしかなかったが狙ったのがラートだったおかげでその動き出しの音が捉えられて回避行動をとるが逃げられたことで慌てたシャドーリーフの蔦で2人は絡め取られ、そのままラートを食葉に押し込んでいた。


ラートが襲撃寸前に一声発したおかげでこちらの初動が早かった。

ミル、アメリが即駆けつけ蔦を引きつけジャックとシャロルも食葉に攻撃を開始、俺たちは後衛で距離が有ったのでリーブが走り、アーネが蔦を糸でやりあい、テルトが雷鳥と鎌鼬の使役で精密な操作を始め、俺は走りながらの石突砲狙撃で茎などを撃ちダメージを与えた。


シャドーリーフを中心に全員が攻撃位置につけた頃食葉に捕らえられたラートから悲鳴が上がった。

まずい事に消化液噴霧が行われてしまった様で慌てた俺たちは急いでラートに当たらない様に食葉に攻撃を集中させた。しかし葉は柔らかく攻撃はラートに届いてしまいそうで端から突き刺しては引裂きを繰り返しで地道に削るしかなく時間が取られる間にラートのダメージが蓄積されてしまっていた。

フラウの方も上空高く蔦で拘束されていたので普通の攻撃が届かない。

そのため遠距離攻撃を持つ俺たちが中心に対処していたがパワーもスピードもある為なかなか蔦に攻撃を当てられないし当たってもダメージを稼げなかった。

そこでテルトは本体がいるであろう地面に土竜を行かせ地面を掘りながら根っこと思われるものを根こそぎ切断させていた。

その甲斐あってか徐々にシャドーリーフの動きが鈍くなり、蔦を捉えて切断に成功フラウの拘束を解除できた。

そして食葉の方も火蜥蜴が茎に火を放った事で消化液を送ることが出来なくなったのかラートの苦しむ声が減ったのでこの機会に焼けた茎を切断し、食葉ごと遠くに離しじっくり救出活動を行い、残ったメンバーでこれでもかと言うほどのオーバーキルで殲滅された。


ここからが慌ただしい事に2人の治療で周囲の安全確認とミニ小屋設置、衣服もボロボロで肌も見えてしまっているがウォーターラインズという名のシャワーで冷たくない程度に全身の消化液を流し、全身に中級回復薬と上級も飲ませ一旦ベットで休ませた。

フラウの方も体は問題なかったが羽の方が重傷を負っていた。

羽の骨が折れ複雑に折れ曲がっていた。

こちらも急ぎ上級と欠損再生剤を飲ませ羽にも振りかけうつ伏せ状態で休ませる事にした。


まさかこんな魔獣がいるとは思って居なかったので対応が後手に回ったので被害が拡大してしまった。

油断ならない奴が居るとは思って居たが認識が甘い結果とも言える。今後の事も考えてここで撤退でもいいだろうがここはみんなと相談だな。


「ケント!こいつを見てくれ!」


ジャックに呼ばれシャドーリーフの解体現場に駆けつけた。

そこには通常のこのクラスなら持っていても魔石なのになぜかこいつのには魔玉が存在していた。

これだけでもこいつが異常なのがわかる。


「さしずめ強化種とでも呼んでいいのかもな。そうなるとこの森は魔力が濃縮された連中が居るってことだな」


ジャックの言う通りこいつの戦い方を見ていれば強化種と言う評価も頷けるがそれだけではない様にも思えるが現状こんなのが居るなら何かあるのはやはり魔の森の中心部最悪俺たちだけでも中心部に確認に行くとしよう。

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